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クラス優勝のスバル、今年のニュル24時間レースをどう戦ったか?

motorsport.com のロゴmotorsport.com 2018/05/16 17:42 青山悦子

 2018年のニュルブルクリンク24時間レースが5月10日~13日、ドイツ北西部のサーキット、ニュルブルクリンクを舞台に開催。レース終盤に濃霧の影響により2時間にわたって赤旗中断となるなど波乱の展開となったが、既報のとおり、ポルシェの有力チーム、マンタイレーシングの912号車、ポルシェ911GT3が勝利を飾った。その中でも日本人のレースファンにとって注目を集めていたのは、なんといっても日本のワークスチームの動向だろう。

#90 Subaru Tecnica International Inc. Subaru WRX STI: Carlo Van Dam, Tim Schrick, Hideki Yamauchi, Takuto Iguchi © スバル・テクニカ・インターナショナル(STI) #90 Subaru Tecnica International Inc. Subaru WRX STI: Carlo Van Dam, Tim Schrick, Hideki Yamauchi, Takuto Iguchi

新たに井口卓人を加えた名門スバルSTI

 なかでも、スバルのワークスチーム、STIは2008年より正式な活動を続けてきたニュル24時間の名門で、今大会にもWRX STIを投入。カルロ・バンダム、ティム・シュリック、山内英輝ら昨年までのメンバーに加えて、スーパーGTで山内とコンビを組む井口卓人が新たに加わるなど新体制のもと、激戦のSP3Tクラスにチャレンジした。

 10日の夜間に行われた予選1回目でSTIはSP3Tクラスのトップタイムをマークするものの、翌11日の午後に行われた予選2回目ではパワーステアリングのオイルリークが発生。タイムアップを果たせずに同セッションを終えている。

 イエローコーションが多く、ライバル陣営もタイムアップを果たすことができなかったことから、STIはポールポジションを確保するものの、12日、快晴の空のもとで幕を開けた決勝でも予想外のハプニングが続出することとなった。

 スタート後2時間でパワステのオイルパイプのトラブルが発生したほか、6時間後には排気音量規制を指摘されたことでマフラー交換を強いられる。そのため、STIは首位を陥落するものの、その後は順調な走りを披露するほか、ライバル勢の脱落にも助けられたことでSTIはスタートから10時間後にはSP3Tクラスのトップを奪還した。

 そして、13日の午前3時に雨が降り出すとSTIはAWDのWRX STIを武器に快進撃を披露。最高峰クラス、SP9クラスに参戦するFIA GT3マシンに匹敵するペースで総合順位を上げていく。しかしフィニッシュまで残り3時間30分となった午後12時、ニュル24時間レースは濃霧の影響により赤旗で中断。

 約1時間45分の中断を経てレースが再開されるものの、フィニッシュまで残り1時間を切った午後2時30分、今度はエンジントラブルがSTIを襲う。幸いグランプリコースのショートカット入口でストップしたことから、マシンはオフィシャルの手ですぐにピットへ戻されたものの、STIは3度目のトラブルに祟られることになったのである。 

#90 Subaru Tecnica International Inc. Subaru WRX STI: Carlo Van Dam, Tim Schrick, Hideki Yamauchi, Takuto Iguchi © スバル・テクニカ・インターナショナル(STI) #90 Subaru Tecnica International Inc. Subaru WRX STI: Carlo Van Dam, Tim Schrick, Hideki Yamauchi, Takuto Iguchi

霧がかかる中フィニッシュした瞬間の90号車

 それでもSTIのメカニックたちはすぐにトラブルに対処し、フィニッシュまで残り15分、ついにSTIはレースへ復帰する。そして、気迫の走りで2ラップを重ねてチェッカー。112ラップを走破したSTIは総合62位で完走を果たすほか、SP3Tクラスで通算5度目のクラス優勝を獲得した。

「なんとかクラス優勝はできたけれど甘くはないですね。パワステもエンジンもトラブルの原因は小さなことなんですけど、しっかり準備をしたつもりなのにこういったハプニングが起きてしまう。チームとしてはまだまだですね」と複雑な表情を見せるのはSTIで総監督を勤める辰己英治氏。それでも数多くの主要チームが脱落するなか、SP3Tクラスでタイトル奪還を果たしだけに、STIの2018年のニュル24時間チャレンジは賞賛に価することだろう。

取材・文/廣本泉

#90 Subaru Tecnica International Inc. Subaru WRX STI: Carlo Van Dam, Tim Schrick, Hideki Yamauchi, Takuto Iguchi © スバル・テクニカ・インターナショナル(STI) #90 Subaru Tecnica International Inc. Subaru WRX STI: Carlo Van Dam, Tim Schrick, Hideki Yamauchi, Takuto Iguchi

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