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G-NET2020開幕。覇権争う4強を制し、王者ロッシがまずは一勝

webオートバイ のロゴ webオートバイ 2020/03/26 11:20 伊井覚

全日本ハードエンデューロ選手権G-NET。今年は全5戦が予定されているこの大会の開幕戦が、奈良トライアルマウンテンで開催された。壁のように立ちはだかる平城京ヒル、一度ハマったらヘルプなしでは決して抜け出せない奈良漬、巨大な岩がゴロゴロするロックセクション…2年連続でG-NETの開幕戦に選ばれたCGC奈良トラは、やはり期待を裏切らない話題の多さで僕らを歓待してくれたのだった。

画像1: 名だたる難所も難易度を下げて使用 © webオートバイ 提供 画像1: 名だたる難所も難易度を下げて使用

V6王者、ロッシ。対するは…?

画像1: V6王者、ロッシ。対するは…? © webオートバイ 提供 画像1: V6王者、ロッシ。対するは…?

今年も本命はやはりこの男、高橋博(以下、ロッシ)だ。昨年から後進の育成やコースレイアウターとして精力的に活動してはいるが、なんだかんだシーズンが終わってみれば圧倒的な成績でチャンピオンを獲得した。「下見してきましたけど今日のコースは難しいところが少なくてハイスピードになりそうなので、ちょっと厳しいですね。今年も若手の育成をしていますが、彼らに引っ張られて良い練習ができています。スケジュール的に全戦出場できるかはわからないのですが、出るレースは全て勝つために全力を尽くしたいと思います」とロッシ。

画像2: V6王者、ロッシ。対するは…? © webオートバイ 提供 画像2: V6王者、ロッシ。対するは…?

対抗馬としてまず名前が挙がるのは、鈴木健二。一足先に開幕したJNCC、JECの第一戦を制し、いま一番ノッているベテラン中のベテランだ。今大会はYZ250FXに新兵器「タンデムステップ」を追加して参戦。去年タイヤの選択ミスで遅れを取った鈴木は、フロント・リア共にDUNLOPのMX12を装着してきた。

画像3: V6王者、ロッシ。対するは…? © webオートバイ 提供 画像3: V6王者、ロッシ。対するは…?

そして昨年ランキング2位、最終戦日野ハードエンデューロで見事ロッシを打ち破った水上泰佑(タイスケ)も、今年は全戦エントリーし、本気でG-NETチャンピオンを目指すことを公言。

画像4: V6王者、ロッシ。対するは…? © webオートバイ 提供 画像4: V6王者、ロッシ。対するは…?

2月に台湾で開催された亀山ハードエンデューロを制し、アジアチャンピオンとなった山本礼人(アヤト)も、2018年は最終戦までロッシを追い詰めた実力者だ。マシンをハスクバーナからシェルコへとチェンジし、今年こそはと王座を狙う。

名だたる難所も難易度を下げて使用

G-NETクラスに限って言えば、昨年と今年で奈良トラは全く違うコースになっていた。その原因は前回はG-NETクラスとCGCゲロゲロクラスが別レイアウトだったのに対し、今回は同じレイアウトを使用したことにあった。

画像1: 名だたる難所も難易度を下げて使用 © webオートバイ 提供 画像1: 名だたる難所も難易度を下げて使用

まず昨年はスタートしてすぐにあった特大ロックセクションをスルーし、いきなり「吉野川」へ突入。ここでロッシ、タイスケが後続を引き離し、デッドヒート。さらに続くセクション「大仏ロック」でタイスケがロッシをパスし、トップを奪った。

画像2: 名だたる難所も難易度を下げて使用 © webオートバイ 提供 画像2: 名だたる難所も難易度を下げて使用

「練馬ヒル」や「平城京ヒル」「杉さま」など名だたる難所を通過して昨年伝説を作った「奈良漬」にトップで到着したのはロッシ。通常迂回する出口をジャンプで豪快に飛び降りると、すぐ後に控える「ロケットヒル」を直登。トップライダーでもほとんどのライダーは直登できず、中段で止まって切り返し、イゴリながら登っていくセクションのため、ここでもロッシは大きなアドバンテージを築いた。

