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フランクフルト モーターショー 2017 コンセプトカー編|IAA 2017

OPENERS のロゴ OPENERS 2017/10/05 OPENERS
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ニューモデルの登場や新技術の発表がなされ、盛況を博した今年のフランクフルト モーターショー。そのなかでも、ショーの華ともいえるコンセプトモデルは、空を飛んだり、自動で運転できたりと、ひと昔前はSF小説で見たような機能を実際に備えたものも多く登場した。今年も現地に足を運んだ、大矢アキオ氏による総括リポート。

Photographs by Akio Lorenzo OYA / Mari OYA
Text by Akio Lorenzo OYA photo

過去への反省と未来への電動化

「国内外における私たちの業界には、重大な過ちがあった。一つは起きてはいけない過ち。二つめは私たちの産業が描こうとするイメージに反してしまった過ち、そして認識し、徹底的に追求するうえでの過ちである」

2017年9月12日から24日まで開催された第67回フランクフルト モーターショーは、ドイツ自動車工業会のマティアス・ヴィースマン会長の、こうしたスピーチで始まった。

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彼が指摘したのはいうまでもなく、前回2015年9月の開催期間中に浮上したディーゼル排ガスの不正問題である。

同時にヴィースマン会長は、ドイツ各メーカーが、国内の500万台を超えるディーゼル車の制御ソフトウエア アップデートを無償で実施することで連邦政府などと合意したことも強調した。

今回ドイツの主要自動車ブランドが公開したコンセプトカーは、すべて何らかのかたちで電動化されたものとなった。メルセデスAMGがリリースし、発売を予定しているF1用V6エンジンをベースにした1000馬力のスーパースポーツ「プロジェクトONE」でさえ、4つのモーターを備えたハイブリッドであった。

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今回3代目となる「カイエン」を発表したポルシェも電動化を加速させることを明らかにしている。同社のオリヴァー・ブルームCEOが英国のCAR誌に語ったところによると、2015年ショーで公開したピュアEV「ミッションe」を2019年に発売。価格は現在のパナメーラに近いものになるという。

ポルシェはすでに、カイエンや「パナメーラ」にプラグインハイブリッド(PHV)モデルをラインナップしているが、バッテリーの飛躍的な技術向上──特に高価格車は、最先端の電池を搭載することが可能だ──による航続距離増加で、PHVは過渡期の技術として意外に短いものに終わるのではないかとさえ筆者は思えてきた。

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BMWの電動化について担当者にインタビュー

BMWは「Number One Next」のスローガンのもと、2025年までに25モデルの電動化車両を投入すると発表した。うち12モデルはピュアEVという。

そのストラテジーのシンボルは「iビジョン ダイナミクス」だ。BMW iブランドで既存の「i3」および「i8」に続く第3段となる4ドアクーペである。発売の暁にはテスラ「モデルS」のよきコンペティターとなることは、今から想像できる。

「BMW i」ブランドのプロダクト マネージメントおよびEモビリティのヘッドを務めるディルク・アルノルト氏にインタビューする機会を得た。

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電動化、自動運転化、コネクティビティ、カーシェア。BMWグループはどれを優先するのか?

「すべては同じレベルで進行する。いずれも、この先10~20年のメイントレンドとなる。そうしたなかで「電動化+自動運転」が最初のコンビネーションだ。そのうえで、カーシェアリングに代表される新しいアイデアとサービスを提供してゆく」

気になるのは「i」シリーズと、既存のBMW電動化車両をどう分けてマーケティングしてゆくかだが。

「それを考えるには、Mモデルがいい。人々はダイナミックでスポーティーなMであるとすぐに認識する。iモデルも、すでにカスタマーは充分に違うものと捉えている。これから投入するモデルで、さらに差別化を図ってゆく。信念をもって進めてゆく」

テスラ、ファラデイ フューチャーといった新興メーカーの参入をどうみるか?

「新しいプレイヤーは、業界全体のボリュームを増やし、活性化するうえで歓迎だ。そうしたなか、私たちのような歴史ある自動車メーカーは、どうやってクルマを造るかを知っている。それは極めて真面目なビジネスだ」

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「自動車は高価な買い物であり、長年カスタマーが期待してきたハイレベルで均一のクオリティを実現する必要がある」

「同時に、ドイツ以外の世界中どこの工場でも、同じ品質を達成する必要がある。私たちはそれを実現できるのだ」

「しかし、市場へのプレイヤーが増えれば増えるだけ、電動化車両へのカスタマーの信頼は向上する。彼らはいくつかの新しいアイデアを出してくるだろう。私たちもアイデアを提供してゆく」

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ここ数年は自動車から目が離せない

自動運転で、とくに活発な提案を展開したのは、条件付きとはいえ新型「A8」で市販車世界初の(ドライバーが監視義務のない)レベル3自動運転を実現したアウディだった。

(緊急時のみドライバーが対応する)レベル4のコンセプトカー「エレーヌ」と、(ドライバーが運転に関与しない)レベル5時代をイメージしたコンセプトカー「アイコン」も公開した。

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ところで、近年自動運転の技術的進化にしたがって展示されるコンセプトカーといえば、進行方向とは逆向きになったドライバーズ&パッセンジャーズ シートである。子どもの頃、図鑑で見た「未来の交通」を予感させて、わくわくするシートアレンジだ。

あれは実現可能なのか? 数々のメーカー&サプライヤーの関係者に訊ねてみた。

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あるエアバッグ メーカーの開発担当者は、シート内蔵をはじめとする、さらなるエアバッグ搭載が必要と説く。内装メーカーのスタッフも、「ルーフからせり出すエアバッグが必要となるかもしれない」と話した。

結論として、路上を走るすべてが自動運転車となり、かつ完全に衝突事故が起きない技術が完成するまでは、逆向きに座って走ることは実現できないようだ。そのため、技術的な完全自動運転達成とは別に、「未来の交通」のように逆向きにトライバーが座り、家族とカードゲームを楽しめるまでには、最低でもあと15-20年かかるというのが専門家の見解だ。

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傍らで、今回はいくつかのベンチャー企業が「空飛ぶ車」を参考出品した。ダイムラーも同社を含むコンソーシアムが出資するヴォロコプター社が開発中の電動式スカイタクシーを展示した。自動運転よりも先にそうした空飛ぶタクシーのほうが先に実現するかもしれない。そんな気さえしてきた。

それはともかくBMWのアルノルト氏に話を戻せば、彼は「これからは自動車産業における未曾有の大変化であり、大きなチャンス」と話す。そして笑みを浮かべながら、こう締めくくった。「ステイ・チューンド! 」。

Stay tunedとは、「乞うご期待」の意味だ。米国でラジオ局のパーソナリティーがCMの前「ラジオのダイヤルはそのままに!」と呼びかけたのに端を発する。彼がいうとおり、ここ数年は自動車から目が離せないエキサイティングな状況に、私たちは引き込まれる気配がしてきた。







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