ホンダ「ダックス125」初撮りレポート|足つき性&各部装備など原付二種・新型レジャーバイクを徹底チェック
かつて、ホンダ自慢のレジャーバイクのラインアップの一角を占めていたのがダックス。ダックスフンドにちなんだ名前の通り、胴長スタイルが愛くるしい個性派バイクである。そんなダックスが最新技術で、27年ぶりに復活を遂げた。ここでその詳細を余すところなくお見せしよう。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸、鶴身 健
ホンダ「ダックス125」解説(太田安治)
レジャーバイクの名車がまた一台最新技術で復活
ホンダは昔から趣味として楽しめる手軽なコミューター、いわゆる「レジャーバイク」に力を入れてきた。1960~70年代を中心に、モンキー、ゴリラ、ダックス、シャリィなど、50ccクラスを中心に、数多くのユニークなモデルたちが誕生。当時のライダーたちを夢中にさせてきた。
時代は変わり、環境問題などで50ccクラスが苦境に立たされる中、ホンダは新たな可能性を原付二種クラスに見出し、かつて全盛を誇ったレジャーバイクたちを復刻させている。2018年に復活したモンキー125を皮切りに、スーパーカブC125、CT125・ハンターカブと魅力的なモデルを続々と投入。いずれのモデルも大ヒットしている。
そして2022年。ホンダが新たに復活させたのが、ここに紹介するダックス125。往年の人気モデル、ダックスホンダST50のフォルムを、まるでタイムスリップしたかのようにそのまま現代に蘇らせ、ホンダ自慢の最新テクノロジーで、誰もが乗りやすく、気軽に付き合えるバイクに仕立てている。
ちなみに、このダックス125の価格は税込44万円で、モンキー125、スーパーカブC125、CT125と全く同じ。ホンダは色とりどりの個性を均一価格で用意して、悩ましい選択肢をまたひとつ増やしてくれたのだ。
往年のダックスへの敬意を感じる見事なスタイリング
最新技術で見事に復刻したダックス125で最も目を引くのはフレーム。往年のダックス同様、T字型の鋼板プレス製バックボーンフレームを採用し、ダックスらしい胴長のスタイルを再現。中央に描かれる「Dax」ロゴも当時のものをオマージュしたものだ。
前後ホイールはグロムと共用で、フロントの倒立フォークも共用だが、愛らしい雰囲気は損なわれておらず、マッドガードの付いたシルバー塗装のフロントフェンダーは1969年に登場した初代ダックスを思わせる。
エンジンはロングストローク仕様の空冷123cc・OHCシングル。イージードライブに主眼を置いて、組み合わされるミッションは遠心クラッチの4速となっている。ダックスと言えばアップマフラー、というイメージを持つ人も多いと思うが、新生ダックス125もその「王道」に則り、マフラーはアップタイプを採用。高く立ち上がった形状のグラブバーも往時を偲ばせるもの。
全体の雰囲気としては、1969年登場の初代ダックスと、その後登場したスクランブラースタイルの「エクスポート」のイイとこ取りをしたようなデザインで、見事に「ダックスらしさ」が凝縮されている。
カラーリングは初代を思わせるパールネビュラレッドと、近年流行の青みがかったグレーのパールカデットグレーの2色。往年のカラーと流行のカラーの2本立てとして、最新のバイクであることもアピールしている。
ホンダ「ダックス125」カラーバリエーション
パールネビュラレッド
パールカデットグレー
ホンダ「ダックス125」ライディングポジション・足つき性
シート高:755mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg
通常の位置に燃料タンクがなく、シートが前後に長いので着座位置の自由度は抜群。大柄なライダーでも窮屈さがなく、小柄なライダーなら停車時にお尻を前側にずらすことで足着きを確保できる。
モンキー125とは異なりダックスは2人乗りOK。シート後部のグラブバーは高めにセットされていて、パッセンジャーはここを掴むことで加減速時の負担も軽減できる。
ホンダ「ダックス125」各部装備・ディテール解説
ホンダ「ダックス125」主なスペック・価格
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸、鶴身 健