今回、ロッシの1周目のラップタイムは25分、ラップ数は5周。昨年は一周目は35分で3周だった。それほど、ゲロゲロクラス混走になったことでコース難易度は大きく下がっていたのだ。総合40位の馬場大貴が奈良漬に到達したのとほぼ同じタイミングで、3周めのロッシが来たと言えば、その異常なスピードの想像がつくだろうか。

鈴木健二を襲った悲劇…

画像1: 鈴木健二を襲った悲劇… © webオートバイ 提供 画像1: 鈴木健二を襲った悲劇…

1周目に比べ、2周目に入ると周回遅れのゲロゲロクラスのライダーが多数おり、それを抜いて行かなければいけないため、通常であればタイムを落とす。ロッシもタイスケも1周目に比べて3〜4分タイムを落としていた中、鈴木健二だけは20秒ほどタイムを縮めて来ていた。レース前日もヤマハの試乗会の対応などで入念な下見ができない鈴木に、よく見られる傾向だ。

画像2: 鈴木健二を襲った悲劇… © webオートバイ 提供 画像2: 鈴木健二を襲った悲劇…

3周目の吉野川で鈴木は前を走るタイスケに追いつきそうなペースで順調に走っていた。ところが、ここで予期せぬトラブルが鈴木を襲った。セルボタンのヒューズがトンだのだ。さすがベテランの鈴木はこの原因を咄嗟に察知。トラブルが起きたのがパドック目の前の吉野川だったことも幸いし、最小限のタイムロスでこのトラブルを解決するも、ここで20分近く消費してしまう。

画像3: 鈴木健二を襲った悲劇… © webオートバイ 提供 画像3: 鈴木健二を襲った悲劇…

こちらが鈴木健二の秘密兵器「タンデムステップ」。YZ250FXは本来1人乗りのレース用マシンのため、タンデムステップはついていないのだが、それにセロー250のものを強引に装着。本来のステップにつま先を、タンデムステップにかかとを乗せることによってヒルクライムなどに有効な超リア荷重を実現できるという。

画像4: 鈴木健二を襲った悲劇… © webオートバイ 提供 画像4: 鈴木健二を襲った悲劇…

レース前、タイスケとアヤトはこのバックステップを見て「かっこ悪い!」と大喜び。対して「いやいや、でもすごい良いんだって!」と力説する鈴木。実際にレースでも使用が目撃されており、ヒューズトラブルさえなければ優勝もあり得たのではないか。次戦、日野ハードエンデューロでタイスケおよびアヤトの車両にタンデムステップがついていないか、要注目だ。

本気で上位を狙う、ライダーたちの戦い

画像1: 本気で上位を狙う、ライダーたちの戦い © webオートバイ 提供 画像1: 本気で上位を狙う、ライダーたちの戦い

今大会で唯一、ロッシの前を走った男、タイスケ。「僕も大きなミスはしていないのに、セクションごとにジワジワと離されていってしまいました。ヒルクライムの最後のイゴリとか、ガレ場のちょっとしたスピード差が、結果として現れたんだと思います。修行し直します」とレースを振り返った。

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シェルコ、300SE Factoryのデビューレースとなったアヤトは悔しい結果となった。吉野川では鈴木健二と競るもあと少しというところで競り負け、奈良漬でも転倒を喫してしまう。中盤では木村つかさとのバトルを制して5位入賞。

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2019年ランキング4位につけ「まずは一勝」を目指す中野誠也は今大会からマシンをCRF300Rにチェンジ。5〜6番手でレースを進めたものの3周目にフロントタイヤのパンクに見舞われ、修理に時間をロスし10位まで順位を落としてしまう。

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また、4強の一角を崩したのがジミーこと大西実だ。スタート直後の吉野川をロッシ、タイスケに続く3番手で通過。その後、鈴木健二にパスされるも順調にレースを進め、3周目には3番手に順位をあげる快走を見せて、最終4位。

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元黒ゼッケンライダーである和泉拓(AD/tac)。昨年の4ストロークRR4T350からクロストレーナー250にマシンをチェンジし、柔らかいサスペンションを生かしてガレ場で順位をあげた。残念ながら3周目に崖から転落するアクシデントで順位を落とすものの、きっちり完走し、8位入賞。

画像6: 本気で上位を狙う、ライダーたちの戦い © webオートバイ 提供 画像6: 本気で上位を狙う、ライダーたちの戦い

黒ゼッケンを目指す木村つかさは4周して6位入賞。奥さんが待望の第一子を抱えながらコース脇で見守る中、幸先の良いシーズンスタートを切ったと言えるが、木村はさらに上を目指す。

