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北京モーターショー 2018リポート プロダクションカー編|Auto China 2018

OPENERS のロゴ OPENERS 2018/06/18 19:00 OPENERS
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今年の4月25日から10日間にわたり開催された北京モーターショー。会場となった北京を含め目まぐるしい変化を続ける中国の大都市だが、それはこのショーにも色濃く現れていた。驚異的なスピードでグローバル化が進み、コンセプトカーの出展数も近年では屈指。そんな中展示されたプロダクションカーもまた、市販されるとは思えないほど洗練されたものが並ぶ。それはまるで、ショーの勢いを反映するようだった。

Photographs by Akio Lorenzo OYA & BMW
Text by Akio Lorenzo OYA

都市もショーも変わり続ける

今回は、2018年4月25日から5月4日まで開催された北京モーターショーのプロダクションカーと量産を前提にしたコンセプトカーをお届けする。

冒頭から個人的述懐で恐縮だが、初めて中国を訪れたのは上海万博を取材した2010年だった。以来毎年中国を訪れている。その間に、大都市の風景は絶え間なく変化してきた。

それはモーターショーのため訪れた2018年4月の北京の街も同じだった。かつてのような建設ラッシュはひと段落したものの、地下鉄駅でホームに立てば、多くの乗客が整列乗車を守るようになっている。

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路上では、けたたましいホーンを鳴らす車がかなり少なくなった。日本よりも先に、おびただしい数のシェアリング自転車が縱橫に走りまわっている。街を歩く男女の装いは、青年男子の髪型を除けば、東京を超えるくらいファッショナブルになった。

第15回を迎えた北京モーターショーの会場も、気がつけばずいぶんと変化していた。かつての人海戦術のようなダンスショーも、中国人ジャーナリスト限定の巨大な福袋状土産袋もかなりマイナーとなった。

いっぽうでプレゼンテーションでは、外国人重役に比肩するくらい流暢な英語を駆使する中国メーカーのエグゼクティブが増えた。中国語はビデオスクリーンのテロップのみというブランドさえある。彼らのグローバル化は恐ろしい速度で進んでいる。

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進む電動化

大会テーマである「Steering to a New Era」を証明するかのように、中国自動車ビジネスは、大きな動きの中にある。例えば出資規制の撤廃だ。

従来中国に進出する外資メーカーは現地企業との合弁が義務付けられ、その出資比率は50%までと定められていた。今回ショーの直前、中国政府はその枠を2022年までに段階的に廃止することを発表した。つまり外資がより自由に進出できることになる。

しかし、目下のところ外資系ブランドは行方を窺っている状況である。

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中国でブリリアンス(華晨汽車)と合弁生産を展開するBMWもしかりだ。同社はセールス&マーケティング担当取締役ピーター・ノータ氏は、「合弁は成功しており、現地当局との折衝で大きなメリットを得ている。したがって短期的視点で変更はない」と筆者に語った。

参考までにBMWは中国に3つの工場をもち、6月から開始する「X3」を含め、生産モデルは6モデルに及ぶ。

展示車に目を移すと、中国政府が2019年から各社に一定比率の環境対策車生産を義務化するのに伴い、プラグインハイブリッド(PHEV)を含む電動化車両が大きなトレンドとなった。

日本勢もトヨタが初の海外生産となるPHEV車を、ホンダは中国専用ブランド「理念」の生産を前提としたEVコンセプトを展示した。

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参考までにショー閉幕後の5月20日に日本経済新聞が伝えたところによると、中国政府は自家用車をすべて自動運転とする都市を2035年に北京郊外に建設する。習近平一強体制が、技術立国への強力な牽引力となる。

BMWに話を戻せば、コンセプトカー編で紹介した「iX3」も含め、2025年までに25モデルの電動化車両を世界的に投入する。EV化時代を前に、「バイトン」「前途(チャントゥ)」といった中国資本のプレミアムなピュアEVブランドがマーケットでの存在感拡大を虎視眈々と狙っている。そうしたなか、BMWは充分コンペティティブか。

それに対してノータ取締役は「BMWは自動運転、デジタライゼーションに巨額の投資を行っている。コネクティビティに関してもしかりで、すでに中国では130万台のBMWコネクテッド・ドライブのクルマが路上を走っている。先日発表したアリババとのネットワーク連携も中国カスタマーに受容されるだろう」と、EV化に付随する数々のバリューを披露し、自信をみせた。

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東京を思い出す

前述の中国発ピュアEVブランド「前途」は前身メーカーの流れを汲むかたちで2015年2月に設立。同年4月の上海ショーで第1号車を展示した。事実上創立3年のメーカーだ。

にもかかわらず、広々としたブースに3台のコンセプトカーを展示した。見るとパーティーションを隔てた裏側に、1台のモデルがディスプレイされている。

「K50」と名付けられたそれは、フルカーボンファイバーボディをもち、160kWモーター2基で駆動するAWDである。最高速は約200km/h、45分で80%のチャージが可能で、航続距離は300km近くに達する。

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「スペックで圧倒するだけではなく、操縦性のトータルバランスこそ大切」と高度な完成度をアピールする。

前途を中国ショーで見るのは初めてではない。したがって、まだコンセプトカー段階かと思いきや、スタッフによると6月のオフィシャルローンチを前にした最終モデルという。「(生産開始まで)政府の許可が下りるのに時間を要しました」とスタッフは振り返る。現地の事情を窺わせる。

ちなみに後日の一部報道によると、米国市場もターゲットにしているという。

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ほかにもコンセプトカーとプロダクションカーの境界が、一見しただけではわからないモデルが数多い。そうした光景を見て、筆者自身が思い出したのは、1991年の東京モーターショーだ。

同年に発売されたばかりのトヨタ「セラ」を見た外国人ジャーナリストは、「これはコンセプトカーか?」と繰り返しコンパニオンに確認していた。エキセントリックなガルウィングドアを擁したセラが、ターンテーブルではなく、平場に置かれ、自由に乗り降りできるのを不思議に思ったのだろう。

コンセプトカーと見まがう市販車は、モーターショーに活気があるかのバロメーターだ。それが数多(あまた)ある中国ショーは、まさに繁栄を謳歌している真っ最中なのである。













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