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レクサス30周年をコスタリカで体感! 日本製高級車の到達点を見た

マイナビニュース のロゴ マイナビニュース 2019/08/14 11:00 九島辰也

今年は自動車業界で「周年」が多い年だ。ベントレー100周年、シトロエン100周年、フィアット120周年、アバルト70周年、ミニ60周年などがある。個人的な嗜好で恐縮だが、ゲレンデヴァーゲン40周年なんてのもそうだ。そして今回、コスタリカでレクサスの30周年イベントが開催されたので、参加してきた。

30周年を迎えたレクサスのクルマたち © マイナビニュース 30周年を迎えたレクサスのクルマたち

レクサスはコスタリカで30周年イベントを開催した

高級車の世界最高峰を目指して歩みだしたレクサス

レクサスの歴史は、1989年の初代「LS」で始まった。日本では「セルシオ」の名で売られていたモデルだ。ただ、日本での正式な展開は2005年まで待たなくてはならなかったので、その前の時代はトヨタ関係者もしくはクルマ好きのみぞ知る。当時の日本では、一部のコアなファンの間でセルシオにレクサスバッジを貼るのが流行っていたくらいだ。

レクサスの初代「LS」 © マイナビニュース レクサスの初代「LS」

初代「LS」の登場でレクサス史は幕を開けた

それはともかく、レクサスが世界中のメディアを集め、ブランド30周年を振り返るイベントを中米コスタリカで開催したのはなぜか。実はコスタリカという国、コーヒーやバナナに代表される農産物で有名だが、環境保護の意識が高く、そのための技術開発を進めていたりもする。そんな背景もあり、ハイブリッド(HV)をはじめとする環境に優しいテクノロジーをウリにするレクサスは、この地を選んだそうだ。

レクサスがHVモデルを投入したのは1999年型「RX 400h」から。プレミアムブランドとしては、かなり早い段階でHVモデルを用意したといえる。そして昨年は、全モデルの中でHVモデルの販売シェアが23%に達した。現在、レクサスのHVは11モデルだが、その販売シェアは今年、30%に達する見込みだ。さらにいえば、2025年までに新たに10種類の電気自動車(EV)またはプラグインハイブリッド(PHV)を登場させるとアナウンスしている。インホイールモーターやフライバイワイヤーステアリングなどの技術を投入する予定だ。

レクサス「RX 400」 © マイナビニュース レクサス「RX 400」

レクサス初のHVモデル「RX 400h」

30周年のイベントは、その歴史を振り返るプレゼンテーションから始まった。レクサス史を振り返る上で、初代LSの存在は大きい。このクルマが完成したことで、レクサスブランドが始まったといっても過言ではないからだ。

このプレゼンでフィーチャーされたのは、鈴木一郎という人物だった。極秘プロジェクトのチーフエンジニアに就任し、開発の指揮をとった技術者だ。愛称は“ミスターインポッシブル”。要するに、“あり得ない”ことを目標に掲げていたのが当時のレクサスだった。

目指したのは最高時速250キロ、燃費22.5mpg(マイル・パー・ガロン)、Cd値(空気抵抗係数)28~29、時速100キロ時の騒音レベル58dbという高次元なクルマづくり。いずれも、当時でいえば高級車として世界最高峰を目指すようなレベルだった。LSのボンネットにシャンパングラスを積み上げたテレビCMはかなり印象的だったが、その裏には開発陣のとてつもない苦労があったのである。

レクサスの歴史を振り返るプレゼンテーションの様子 © マイナビニュース レクサスの歴史を振り返るプレゼンテーションの様子

レクサスの歴史を振り返るプレゼンテーションの様子

また、北米におけるレクサス成功の裏には、ディーラーサービスの充実という地道な努力もあった。いわゆる“おもてなし”を取り入れたのである。具体的には、ショールームにカプチーノマシンを置いたり、整備後に洗車して納車したり、手書きのお礼状を出したり。日本ではそれほど特殊なことに思えないが、アメリカではかなり画期的なことだったのだ。

