古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

宮迫がたむけんに明かした「自分が今思っていること」の中身とは?

AERA dot. のロゴ AERA dot. 2019/08/13 11:31
謝罪会見での宮迫博之(撮影/西岡千史) © Asahi Shimbun Publications Inc. 提供 謝罪会見での宮迫博之(撮影/西岡千史)

 タレント・明石家さんまが10日放送のMBSラジオ「ヤングタウン土曜日」(関西ローカル)で、闇営業問題で吉本興業を契約解消となった雨上がり決死隊の宮迫博之について「(宮迫を)預かることになりそう」と語った。

 闇営業問題から始まり、途中からは吉本の組織としての在り様が問われる展開へと中身が変化していったが、先月の宮迫の会見以降、あらゆる関係者から一貫して聞いていたのは以下の二つだった。

(1)宮迫が吉本に戻ることはない。

(2)さんまのバックアップを受けながら個人として芸能活動を続ける。

 結果、着々とその方向に話が進んでいることが明かされた形となったが、その中で、今、宮迫が何を考えているのか。その思いがこちらに入ってきた。

 宮迫が“一番の子分”としてかわいがってきたタレント・たむらけんじから、僕の携帯電話に着信があった。数日前のことだった。たむらとは20年近く前から個人的に公私ともに付き合いがあり、今回のことでもいろいろと話をしてきた。

 そのたむらが電話で「『たむらけんじを介して、宮迫さんに話を聞いた』という前置きも含めてそのまま言ってもらっていいので、今、宮迫さんが思っていることをそのまま伝えておく」と宮迫の思いを聞いた。内容は以下のようなものだった。

 少し前から自分が全国各地でボランティアをしている情報が世の中に出て、それに対して、いろいろな声が出ている。その流れは承知している。

 今の自分がやるボランティアというのは非常に繊細な部分も抱えているし、あざといとか、計算とか、パフォーマンスという意見が出るのも当然のこと。それもよく分かる。

 ただ、自分がボランティアをしている話が世の中に出て、プラスの感情にしろ、マイナスの感情にしろ、こちらに関心を持ってもらうということは、結果、詐欺被害を抑えること、啓発活動につながると考えている。なので、自分の評判云々ではなく、とにかく知ってもらう入口になるのであれば、それはそれで自分がやる意味があることだと思っている。

 実際、自分も啓発チラシを配ったり、関係団体の方々と話をさせてもらう中で、詐欺被害の実態や、気を付けるべきポイントなどをたくさん知った。普段、こういう話に興味を持たない若い人らにも知ってもらえたのであれば、意味のあることだと思っている。

 上記の言葉が、たむらから聞いた「今、宮迫が思っていること」の骨子だった。

 もちろん、僕は宮迫の代理人でもなければ、スポークスマンでもない。宮迫の考えを礼賛するわけでもなく、逆に否定するわけでもない。

 この原稿を書くにあたり、再度、たむらに確認を取ったが、そのまま書いてもらって大丈夫とのことだったので、現在の宮迫が何を考えているのか。その一部を示す話として、ここに綴っている。

 宮迫の言葉に対して何を思うか。当然、人それぞれの感覚があってしかるべしだが、僕がたむらから話を聞く中で感じたのは宮迫の“落ち着き”だった。

 冷静に状況を分析し、あらゆる声も受け止めた上で、自分のスタンスはしっかりと示す。会見時は憔悴しきった表情も見せていたが、あれから約3週間が経過し、あの頃とはまた違う心の馬力みたいなものが戻ってきている。そんなことを強く感じた。是非はともかく。

 宮迫の動きもほぼ定まり、場合によっては吉本退社を宣言していた「極楽とんぼ」加藤浩次も今後のスタンスを表明した。騒動が収束に向かっているのは間違いないが、吉本を長く取材してきた者として、吉本の構造的に心配なことがある。

 20年前、僕がデイリースポーツに入社した頃は、吉本担当が集う記者スペースは難波の吉本本社オフィスのど真ん中にあった。周りでは社員が企画会議をしたり、芸人が生々しくギャラ交渉したりしていた。こんなところに記者スペースを作ってしまってよいのか。こちらが心配するくらい、牧歌的であり、ある意味、ほんわかした空気だった。

 それがいつしか、記者スペースはプレスルームという形に変わり、オフィスのど真ん中から隔離された部屋に変更された。企業としては当たり前のことなのだろうが「吉本の空気も変わりましたね」などとベテラン先輩記者と話しているうちに、いつの間にか、公との接点がグッと増えていた。

 ざっくり言って「お上の言うことなんて知るか!」という具合に、体制へのアンチテーゼの色も持つのが芸人という職業。そして、その芸人を商品として扱うのが吉本興業。

 この構図の中で、吉本がお上と握手をする。すると、組織のどこかにはねじれが生まれる。このねじれからくるひずみが一連の問題の根底にあるのではないか。そんな気がしてならない。(中西正男)

AERA dot.の関連リンク

image beaconimage beaconimage beacon