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VW不正で和解、復活への道険しく

The Wall Street Journal. logo The Wall Street Journal. 1/12/2017 STEPHEN WILMOT
欧州モーターショーで展示されたフォルクスワーゲンの「アマロック」(2014年1月14日) © Provided by The Wall Street Journal.

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 独フォルクスワーゲン(VW)にとって、10日は一見めでたい日となったかに見えた。年間販売台数が過去最高に達したと発表するとともに、2015年の排ガス不正を巡り米司法省と和解に近づいているとの報道を認めた(訳注:同社は11日、有罪を認め、総額43億ドルの罰金を支払うことで司法省と合意した)。

 しかし、同社の回復を妨げる最大の障害は排ガス不正事件ではない。今はVW復活を期待して投資するタイミングではない。

 米司法省との協議の進展がVW株をここ1カ月押し上げてきた。しかし、株主にとって本当に重要な問題、すなわち「VW」ブランドの収益性の低迷は依然、好転の見通しが立っていない。VWは回復に向けて2つの道を歩んでいるが、投資家はそれを混同して自らを危機に陥れている。

 排ガス不正問題は、どちらかと言えば局所的な問題だ。10日の欧州市場の取引終了後、VWは米政府と和解間近であるとの報道を認めた。同社によると、民事および刑事上の罰金は総額43億ドル(約4960億円)。同社は既に不正事件の関連費用として182億ユーロ(約2兆2240億円)を引き当てているが、シティグループの試算では、さらに20億ユーロ追加される見通しだ。

 同社の優先株式(普通株式に相当)は11日午前の相場で3%上昇した。

 同社は10日、2016年の販売台数も発表した。前年比3.8%増の1030万台となり、全メーカーの中で首位に立つ見込みだ(もう一つの有力候補であるトヨタはまだ数字を発表していない)。販売好調の主因は2つある。1つは、シュコダやアウディ、ポルシェなどグループブランドが多岐に渡るおかげで、グループ全体としてはVWの排ガス不正問題の影響をさほど受けずに済んだこと。もう1つは、VWがリードする巨大な中国市場が政府の各種補助金で追い風を受けたことだ。補助金は1月で期限切れとなるため、昨年のような好業績を達成するのは難しくなる。

 中国以外ではVWブランドは苦戦した。最も不調だったのは米国に加え、意外にもドイツで、2016年の販売台数は前年比7.2%減となった。排ガス不正問題は法的には解決しても、商業的には解決していない。

 VWにとって利益改善に向けて本当に取り組むべき問題はコストだ。回復に向けた2つの道のうち、こちらの方がむしろ重要だ。同社はVW部門の営業利益率を2020年には4%に倍増させると表明している。しかし、労組の支持を得るため、10年間は自主退職による人員削減しか行わないことに同意した。また、同社は幅広い電動パワートレイン技術に投資しているが、それは戦略的観点からというよりも人員維持が目的だ。

 VWの株主構造は、いまだに資本ではなく労働者が会社を支配していることを示している。最新のニュースにだまされてはいけない。復活を目指す闘いは、よく見積もっても長引く公算が大きい。

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