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アルファロメオのセダンがなぜ我々の心を惹きつけるのか…「ジュリア」に受け継がれたDNA

レスポンス のロゴ レスポンス 2018/07/12 16:00 島崎七生人

アルファロメオ ジュリア(クワドリフォリオ)

アルファロメオ ジュリア(クワドリフォリオ)
© レスポンス

ブランド名を聞いて心がときめくケースは少なくないが、アルファロメオの場合は甘美な気持ちが込み上げてくる。内外の数ある自動車メーカーのなかでも、それほどロマンティックな存在は他にない、と思う。

そんなアルファロメオのなかでも目下の注目車種といえば、もちろん『ジュリア』だ。

何を隠そう筆者も自身の愛車として『164』『156』『166』×2台(他にクーペの『GTV』)と、かれこれ20余年、アルファロメオのセダンを乗り継いできた。『159』に関しては様子見をしているうちにモデルが消滅してしまったが、今にして思えばBros.車だった『ブレラ』『スパイダー』に対し、アルファらしい色気がやや足りなかったのかも知れない。

いずれにしろ、もしも筆者と同じような車歴をお持ちの世の中の“アルフィスタ”の方であれば、新しいジュリアは、首を長くして待ち望んでいたモデルであるに違いない。

◆ドライバーの五感に響く

初代ジュリアは言うに及ばず、アルファロメオには名車と呼ばれる4ドアセダンが数多い。近年では日本でも人気を博した『75』→『155』→『156』も4ドアセダンの流れだった。“スポーツセダン”は一般的な呼称のひとつで“実用主義のセダンを高いスペックで仕上げたクルマ”の意味をもつ。が、アルファロメオの場合は、単に高性能であるだけでなく“高感度な、ドライバーの五感に響く走りを愉しませてくれるクルマ”といった解釈が相応しい。

新しいジュリアも例に漏れない。まず何といっても似たクルマが想起されない個性的で優美なスタイリング、存在感が何といっても惹かれる。実車を目の当たりにしたら「ああ、『156』や『166』のようにディテールを削ぎ落とした美学で成り立っているのだな」と理解できた。とはいえシャープなヘッドランプやフロントの開口部形状など、力強い存在感が与えられている点は現代的だ。

インテリアもシートに身体を収めた瞬間、文字どおりその世界に包み込まれる。シルバーの加飾にしても他のプレミアムブランドとはひと味違い控えめだし、何といっても眼前にはシリンダー状のフードの奥にスピード/タコメーターが液晶の描写ではなく物理メーターで備わる。現代のモデルは(セダンはとくに)機能、デバイスの増加に伴いスイッチ類の数の多さは当然としている風潮もある。が、ジュリアのやや古風にすら見えてもシンプルな運転席まわりの佇まいは、昔ながらのクルマ好きを優しく迎え入れてくれる……そんなムードを感じる。

◆FRで味わうアルファロメオ

当然ながら走りに関して、ジュリアはドライバーの気持ちを小躍りさせてくれる。前述したとおり個人的には少し前のFF系アルファの走りが身体に染み込んでおり、アルファロメオのセダンというと、あのシンナリとしたロールを伴いながらのコーナリングフォームのイメージだった。なのでジュリアのキレ味のいいハンドリングを最初に体感した際は、少し戸惑いも覚えた。が、コチラがジュリアに馴染むに連れ、ステアリングやアクセル、ブレーキを手と足ではなく気持ちで操って走らせているような、アルファロメオならではの感覚が味わえるようになる。

これまでにひととおりのグレードを試乗した。その中でスペシャルな「クワドリフォリオ」を別格にすると、280ps/40.8kg-mの動力性能の「ヴェローチェ」の走りはかなり楽しめた。後輪で踏ん張り、前輪で切れ込んでいく様はFRならではだが、そのフットワークに動力性能を乗せていくように走らせていると、新時代のアルファロメオのセダンの世界観が存分に堪能できる。クルマの四隅に神経が行き届く感覚だから、ボディサイズのことも心配は無用だ。

またスポーティとはいえ乗り心地も損なわれておらず、ファミリーセダンとしても問題なく通用するから、ご自宅用にジュリアを狙っている人にとってはそのことも朗報だ。

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト

1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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