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DS5のディーゼルモデルに試乗|DS

OPENERS のロゴ OPENERS 2017/07/03 OPENERS
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今年1月、「DS 5」にディーゼルエンジンを搭載したDS 5 Chic HDiが追加された。プジョー シトロエン グループの中でも特に尖ったブランドのフラッグシップモデルにディーゼルという組合せはどのような仕立てとなっているのか。小川フミオ氏が、都内から八ヶ岳往復のロングドライブを行い、その出来をリポートする。

Photographs by ARAKAWA Masayuki
Text by OGAWA Fumio

DS5に魅力を加えるディーゼルエンジン

各メーカーから出来のよいディーゼルエンジンが続々生まれている。フランスのプジョーグループも負けていない。2017年1月から日本発売開始されている「DS5」にもドライバビリティに優れるディーゼルモデルを追加した。

「DS5 Chic HDi」と呼ばれる2リッターディーゼルモデル。1,997ccの4気筒ユニットは133kW(180ps)の最高出力と400Nmという太い最大トルクを発生する。

DSはシトロエンの上級ブランドとして、デザイン的にとんがったモデルを送り出している。エマニュエル・マクロン仏大統領の就任パレードでもまだ市場にお目見えする前の「DS7 クロスバック」が使われたのは記憶に新しい。

ルーツは1955年に発表され、政財界の要人がこぞって乗り、同時に自動車デザインにおける最大のアイコンとなったシトロエン「DS」。

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いまのDSラインは世のトレンドを反映して、カジュアルな方向に舵を切っているものの、ほかと違うことをよしとする、いわゆる複数主義のフランスらしさを金看板にしている点では、かつてのDSの精神的な後継車なのだ。

DS5もそんなDSの精神を具現したモデルだ。現行ラインナップのなかで最もサイズに余裕があり、本来は4ドアセダンであってもいいポジショニングだが、全長4,535mmの4ドアボディにハッチゲートが組み合わされている。

スタイル的には2ボックス的な、つまり独立したトランクが目だたなかったオリジナルDSのスタイリングテーマを、現代風に再現したためともいえる。

それはそれとして、ディーゼルエンジンはDS5の個性にもうひとつの魅力をつけ加えているといえる。このユニットは2016年7月にプジョー車(「308GT」や「508GT」)で紹介され、日本でも人気が高いもの。DS5との相性もよい。

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静かではないが落ち着くサウンド

DS5 Chic HDiというディーゼルターボエンジン搭載モデル。長所はメーカー発表値で17.3km/ℓという燃費なのだが、同時にドライバビリティも高い。

そもそもDS5はすなおなハンドリングに、しなやかな足回りの組み合わせ。市街地もさることながら高速での快適性が光るモデルだった。

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ディーゼルエンジン搭載モデルは、DS5の魅力をさらに強調するような特長をもっている。ひとつはパワートレイン。

昨今のよく出来た他社のディーゼルエンジンに負けずとも劣らない、低回転域からの力強さ。それに加えてスムーズな回転マナー。

アクセルペダルの踏み方にきちんと対応してトルクの出てくるようなリニアな加速感覚は、DS5により明確なキャラクターを与えたという点でも大いに評価していいだろう。

低速域では多少ディーゼル特有の音も聞こえるが、高速になるといろいろな音とブレンドされて気にならなくなる。

とても静かというわけではないが、雑音というのは方向性とまとめかたで、意外なほど落ち着くものだ。音響担当のエンジニアはそこが分かっていると思う。長い距離でも音に疲れることはなかった。

2,000rpmから400Nmもの最大トルクが出るおかげで、いかなる速度域でも加速性に優れる。6段オートマチックもちょっとしたアクセルペダルの踏み込み量にも敏感で、最適な回転数を維持する。

