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マツダCX-5 XD Lパッケージ/CX-5 25S Lパッケージ【試乗記】

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マツダCX-5 XD Lパッケージ/CX-5 25S Lパッケージ【試乗記】 © webCG Inc. 提供 マツダCX-5 XD Lパッケージ/CX-5 25S Lパッケージ【試乗記】

マツダCX-5 XD Lパッケージ(4WD/6AT)/CX-5 25S Lパッケージ(4WD/6AT)

遠くまで走ってこそ

いい車とはなんだろう? その答えを見つけたければ、一気に遠くまで走ってみるといい。今回のロングドライブの相棒は「マツダCX-5」。名古屋をスタートして東海北陸道を北上し、和倉温泉を目指す300km余りの道のりで、同車とじっくり対話してみた。

玄関先で

穏やかな七尾湾に面して建つ宿の玄関に出てみたら、マツダ広報のMさんにお客さん待ちのバスガイドさんが熱心に話しかけていた。玄関脇にずらり並んだマツダCX-5に興味津々、というより今すぐにでも手付金置いていきますぐらいの勢いでのぞき込んでいた。レザーシートの車はどれ? ちょっと座ってみてもいい? このシートは高さも調節できるの? などなど、その日の気温じゃないけどまさしく「ホット」なお客さまである。車にワクワクしている人を見ていると、何だかこっちもうれしくなるのはなぜだろう。できればわれわれと一緒に乗って行きますかと誘いたかったけれど、そろそろ仕事の時間らしい。ガイドのお姉さんは本当に名残惜しそうに、後ろ髪を思いっきり引かれた状態で、金沢ナンバーの観光バスに乗り込んで本来の仕事に戻っていったのでした。

おそらく普段から車に乗っているであろう彼女は、まさしくCX-5の想定顧客像ど真ん中のように思う。北陸加賀は夏は暑いし、冬は冬で積雪もあり、悪天候の日が多い。冬の雷を“鰤(ぶり)起こし”などと言うぐらいである。地方都市ゆえにやはり車が生活の足であるうえに、平均移動距離は比較的長く、燃費も意識しなければならない。その点、昨年末にモデルチェンジした2代目CX-5はガソリンもディーゼルターボもあるし、4WDモデルも選べる。なにより重要なのは、キャリアウーマンが選ぶのに恥ずかしくないクールなスタイルが自慢で、ボディーカラーも粋なチョイスがそろっている。ついでに地方都市なら首都圏ほどその全高やサイズを気にすることもない。考えれば考えるほど、ガイドのお姉さんの熱視線は当然、やっぱり、仮契約ぐらいとっておくべきだったんじゃないの。

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日本の背骨を縦断

2012年にデビューしたマツダのSUV・CX-5は、新世代技術の総称としてマツダが打ち出した「スカイアクティブ」の名を世の中に知らしめ、マツダ復活の基礎を固めた立役者である。今や世界販売の4分の1を占めるというからビジネス面でも重要なモデルである。

今回の試乗会は、スカイアクティブテクノロジーの核心である安全快適に走れる実力をロングドライブで再確認してもらおうという趣旨であり、ルートは名古屋駅をスタートして東海北陸道を北上、和倉温泉を目指すというもの。ロングドライブといっても距離は300km余りだから、ほとんど完全に結ばれている高速道路を行くだけなら半日もかからないけれど、それではもったいなさすぎる。日本で最も山深く、雪深い飛騨山地を貫いて砺波平野に抜けるこのルート沿いには、美濃、郡上八幡、高山、白川郷など近頃は海外からの観光客にも人気の街が並び、名湯名水名物にあふれているのだ。実は和倉温泉の老舗旅館の大将でもあるクラシックカー仲間が、以前から名古屋から能登に至るこの道を「昇龍道」(能登半島が龍の頭に見えませんか?)として売り出していたためになじみがあったが、たまたま今回同じコースをたどることになった。東海環状自動車道と交差する美濃関JCTを過ぎると、長良川と並走しながらさかのぼる。光る清流の中には鮎(あゆ)を狙う釣り人が並んでおり、実に風光明媚(めいび)。本当なら2、3日かけて回りたいところだが、実質半日で駆け抜けなければならない。大人の休日と銘打ってはいるが取材なんていつもこんなものである。

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スカイアクティブの真価

「スカイアクティブ」の要である安全快適を支えるのは人間中心の思想である。その基本となるのが、たとえば適切なドライビングポジションだ。CX-5はもちろん、マツダ車はすべてドライバーと正対しているステアリングとペダル配置、そしてオルガン式スロットルペダルを採用している。オルガン式は重くて長時間走ると疲れるという意見もあるけれど、正しい姿勢をとれば足全体でコントロールしやすく踏み間違いも少ないと思う。またドライビングポジションなどどの車でも同じだろうと言う向きもあるが、いまだに(特に小型車では)ドライバー正面に対してステアリングやペダルがオフセットしている車が少なくない。快適性についても突き詰めて考えている車ばかりではない。車を運転する際の快適さとは、とにかくらくちんで安楽に移動することを指すわけではない。突き詰めれば自動運転でスマホのゲームをしながら目的地に到着できるのが最高の快適性と考える人もいるだろうがそれでは単なる“乗客”だ。私はそう考えないし、マツダもそうだろう。

