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新型メルセデス・ベンツ Eクラス クーペに試乗|Mercedes-Benz

OPENERS のロゴ OPENERS 2017/05/16 OPENERS
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2016年初頭にワールドプレミアを果たした第5世代となるメルセデス・ベンツ「E クラス」。その派生モデルたちも新世代へと交代が行われている。そのひとつである「E クラス クーペ」は、新型のセダンが日本に上陸したのとほぼ同じ、昨年秋に発表された。この新型Eクラス クーペにバルセロナで試乗する機会を得た自動車ジャーナリストの大谷達也氏は、プレゼンテーションの際に意外な一言が印象的だったという。

Text by OTANI Tatsuya

後席での寛ぎを勧められた

クーペに心惹かれる理由はいくつもある。

流れるようなルーフラインがエレガントで美しいこと。

プライベートで出かけるとき、ビジネススーツで出かけるような野暮ったさがなく、スタイリッシュなジャケットとパンツを組み合わせたときのようなオシャレ感と上品さを演出できること。

クルマを通じて自分の個性をより明確に主張できること――。


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とまあ、いろいろと考えられるけれど、メルセデスのスタッフがプレゼンテーションで語った言葉には「オヤ?」と思った。

「メルセデスEクラス・クーペは後席での快適性も重視しています。どうか、後席でゆっくり寛いでみてください」

通常、クーペボディはルーフラインが後ろにいくに従ってなだからに下降するため、後席のヘッドルームは限られていて、長時間を快適に過ごせる空間とは言いがたい。まして最新のEクラス クーペのように、軽快なスタイリングを生み出すためにグリーンハウス(ショルダーラインから上のサイドウィンドウで囲まれた部分)はリアエンドに向けて徐々に左右が絞られているので、横方向の余裕だって限られているはず。なのに、なぜメルセデスのスタッフは後席に座ることを勧めたのか? 軽い疑問を抱いたまま、私はバルセロナ空港を起点とする試乗に臨んだ。


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今となっては貴重な足回りのセッティング

最初にステアリングを握ったのはエアサスペンション仕様の「E 400 4MATIC クーペ」。

今年中ごろと見込まれる日本導入時は、このV6 3.0リッターエンジンを積んだ4WD仕様のE 400 4MATIC クーペ、それに直4 2.0リッターエンジン搭載で後輪駆動となる「E 300 クーペ」の2モデルが発売される模様だが、足回りはE 400 4MATIC クーペがエアサスペンション、E 300 クーペは金属バネ式サスペンションがそれぞれ標準となる見通し。その意味でいえば、まさに日本仕様そのままのモデルに試乗できたことになる。


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端的にいえば、乗り心地やハンドリング、そしてエンジンのフィーリングはセダンのE 400 4MATICと非常によく似ている。

細かいことをいうと、セダンは3.5リッターなのに対し、クーペは前述のとおり3.0リッターとなるのだけれど、333psの最高出力も480Nmの最大トルクも、なぜかセダンとクーペで共通。リニア感の高い出力特性、ターボラグをほとんど感じさせないレスポンスのよさも同様で、実に扱い易い。

また、6気筒らしいなめらかな回転フィールもこのエンジンの美点で、静粛性の高さとあわせ、エレガントなスタイリングの新型Eクラス クーペのキャラクターによくマッチしていると感じた。


それ以上に強い感銘を受けたのが乗り心地。これは、同じくエアサスペンションとなるセダンのE 400 4MATICも同様だが、ゴツゴツ感がほとんどなく、大きなうねりもフワーリ、フワーリとやり過ごすしなやかな足回りなのだ。

その、最近の“スポーティ至上主義”的な足回りとは正反対のセッティングは、往年のメルセデス・サルーンの快適さを思い起こさせるもので、実にユニークかつ貴重なものだ。

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4気筒らしい長所をもつE 300

いっぽうのE 300 クーペにも不満を覚えなかった。

試乗車は予定される日本仕様と違ってエアサスペンションを装着していたため、乗り心地の印象はE 400 4MATIC クーペと同じ傾向。ハンドリングは、ノーズの軽い4気筒エンジンを積んでいるせいか、限界領域ではより軽快でバランスがいいと感じたが、日常的な範囲ではどちらも素直で扱いやすいはずだ。


