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人間パイロット vs ロボカー対戦の日は近い?|MOBILE WORLD CONGRESS 2018

OPENERS のロゴ OPENERS 2018/04/13 17:38 OPENERS
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今年2月26日から3月1日まで、スペイン・バルセロナにて国際的エレクトロニクス ショー「モバイル ワールド コングレス(MWC)」が開催された。通信事業者の団体が主催することから、5G通信に関するインフラ機器が数多く紹介される一方で、スカイタクシーや完全自動運転車などのモビリティーの展示も目立った。モバイルITと自動車産業のコラボも進み、より先進技術をアピールする場としてMWCは存在感を増しているように思えた。

Photographs & Text by Akio Lorenzo OYA

「CASE」を模索するなかで

国際的エレクトロニクス ショー「モバイル ワールド コングレス(MWC)」が2018年2月26日から3月1日までスペイン・バルセロナで開催された。世界各地から2300を超える企業・団体が参加。来場者は10万人を超えた。

エレクトロニクス分野では、毎年1月に米国ラスベガスで開催される「CES」が有名である。こちらは以前の名称「コンシュマー エレクトロニクス ショー」から想像できるように家電・家庭用AV機器が中心だ。

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対してMWCは、移動体通信事業者の団体「GSMアソシエーション」が主催していることから、モバイル関連が主役である。今年は、国によってはいよいよ2019年からサービスが開始される5G通信に関するインフラ機器が数多く紹介された。

近年、両イベントをまたぐエキジビター(出展者)の目的は、ドローンの延長形といえるスカイタクシーの出展だ。今回のMWCでは、ファーウェイがスタートアップ企業とともにそのプロトタイプを展示。ちなみにスカイタクシーの実証実験を歓迎しているドバイの交通省は、「2023年までに運送の4分の1を無人操縦の空輸」に切り替えると宣言している。

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そして双方のイベントをまたぐ、もうひとつのセクターは「自動車」である。CASE(Connected コネクテッド、Autonomous 自動運転、Shared シェア、Electric 電動)化が急速に進む中、カーブランドおよび関連メーカーは、先進技術をアピールするステージとして、CESおよびMWCを選ぶようになった。従来のモーターショーの集客力が下降するなか、その代替としても格好の場であった。

いっぽうでモバイルIT関連の企業も、自動車産業とのコラボレーションを模索すべく、積極的なアプローチを試みるようになった。かくして今回のMWCも、多くの自動車関連テクノロジーが展開される結果となった。

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あのメルセデスが「シェア」を提案

BMWは完全自動運転車のコンセプトを公開。屋外で試乗会を実施した。米国機関SAEが定める「自動運転レベル5」を想定した車両は「i3」をベースにしたものだ。

会場でスマートフォンのアプリを用いたデジタルキーを操作すると、所定の駐車エリアに無人でやってきた。WMCのNFC入場証からピックアップされたのだろう、リアのクォーターウィンドーにWelcomeという文字とともに筆者の名前が表示された。

助手席にスタッフが同乗するものの、ドライバーズシートは空席のままだ。後席のディスプレイで筆者がスタートボタンを押すと、コンセプトカーは静かに動き出し、ステアリングを巧みに操りながらフィールド内の周回を繰り返した。

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スタッフによると、搭載されているコンピューターの消費電力は600wで、バッテリーへの負荷は軽微であるという。そのなめらかな加減速や挙動から察するに、限定されたエリア内なら遠くない将来に実用化できる可能性は大とみた。

対するダイムラーは2月初旬に発表したばかりの新型メルセデス・ベンツ「Aクラス」を展示。同時にカンファレンスでは、新サービス「プライベートカーシェアリング」を世界初披露した。これは新型Aクラスを家族や友人など特定のグループ内で“シェア”するものだ。

オーナーが専用アプリケーション「Mercedes Me」で共有許可する人を選ぶ。いっぽう家族や友人は、Aクラスを使いたいとき、同じく「Mercedes Me」アプリを通じてリクエストする。オーナーが貸出をOKすると、借り主はアプリを通じてドアを解錠できる。これはドイツ国内仕様の新型Aクラスに装備される「デジタルヴィークルキー」と「ビルトインNFCステッカー」による。

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借りた人はグローブボックス内のキーを用いてエンジンを始動。使用後は車内にキーを残し、再びアプリで施錠する。ドイツ自動車ブランドのシェアリング社会への取り組みは、我々の想像以上のスピードで加速を続けている。

いっぽうスタートアップ企業は、どのように自動車へのアプローチを図っているのか。その一例を示してくれたのは、アイルランドを拠点とするアザヴィ社だ。本来IoTを用いたセキュリティを得意とする企業だが、コネクテッドカーのセキュリティ分野にも進出を窺っている。

スタッフによれば現在、ラリー競技で製品テストを行っているという。過酷な天候や振動にプロダクトを晒すのに、それは格好の機会だ。

思えば、あのル・マン24時間レースは1923年の開始当時、まだ貧弱だった電装系の品質を向上させるのが目的だった。テクノロジーが進化しても、モータースポーツはいまでもその信頼性を試すために最高のテストベンチなのである。

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タレントよりもインテリジェント

イベント名に「コングレス」が含まれているとおり、さまざまな講演も開催された。会期2日目には、2度のF1世界チャンピオンであり、インディ500やデイトナ24時間レースにも挑戦したスペイン人パイロット、フェルナンド・アロンソが登場した。

アロンソは、エンジニアによるテスト、シミュレーション、試合当日の天気の分析、そして毎秒ごとの走行データ・フィードバック……と、いまF1のすべてにおいてコンピューターのデータが基となっていることを語った。同時に、ネットワークの発達で、ファンと常につながっていることもメリットとして挙げた。

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また一緒に登壇したマクラーレンのエグゼクティヴ ダイレクターのザック・ブラウンは「今日のF1ドライバーは、タレントよりもインテリジェントであることが求められている」と述べた。

レースマシーンの電脳化が進む中、ドライバーはどのような立ち位置になるのか?

思えば1月のCESでは、半導体メモリー会社NVIDIAが「ロボレース」用無人マシーンをブースに展示した。将棋やチェスのコンピューター対戦のごとく、人間パイロットvs自動運転マシーンのレースを観戦できる日は、そう遠くない未来に訪れるかもしれない。













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