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メルセデスの新型Sクラス、その進化|Mercedes-Benz

OPENERS のロゴ OPENERS 2017/04/24 OPENERS
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ダイムラーは、4月19日より開催されている上海モーターショー2017において、大幅な改良をおこなった新型メルセデス・ベンツ「S クラス」を一般公開した。注目は、完全自動運転を見据えた運転支援システム(以下ADAS=アドバンスド ドライバー アシスタンス システム)の進化で、これは現状市販可能なシステムの最高峰ともいえそうだ。

Text by SAKURAI Kenichi

かねてから予告されていた直6が復活

ひと目で新型だと分かるエクステリアデザインのポイントは、大きく開いたバンパー下部左右に設けられたエアインテークの形状だ。これはグリル下にある大型化されたエアインテーク同様、迫力あるフロントフェイスを構築することに貢献している。マルチビームLEDヘッドライトの基本形状は従来モデルと大きく変わらないが、内部構成が進化し、未点灯時でもスタイリッシュなデザインが確認できる。

いっぽうリアに目を移せば、こちらも形状は同じながら、点灯箇所とそのデザインが変更されたリアコンビネーションライトとバンパー下部の新しい意匠が新型車であることを伝える。エクステリアは最小限のブラッシュアップにとどまるが、大きく進化したのはその内部だった。

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先に注目すべきは、これまでV6エンジンの搭載と後輪駆動をメインとしてきたメルセデスの宗旨替えである。AMGは別として、今回発表されたスタンダードモデルのディーゼルエンジンのバリエーションは、最高出力286ps、最大トルク600Nmの3.0リッター ディーゼルターボを搭載する「S 350 d 4マチック」と、同じく3.0リッター ディーゼルターボながら最高出力340ps、最大トルク700Nmを発生する「S 400 d 4マチック」の2種で、この両車はともに直列6気筒エンジンとなる。

実に約20年ぶりにメルセデスが直6を復活させたのは、直4エンジンとのモジュール化で生産効率を向上させるという理由がひとつ、ターボチャージャーを排気側片側に設けられ、エンジン(+保器類)をコンパクトに設計できるというメリットを優先したからだと言われている。確かにV型エンジンでは左右バンクにそれぞれターボチャージャーを設置する必要があり(ツインターボの場合)、シングルターボでは排気系の取り回しが複雑になってしまうので、シンプルな形状でターボジャージャーをセットできる直6のメリットは少なくない。BMWのようにエンジンのスムーズさがもたらす走りの楽しさや官能的なアクセルフィールではなく、合理的にメカニズムとしての効率を狙ったがゆえの新開発である点がメルセデスらしく、質実剛健なクルマのイメージとも合致する。

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また、これら直6ディーゼルターボは、現在発表されている両モデルにおいて、ともに4マチック=4WDと組み合わせられている。今後の追加モデルの様子をみないと断言はできないが、4WDこそが最も安定し、安全な駆動システムであるとの主張もそこにはあるような気がしてならない。




ガソリンにはハイブッド仕様

一方、ガソリンエンジンは、最高出力469ps、最大トルク700Nmを発生する4.0リッター V8ツインターボの「S 560 4マチック」をラインナップする。「ゴーロクマル」という響きに反応するユーザーは、おしなべて50代以上だと推察するが、往年のネーミングの復活はとてもキャッチーである。

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直6化を果たしたディーゼルエンジンに対してガソリンエンジンは? と思った方は先見の明ありで、メルセデスはスターターとジェネレーターをひとつの大容量48Vモーターに統合したISA(インテリジェンス スターター オルタネーター)をトランスミッションとのあいだに配置した“M256”と呼ばれる新型の直6ガソリンエンジンも追加ラインナップの予定だ。

加速シーンでは、このモーターがエンジン出力をアシストし、減速時にはエネルギー回生を行う。つまり直6ガソリンはもれなくマイルドハイブリッド仕様になるということである。その加速感は従来のV8エンジン並というから、登場を大いに期待したい。

このほか、メルセデスAMGからは、ロングホイールベースを用いた最高出力612ps、最大トルク900Nmを発生する4.0リッターV8ツインターボの「AMG S 63 4マティック+」や、同じくロングホイールベースでフラッグシップたる最高出力630ps、最大トルク1000Nmを誇る6.0リッターのV12ツインターボを搭載した「AMG S 65」、ラグジュアリーモデルのフラッグシップとなる「メルセデス・マイバッハ S 680」も同時に発表されている。

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完全自動運転を見据えた充実のADAS

こうしたパワートレインの新世代化と同時に、新型Sクラスでは、運転支援機能がさらに進化を遂げていることも大きなニュースだ。

ドライバーが安全な車間距離を保って走行できるようドライビングをサポートし、また車載カメラと地図データが連係、カーブや高速のジャンクションなどで自動的に車速を制御する「ディストロニック アクティブ プロキシミティ コントロール」と「アクティブ ステア アシスト」、そしてすでにEクラスにも搭載されている「アクティブ レーン チェンジ アシスト」など、自動運転からの技術的フィードバックを実装したADASの進化は特に注目だ。

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ドライバーが一定時間以上運転操作をしていない状態が続いたと車両が検知した場合に自動的に車両を停止させる「アクティブ エマージェンシー ストップ アシスト」、高速道路や同様の道路での停車中に最大30秒の停止が可能、先行する車両の動きに従って自動的に再発進を行う「フォローイング ビークル イン ア テールバック」、ナビとの連動によって交通標識を認識し、制限速度を超過している場合には警告を発しドライバーに注意を促す「トラフィック サイン アシスト」、スマートフォンを用いて乗降しにくい狭い場所への駐車を車外からコントロールできる「リモート パーキング アシスト」など、充実したADASの採用もトピックスである。

そのほか、2013年の登場から装備していた交通状況を検知し自動で配光を調整する「マルチビーム LED ヘッドランプ」は、「ウルトラレンジ メインビーム」に進化し、絨毯のような乗り心地だと評価された「マジック ボディ コントロール」はカーブ機能を備えた進化型にバージョンアップされている。

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インテリアでは、メーターとして使用される12.3インチのディスプレイを2枚並べた大型ディスプレイがより一体感あるデザインに変更されたほか、「クラシック」「スポーティ」「プログレッシブ」の3タイプの表示スタイルが設定されている。ステアリングホイールにはタッチセンサーが内蔵され、スマホ画面のようなスワイプ操作に対応、同時にスイッチ形状も今まで以上に直感的に使用できるデザインに改められ、ドライバーはステアリングホイールから手を離さずにインフォテインメントシステム全体をコントロールできるようになった。もちろん、音声での操作も可能である。

従来どおりインテリア照明にはすべてLEDが用いられ、アンビエント照明は64色のなかから任意に設定可能。トリムエレメント、中央ディスプレイ、センターコンソールの前面の収納スペース、ステアリングホイール、ドアポケット、前後のフットウェル、オーバーヘッド コントロール パネル、車両にハイエンド3Dサラウンド サウンド システムが装備されている場合はそのトゥイーターなどを個別に設定できる。

この新型Sクラスは、欧州では7月からデリバリーを開始する予定で、日本にも年内の導入が見込まれている。

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