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G-NET・ゲロゲロクラス表彰。1位:高橋博、2位:水上泰佑、3位:鈴木健二、4位:大西実、5位:山本礼人、6位:木村つかさ、7位:ウランセー、8位:和泉拓、9位:原真也、10位:中野誠也。

注目! 奈良トラ2020が今年もSNSで話題沸騰

CGCはその独特は発信力でTwitterを中心にレース後も話題が絶えない。

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CRF250LでG-NETコースを2周した大神兄。元トライアルIAの実力は健在だ。現在はキャンオフ東日本でもアドバイザーやコースマーシャルとして活躍している。「惜しくもポイントは獲れませんでしたが、まずは2周できて良かったです。次の目標は自走G-NET参戦です」と語る。このCRF250Lについて詳しくはこちらの記事を参照。

達人のCRF250Lが、超ハードなコース「白井」を制覇しまくる - Off1.jp(オフワン・ドット・ジェイピー)

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こちらが奈良トラ名物、奈良漬。ラインを誤ったり、開けが足りないとこのようにバイクが埋まって独力での脱出は不可能になる。見事に埋まってバイクを前に正座。動画を撮影するギャラリー。もちろんこれはレース中である。

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今年から正式に採用された「奈良漬け王」制度。奈良漬セクションでもっとも泥を被ってハマった一人に与えられ、毎年持ち回りで引き継がれていくという。今年はなんとゲロゲロクラスには参加していない豊橋技科大学二輪部の学生が、献身的すぎるヘルプで名誉の受賞。

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女性ライダーが多いのもCGCの大きな特徴。レディースライダーが出場するおひなさまクラスはミニモトと混走だが、コースはほぼさわやかクラスと同じ。男性顔負けのテクニックと根性を持ち合わせた立派なハードエンデューロライダーなのだ。

オフロードバイクの新しい入り口、ありかも?

画像1: オフロードバイクの新しい入り口、ありかも? © webオートバイ 提供 画像1: オフロードバイクの新しい入り口、ありかも?

「びじばいぱにっく」という言葉をご存知だろうか? 今、中部を中心に一部異常な盛り上がりを見せているスーパーカブやスクーターなどを使ってオフロードを楽しむ遊び方だ。今回はミニG-NETクラス、ミニモトクラスにこの集団が殴り込み!

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びじばいぱにっくの発起人? DAICE。フリースタイルモトクロスのトップライダーの一人で、G-NETレースではしっかり1周している実力派ながら、スーパーカブ50ではちょっとした坂を登れずにDNF。わざわざ重量のある箱を積んでいるのはDAICEのこだわり。普段はツーリングで林道へ行き、山頂でこの中に入れたカップ麺を食べてコーヒーを飲んでいるんだとか。

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「僕はバイクの免許を持っていなくて、車の免許に付随する50ccしか乗れないんですよ。それで始めたスーパーカブ林道ツーリングが始まりなんですけど、これが最高に面白くて。オフロードバイクレースって免許やレーサー、トランポに装備まで揃えるとものすごくお金かかるじゃないですか。でもこれなら車の免許を持っている人ならカブを買うだけで始められる。こんな入り口があってもいいんじゃないかな」と業界の未来を見据える。

画像4: オフロードバイクの新しい入り口、ありかも? © webオートバイ 提供 画像4: オフロードバイクの新しい入り口、ありかも?

オフロードタイヤを履いたアドレスや

画像5: オフロードバイクの新しい入り口、ありかも? © webオートバイ 提供 画像5: オフロードバイクの新しい入り口、ありかも?

定番、スーパーカブ。使う車両には特に決まりはないという。レースレギュレーションはタイヤのホイールサイズしか決まりがないため、こんな車両でも出場できてしまうのだ。

画像6: オフロードバイクの新しい入り口、ありかも? © webオートバイ 提供 画像6: オフロードバイクの新しい入り口、ありかも?

元モトクロスIAの鈴木友也(第3ヒート)もカブでミニモトクラスに参戦。なんと見事に周回して「こんな安上がりな遊びないよ!」と最高の笑顔を見せてくれた。

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びじばいぱにっくに触発されカブを購入してしまった、こんな気合の入ったライダーも。

G-net All Japan Hard Enduro Championship

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