というのも、あの頃のアメリカ人が「人生における嫌なこと」の1つに挙げていたのが、「ディーラーに行ってクルマを買うこと」だったからだ。昔、アメリカに住む友人に聞いたところによれば、あちらのディーラーマンは、クルマを買いそうなうちはいい顔をするが、買わないと分かると、とたんに粗野な対応に変わるそうだ。中には暴言を吐く人もいるとか。つまり、レクサスディーラーはそこに新風を吹き込んだのである。

プレゼンテーションの後半では、レクサスが“ライフスタイルブランド”へと舵を切ったことに関する説明があった。人々がディーラーに足を運ばなくなった今、スポーツ、旅行、ファッションなどを通して顧客とコミュニケーションをとることが必要と判断したのだ。レクサスがゴルフや「ダイニングアウト」、エアレースなどにスポンサードするのはそういう意図がある。

新旧のレクサス車を乗り比べ!

プレゼンテーションの後は、もう1つの目玉である新旧モデルの乗り比べが用意されていた。旧モデルは1990年の「LS 400」を筆頭に、93年の「GS 300」、96年の「SC 400」、2002年と03年の「RX 300」、06年の「RX 400h」、07年の「GS 450h」などなどだ。新車は現行モデルだが、中にはこの秋の日本上陸を予定する2020年型「RX 350」と「RX 450h」も含まれていた。

レクサスの2020年型「RX450h」 © マイナビニュース レクサスの2020年型「RX450h」

2020年型「RX450h」。日本上陸は2019年秋の予定だ

こうなると、目が行くのは旧車だ。SC 400やGS 300を近くで見ると、今となってはかなりシンプルな面構成のボディパネルだが、そのシンプルさが逆に新鮮でカッコいい。それに、衝突安全基準云々が厳しくない時代の産物だけに、ボディサイズがそれほど大きくないのもいい。全幅の加減はちょうどよく、ボディをシュッと見せてくれる。

レクサス\「SC 400」 © マイナビニュース レクサス\「SC 400」

シンプルな面構成のボディパネルがカッコいい「SC 400」

走った印象も悪くなかった。年数は経っているがローマイル車なので、思いの外ボディはカッチリしていて操作感もいい。ブッシュやダンパーに相当手を入れたのかと思いきや、そうではないというのにも驚いた。耐久性の高さはすごい。扱いやすいという面ではRX 300もよかった。世界初のモノコックボディSUVは乗り心地がよく、機敏に走る。アメリカでビッグヒットとなった理由も分からなくはない。

レクサス「RX 300」 © マイナビニュース レクサス「RX 300」

アメリカでヒットした「RX 300」は扱いやすいクルマだ

現行型では、やはりLCはいいクルマだと再認識させられた。ワイド&ローのボディは運転席に座るだけで楽しいし、ワクワクする。しかも、NA(自然吸気)エンジンにせよHVにせよ、パワフルでハンドリングがいいのだから文句の付けようがない。今回のような郊外のワインディングは絶好のステージ。後はオープンボディを待つばかり、である。

レクサス「LC 500」 © マイナビニュース レクサス「LC 500」

現行型では「LC 500」の走りのよさを再認識した

ということで、レクサスのマイルストーンとなる30周年を今回、体験することができた。自動車業界で30年というのは決して長くない歴史だが、逆に、この年数でこれだけの成長ができたことをレクサススタッフは誇りに思うべきだろう。個人的にも、日本人としてそう思っている。

ただ、我々日本人は、1989年からの30年をそのまま経験しているわけではない。そう考えると、アメリカ人にとって、レクサスの30年がどういうものだったのかを知りたくなる。このイベントに参加したアメリカ人ジャーナリストの記事が気になるところである。

© マイナビニュース

著者情報:九島辰也(クシマ・タツヤ)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社)編集長などを経てフリーランスに。その後はメンズ誌『LEON』(主婦と生活社)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、ゴルフ、クルーザーといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしてもさまざまな商品に関わっている。一般社団法人 日本葉巻協会会員。東京・自由が丘出身。

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