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YouTubeでより身近なアイドルに昇華、NMB48吉田朱里が語る“アイドルのあり方”

ORICON NEWS のロゴ ORICON NEWS 2018/07/13 08:40
自身のYouTubeチャンネル”アカリンの女子力動画”が大人気 NMB48の吉田朱里 撮影/徳永徹 © (C)oricon ME inc. 自身のYouTubeチャンネル”アカリンの女子力動画”が大人気 NMB48の吉田朱里 撮影/徳永徹

 昨今、現役アイドルが自分を表現する場としてYouTubeを利用することも珍しくなくなってきている。そのなかでも“アイドルによるヘアメイク紹介動画”の先駆者として59万人ものチャンネル登録者を獲得し、現在も地道な努力で高い人気を維持しているのが、今年の『第10回AKB48世界選抜総選挙』で14位に輝いたNMB48の吉田朱里。あるときは舞台でスポットライトを浴び、あるときは自分の部屋でコツコツと動画編集に勤しむ…。2年連続選抜入りを果たし、アイドルとしての知名度も確実に上昇しているのにもかかわらず、なぜ彼女は今もYouTuberを続けているのだろうか? その根底には「もっとかわいくなりたい」という21歳の女の子らしい純粋な気持ちと、アイドル時とは異なる、“吉田朱里を魅せる”ための戦略があった。

■自分が特別にかわいかったら、メイク術なんて逆に教えないと思う

 累計再生数1億回を突破している吉田朱里のYouTubeチャンネル『アカリンの女子力動画』。同チャンネルは吉田自ら撮影と動画編集を行い、彼女のヘアメイク術を紹介するという、言わば“王道アイドルらしくない”試みだった。しかし、2016年の開設を機に吉田は多くの女性ファンを取り込むことに成功。2017年の『第9回AKB48 選抜総選挙』では、前年の77位から16位と大きく順位を上げた。そんなYouTuberとしての実績に吉田は次のような意見を述べている。「“累計再生回数1億回突破って何…?”という感じでした。総選挙以外で自分に数字をつけられたことがなかったから、知ったときは実感が沸きませんでした」。

 現在、吉田は美容系YouTuberとして月10本の動画アップを目標にしている。美容系YouTuberというと関根理紗、河西美希など一般ユーザーに寄り添った情報を発信している“身近な存在”なのに対して、女性アイドルは真似したいけど真似しきれない“憧れの対象”。近年は“会いに行けるアイドル”の活躍によりその存在が身近になったとはいえ、今でも若い世代にとって女性アイドルが“憧れを抱く対象”であることに変わりはない。そうしたなかでYouTuberとなって自身の存在を身近に捉えられてしまうことは、女性アイドルとしてマイナスにならないのだろうか?

 この疑問に対して吉田はこう答えた。「女の子には憧れの対象として思ってもらえるのが私の目指しているアイドル像。けど、YouTuberの私が大事にしているのはセルフプロデュース力と親近感。『このレベルなら私もなれるかも』と思ってもらえるぐらいがちょうどいいんです。正直、自分が特別にかわいかったら、メイク術なんて逆に教えないと思う。でも私は違うし、この顔にたどり着くまでにものすごい過程があるんです。アイドルだけど、普通の女の子と一緒で数えきれないぐらい努力しているし、そんな部分を見せたかった」。つまりアイドルとYouTuberの活動は吉田のなかで完全に分けて考えているのである。そして、それぞれの活動内容に応じて自身の魅せ方も変えているというのだ。

 また吉田のYouTuberとしての活動をHKT48の指原莉乃は「現場で一緒だった際、みんな休憩しているときもアカリンはずっと動画の編集をしている。私プロデュースのアイドルもアカリンのファンからの応募が多い。努力したものが全部ついてきている」とTwitterでコメント。グループ内でもポジシションを確立し、さらにそれが次世代グループへと繋がっている。これぞセルフプロデュース力の賜物だろう。

■YouTubeでぶち壊したアイドルとしてのプライド「親近感が私の武器」

 今でこそYouTuberの活動も軌道に乗っているが、当初は自身のメイク術を見せるのに葛藤もあった。「メイクを公開するって普通のアイドルだったら絶対やりたがらないことじゃないですか。でも、その壁をぶち壊してプライドを捨てたほうが共感を得られるし、そもそも私はそんな隠すほどの人間でもないやろと思って(笑)」とプライドを捨てたことで自分自身を開放できたと回顧。そして、そんな吉田を応援してくれるファンも日増しに増えていった。

 動画内では若い世代から人気のプチプラコスメも紹介。それもまた支持を得る要因になっている。

「ファンの人との信頼関係を大事にしているので、自分が本当に良いと思ったものしか載せない主義。お仕事の前には必ずドラッグストアに寄るんです。手が汚くなるまで試してきて、メイクさんに『またやってきたん?』と毎度言われています(笑)」

 吉田のファンは若い女性が多く、彼女達にとってプチプラコスメは高級なブランドコスメよりも手が届きやすいため、視聴者の目線にも合っている。このように吉田はアイドルであるにも拘らず、同年代の女性と同じ感覚を持っているため共感も生まれやすい。まさに吉田がYouTuberとして魅せたいと考えている“親近感”に繋がっているのだ。

■「メイク動画は自分の成長記録」アイドルがあえて“かわいいを作る過程”を発信する意味とは?

 「アイドルの自分はファンの人に甘やかされている」と話す吉田。一方でYouTubeのコメント欄は誰もが自由に発言できるため、常に荒れがち。しかし、そういった批判も“自分を成長させてくれる意見”として自身に反映させている。「ネガティブな意見を見て落ち込むこともある。逃げたいですけどね、本当は。けど、YouTubeの厳しいコメントに目を通すことでアイドルというフィールドじゃない、“外の自分”を俯瞰できるんです」とニコリ。彼女にとってYouTubeは素の吉田朱里をさらけ出せる唯一の場所なのかもしれない。

 今後のYouTuberとしての展望については次のように発言。「アイドルが“かわいいを作る過程”って謎な感じがするんですよね。かく言う私もアイドルとして“いかにかわいく見せれるか”を常に研究しているし、自分はその過程を発信できる存在でありたい。メイク動画は自分の成長記録。これからもファンの人と一緒に自分のメイクも成長させていきたい」。

 “かわいいを作る過程”を発信し続けている吉田は、現役の女性アイドルとしてもYouTuberとしても貴重な存在だ。YouTubeを駆使してこれからどんな進化を遂げるのか注目していきたい。

(文/Kanako Kondo 撮影/徳永徹)

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