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軽のターボ車はパワフルだけど取り扱い注意!? ターボ搭載車のメリット・デメリットとは

くるまのニュース のロゴ くるまのニュース 2021/10/14 10:10 くるまのニュースライター 金田ケイスケ

ターボってどんな仕組み? メリットやデメリットとは

 一時はハイパワーを絞り出すためにもてはやされたターボですが、近年は排気量を引き下げながらも大排気量エンジン並みのパワーやトルクを生み出す「ダウンサイジングターボ」が登場し、多くのモデルに搭載されています。

 そして現在では、排気量を引き下げなくてもゆとりを生み出すための「マイルドターボ」とでも呼ぶべきターボも増えています。

ホンダの軽「N-ONE RS」のターボエンジン © くるまのニュース 提供 ホンダの軽「N-ONE RS」のターボエンジン ホンダの軽「N-ONE RS」のターボエンジン

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 この傾向は軽自動車において顕著で、自然吸気エンジン搭載モデルとターボ搭載モデルといった具合に二刀流のグレード展開が主流です。

 ターボと聞くと、パワーがあって速そうなイメージがありますが、どんな仕組みなのでしょうか。

 クルマをパワーアップさせる(エンジンの出力を上げる)には、いくつか方法があります。

 もっとも単純なのは排気量を大きくすることですが、そのぶん燃料を消費しますし、何よりエンジン本体が大きく重くなります。そこで生み出されたのがターボなど「過給機」と呼ばれる機構です。

 内燃機関であるエンジンは、燃料と空気を混合させて吸入し、シリンダー内で爆発させることで推進力を得ています。取り込める空気の量を増やし爆発力を高めることで、より大きいパワーを得るための技術がターボというわけです。

 ターボ(チャージャー)には風車のようなタービンが備わり、ひとつは排気側、もうひとつは吸気側といった具合に、ふたつが連結するように内蔵されています。

 エンジンが始動し排気ガスが排出されるその圧力を排気側のタービンが受けて回転しはじめると、連結した吸気側のタービンも連動して回転。

 より多くの空気を加圧してシリンダー内に過給することで排気量をアップしたのと同等の効果が得られ、強い爆発力(トルク)を生み出すという仕組みです。

 ちなみにこの過給機には排気ガスの力を使用するターボだけでなく、エンジンの回転数と連動する「スーパーチャージャー」というのもあります。

 空気を多く取り込んでより大きな推進力(パワー)を得る機構は長きにわたってハイパワーを得るために使用されてきましたが、それだけ燃料をよく燃やすということは、当然ながら燃費が悪化します。

 そこで、「小さな排気量で高回転まで回さなくてもパワーが得られる」手法として見直され、それが近年のダウンサイジングターボの発想につながっており、限られた排気量のエンジンでパワーを得られることから軽自動車での採用多いのも特徴です。

※ ※ ※

 ターボに使用されているふたつのタービンですが、排気ガスを活用して排気側のタービンを回転させ、吸気側のタービンが空気を加圧するまで多少の時間差が生じます。

 これがいわゆる「ターボラグ」と呼ばれるもので、昔のターボは一定の回転域に到達するまで満足にパワーが得られませんでした。

 また、ターボが効きはじめると一気にパワーが放出されるため、いわゆる「ドッカンターボ」と呼ばれるピーキーな性質を持ったターボエンジンが多かったのですが、技術の進歩によってターボラグがかなり改善。

 低回転域からターボが効くセッティングへと変更されているのが現在のターボの特徴となっており、実用域でぐいぐいとクルマを前進させることができます。

すべてのターボ車は「シビアコンディション」定期的なオイル管理が重要

 ターボ車には排気量が小さくてもパワーやトルクが得られやすいというメリットがある一方、単純にパワーアップだけを重視すると燃費が悪化しやすいというデメリットもあります。またそれ以上に取り扱いが難しい側面があるといいます。