おかげで、市街地、高速道路、アップとダウンのあるワインディングロードを走った時に、かったるさを感じる場面はいっさいなかった。

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やや違和感があるのは、大きな径のステアリングホイールだ。フラットボトムタイプのスポーティなデザインなのだが、大きく回す必要があるときにフラットボトムがわざわいして、手にひっかかる感じが残念だ。

最近のクルマは傾向としてステアリングの応答性をあげてギア比を詰めるが、そうするとレスポンスがクイックになりすぎるというある種ネガティブな要素が出る。

その解決手段がステアリングホイールの径を大きめにすることなのだろうが、ここだけはなかなかムズカシイ。

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どこまでも走っていける

DS5 Chic HDiのいま日本で買えるモデルはレザーパッケージ装着車だ。スポーツウォッチのリストバンドを彷彿させる「ウォッチストラップ」パターンという表皮が特徴的な革シートを搭載している。

このレザーシートのデザインはDS5が発表されたときから印象につよく残っている。趣味性を感じさせつつ、乗員へのもてなし感も強い。よく出来たシートだ。

ホールド性も良好で、クッション性も見た目よりはるかに高い。振動はきれいに吸収され、前の席も後ろの席も、乗員は快適に座っていられる。塗料でなく染料で仕上げたセミアニリンのレザーは高級感がある。

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ダッシュボードのデザインは、モニターディスプレイがいまの水準からするとちょっと小さめなことを除けば、2011年の発表後6年たったいまも時代おくれ感はいっさいない。

四角いフェイスのアナログ式時計がスポーティであり、パワーウィンドウの開閉スイッチなどディテールに凝っているのもオーナーのプライドを刺激してくれるだろう。

ルーフは半透明ガラスがはめこまれていて、とりわけ後席乗員は大きな開放感を味わえるはずだ。ドイツ車などでは高額のオプション装備になるものも、標準装備として用意されていることが多い。それがシトロエン流のもてなしだ。

現在内装色は(シート表皮を含めて)ブラックで統一されているけれど、ブラックで質感を出すという困難な手法がみごとにクリアされている。

素材の質感を、統一すべきところは統一し、またあえて異なる表面処理や感触を選択して変化を出す。それがインテリアの魅力につながることをシトロエンではよく分かっているのだろう。

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ボリュウム感のあるフロント部分から、後ろにいくに従ってルーフラインを下降させるなどしてリアでしぼっていくスタイリングイメージ。これにより比較的余裕あるサイズのボディでもかなりの躍動感が出ている。

DSはパッケージング的にも優れていて室内スペースは前後席の乗員が快適でいられるほど余裕ある。それでいながらスポーティさがしっかりあり、走りを楽しませるというメーカーの意図が明確に感じられる。

DS5 Chic HDi レザーパッケージは497万円。けっして安い買い物ではないけれど、比較的遠出が多い人にとっては、投資へのリターンが確実にありそうだ。

いちどエンジンをかけたら地の果てまでも。かつてシトロエンのポリシーとして喧伝されたこの言葉を改めて思い出させてくれる出来である。

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DS 5 Chic BlueHDi Leather Package|DS 5 シック ブルーHDi レザーパッケージ
ボディサイズ|全長 4,535 × 全幅 1,870 × 全高 1,530 mm
ホイールベース|2,725 mm
トレッド 前/後|1,580 / 1,605 mm
重量|1,690 kg
エンジン|1,997 cc 直列4気筒ターボ ディーゼル
ボア×ストローク|85.0 × 88.0 mm
圧縮比|16.7
最高出力| 133 kW(180 ps)/ 3,750 rpm
最大トルク|400 Nm/2,000 rpm
トランスミッション|6段AT
駆動方式|FF
タイヤ|225/50R17
サスペンション 前/後|マクファーソン・ストラット / トーションビーム
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク / ディスク
最小回転半径|5.6 メートル
燃費|17.3 km/
価格|497万円

問い合わせ先

シトロエン コール

0120-55-4106(9:00-19:00、年中無休)

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