最近は他のメーカーも「意のままの走り」という表現を使っているが、それは何もワインディングロードを威勢よく飛ばしている場合だけの話ではない。高速道路でレーンチェンジしようとステアリングを切った時、思ったよりも反応が鈍く遅く、そのせいでちょっと焦って切り増したり、前の車との距離が詰まって思わずブレーキに足を載せたりすることを考えてほしい。本来はスッとハンドルを切って、追い越したらスムーズに走行車線に戻るだけだったのに、期待通りのレスポンスがなかったせいで余分な微修正、微調整が必要になり、その小さな“ササクレ”の積み重ねが疲労感となって表れるのである。

マツダ自慢のG-ベクタリングコントロール(GVC)はまさにその微修正の軽減を狙ったものだ。ただし、オンオフ・スイッチが付いているものではなく、パワーアップのように効果が誰にでも明確に伝わるものでもない。トルクを絞って前輪荷重を増すとはいっても、減速Gは最大で0.05Gというから、よほど経験豊富なドライバーでも感じられないのが普通だ。一般道では私も感じ取ることはできない。繰り返すがステアリング操作に伴って絞るトルクはごく小さく、たとえばエアコンのコンプレッサーが作動してクッと抵抗が増す、あの減速感の数分の1程度でしかないという。軽自動車ならいざ知らず、パワーに余裕がある車の場合はコンプレッサーの作動すら気が付かない人はたくさんいるのではないだろうか。

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もっと走れると思わせる車

それでもある程度の距離を走れば、適切なドライビングポジションやGVCは疲労感の少なさとなって表れるはずだ。往路の和倉温泉までのパートナーは2.2リッターディーゼルターボの「XD Lパッケージ4WD」、翌日は2.5リッター直噴ガソリンを積む「25S Lパッケージ4WD」に乗った。CX-5の主力はやはりディーゼルモデルだというが、ここ数年でヨーロッパ勢の最新ディーゼル搭載モデルが続々と上陸しており、それらと比べると低速での振動やノイズの面でいささか分が悪いのは事実である。ただし、いったんある程度のスピードに乗ってしまえばまったく文句はない。東海北陸道は白川郷IC辺りまではずっと上り坂が続くが、そんな場面では2.2リッターディーゼルターボ(175ps、420Nm)の余裕あるトルクが頼もしく、わずかなスロットル操作にも打てば響くように応えてくれるので、自然に滑らかで最小限の操作でスピードコントロールができる。2.5リッターガソリン(184ps、245Nm)は軽快ですがすがしく回るが、上りが続く高速道路のような場面ではさすがにディーゼルに比べてやや線の細さを感じる。路面によっては19インチタイヤ(トーヨー・プロクセスR46)のバタつきを感じる点が玉にきず、むしろスピードが上がった方がフラット感が前面に出るようになって安心できる印象だ。

以前は東京から千里浜を何度も往復したものだが、この歳になってもこのまま走って帰京してもいいと思えたのは、当時の車よりCX-5がずっと“快適”だったからである。私が思うに、目的地に着いても、もっと走れる、走りたいと感じさせてくれる車こそいい車である。

(文=高平高輝/写真=小林俊樹/編集=竹下元太郎)

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テスト車のデータ

マツダCX-5 XD Lパッケージ

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4545×1840×1690mm

ホイールベース:2700mm

車重:1680kg

駆動方式:4WD

エンジン:2.2リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ

トランスミッション:6段AT

最高出力:175ps(129kW)/4500rpm

最大トルク:420Nm(42.8kgm)/2000rpm

タイヤ:(前)225/55R19 99V/(後)225/55R19 99V(トーヨー・プロクセスR46)

燃費:17.2km/リッター(JC08モード)

価格:352万6200円/テスト車=359万1000円

オプション装備:特別塗装色<スノーフレイクホワイトパールマイカ>(3万2400円)/CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー<フルセグ>(3万2400円)

テスト車の年式:2017年型

テスト開始時の走行距離:9480km

テスト形態:ロードインプレッション

走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)

テスト距離:--km

使用燃料:--リッター(軽油)

参考燃費:--km/リッター

マツダCX-5 25S Lパッケージ

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4545×1840×1690mm

ホイールベース:2700mm

車重:1610kg

駆動方式:4WD

エンジン:2.5リッター直4 DOHC 16バルブ

トランスミッション:6段AT

最高出力:184ps(135kW)/6000rpm

最大トルク:245Nm(25.0kgm)/4000rpm

タイヤ:(前)225/55R19 99V/(後)225/55R19 99V(トーヨー・プロクセスR46)

燃費:14.6km/リッター(JC08モード)

価格:321万3000円/テスト車=340万7400円

オプション装備:特別塗装色<ソウルレッドクリスタルメタリック>(7万5600円)/BOSEサウンドシステム<AUDIOPILOT2+Centerpoint2>+10スピーカー(8万6400円)/CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー<フルセグ>(3万2400円)

テスト車の年式:2017年型

テスト開始時の走行距離:4488km

テスト形態:ロードインプレッション

走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)

テスト距離:--km

使用燃料:--リッター(レギュラーガソリン)

参考燃費:--km/リッター

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