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エンジンの動力性能にも特に不満は覚えなかったものの、細かく観察していくと、やはり4気筒特有のバイブレーション、ノイズが認められないわけでもない。そのレベルは小さく、これ1台だけに乗っていれば不満を覚えることはないだろうが、E 400 4MATICと乗り比べると6気筒と4気筒の違いが明確になる。

なお、今回はE 300ではなくE 400 4MATICで金属バネ式サスペンションを試すチャンスがあったが、そちらは鋭い突起を乗り越えたときのショックの伝え方などでエアサスペンションに一歩及ばない部分が垣間見えたので、予算に余裕があればE 400 4MATICのほうが新型メルセデスEクラス クーペの豪華な世界観をより深く味わえると思う。



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贅沢な空間

では、冒頭で述べた後席の快適性はどうだったのか?

まず、気になる横方向のスペースは、後席を2座席として中央に寄せることで充分な広さを稼ぎ出していた。それどころか、左右のシートのあいだにはワイドなセンターアームレストがあって、これを引き起こせばゆったりとスペースを使ったドリンクホルダーが現れるくらい、ぜいたくな空間が確保されている。


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それ以上に驚いたのが、サイドウィンドウからの眺めだった。エクステリアデザインを見てもわかるとおり、新型Eクラス クーペはサイドウィンドウの寸法が天地方向に比較的長くとられており、しかもそれが後方まで長く続いているので、後席からの視界は極めて良好。しかも、クーペではBピラーが省略されているため、サイドウィンドウを通して見える景色が途切れることなく、前方から後方へと流れるように過ぎ去っていくのだ。その光景はパノラマ写真さながらで、これまでに味わったことのない感動を与えてくれた。

Eクラス クーペの日本導入は前述のとおり今年中ごろ。価格は未発表ながら、E 300が700万円の後半、E 400 4MATICは1,000万円をわずかにオーバーすると予想される。


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Mercedes-Benz E 400 4MATIC Coupe|メルセデス・ベンツ E 400 4マティック クーペ
ボディサイズ|全長 4,826 × 全幅 1,860 × 全高 1,438 mm
ホイールベース|2,873 mm
トレッド 前/後|1,605 / 1,609 mm
重量|1,845 kg
エンジン|2,996 cc V型6気筒ターボ
ボア×ストローク|88.0 × 82.1 mm
圧縮比|10.5
最高出力| 245 kW(333 ps)/ 5,200-6,000 rpm
最大トルク|480 Nm/ 1,600-4,000 rpm
トランスミッション|9段AT(9G-TRONIC)
駆動方式|4WD
タイヤ|245/45R18
0-100km/h加速|5.3 秒
最高速度|250 km/h
燃費|8.1 /100km(およそ12.3km/)
CO2排出量|183 g/km
トランク容量|425 リッター


Mercedes-Benz E 300 Coupe|メルセデス・ベンツ E 300 クーペ
ボディサイズ|全長 4,826 × 全幅 1,860 × 全高 1,431 mm
ホイールベース|2,873 mm
トレッド 前/後|1,605 / 1,609 mm
重量|1,685 kg
エンジン|1,991 cc 直列4気筒ターボ
ボア×ストローク|83.0 × 92.0 mm
圧縮比|9.8
最高出力| 180 kW(245 ps)/ 5,500 rpm
最大トルク|370 Nm/ 1,400-4,000 rpm
トランスミッション|9段AT(9G-TRONIC)
駆動方式|FR
タイヤ|225/55R17
0-100km/h加速|6.4 秒
最高速度|250 km/h
燃費|6.4 /100km(およそ15.6km/)
CO2排出量|147 g/km
トランク容量|425 リッター

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