 どういった部分が取り扱いにくく、良好なコンディションを保たせるためにはどんな部分に注意が必要なのか、整備士のH氏に聞いてみました。

ターボ車はオイル管理が重要 © くるまのニュース 提供 ターボ車はオイル管理が重要 ターボ車はオイル管理が重要

「自然吸気エンジンと比較して、ターボ装着車はオイルに負担がかかるような仕組みになっています。

 エンジンはシリンダー内の爆発がより大きくなることでパワーを得るのと同時に熱も発生し、オイルが循環することで一部の熱を放出する構造になっています。

 ターボチャージャーによってパワーが増えるということは、エンジン熱を放出(冷却)する仕事量を増やしてしまうわけです。

 そのためターボ車のエンジンオイルは、自然吸気エンジンと比較すると倍近い速度で劣化すると考えられています。

 ターボ装着車はいわゆる『シビアコンディション』だといえ、たとえ大人しく走っていたとしても、エンジンオイルの劣化はかなり早めになります」

「シビアコンディション」というのは、標準的なクルマの走行と比較してオイルや消耗部品などの劣化が早まるような厳しい状況のことです。

 常にエンジンを高回転で回すといった状態だけでなく、渋滞でアイドリング状態が長かったり低速でしか走れない状態、または雪道や悪路など砂や水分、泥、ホコリなどが多い道を走行するなども、エンジンにとっては過酷な状況といわれています。

「現在、メーカーが推奨する自然吸気エンジンのオイル交換タイミングは走行距離が1万5000km程度ですが、ターボエンジンの場合はその半分の7500kmか、できればそれより早いタイミングで交換するなど、定期的なオイル交換が大切になります」(整備士 H氏)

 前述のように、軽自動車にはターボモデルが数多くラインナップされていますが、この軽向けターボはエンジン排気量も小さくオイル量も少なめのため、よりオイルの仕事量(負荷)がかかりやすいのだそうです。

「軽自動車は、排気量の大きいクルマと比べるとどうしてもエンジン回転数も高めになり、ターボを搭載しているとなるとさらにオイルに負荷がかかります。

 そのため、後々のトラブルの発生率を考慮すると、軽のターボ搭載車は3000kmあたりでのオイル交換を推奨しています」(整備士 H氏)

 また軽自動車には燃費を稼ぐためにアイドリングストップ機構が装着されているケースも多く、それもまたターボにとっては過酷だといいます。

「ターボの過給によって爆発力を高めたエンジン内部が、クールダウン走行もしないまま信号待ちの度に止まってしまうわけです。それが止まってしまうことでエンジンオイルの潤滑も止まり、エンジン内とターボの熱が十分に放出されなくなり、エンジン本体を傷める原因にもなりかねません」(整備士 H氏)

 昔はターボ車に乗っている人の多くが「ターボタイマー」なる装置を取り付けていました。

 これは高負荷の運転を続けるとターボが高温になり、その状態でエンジンを切るとオイルの潤滑が止まってターボのシャフトと軸受の潤滑に不具合が生じることから、イグニッションを切ってもエンジンをタイマーによって一定時間稼働させて、オイルによるターボの冷却時間を設けるというものです。

 また、かつてはターボ車の取扱説明書にも、連続した高速走行や登坂走行後は一定時間のアイドリングを推奨することが記載されていました。

 最近はオイルの性能が飛躍的に向上したことと、無駄なアイドリングは環境にも燃費にも悪影響という観点から、アフターアイドリングは見かけなくなりましたが、ターボの扱いはそれくらい神経質な部分もあるようです。

「とくに軽自動車オーナーのなかには、経済性を優先するあまり、定期的なオイル交換を敬遠しがちな人もいます。

 軽のターボ車はとくにシビアコンディションであること、オイルの劣化によって燃費の悪化だけでなく故障の原因にもなりやすいということは知っておくとよいでしょう」(整備士 H氏)

※ ※ ※

 ちなみに、軽自動車の場合は、エンジンオイルの交換量は3リッター前後必要で、費用は3000円から5000円程度かかります。

 ターボ搭載の軽自動車は、自然吸気エンジン搭載車よりも早いタイミングでオイル交換をする必要があり、その分交換費用もかかるわけですが、クルマを良好なコンディションに保つためには必要なコストだといえそうです。

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