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マーティン・ピカードの略歴

2014/09/08 19:48

マーティン・ピカードの略歴

直情的で活力に満ちた男、マーティン・ピカードは1ヶ所に留まることがありません。ただし、魔法にかかったような瞬間、つまり、新しい料理、本、イベント、レストランに関して身を貫くような名案を突然思いつき、身動きできなくなるときだけは別です。彼は、私たちがイメージするような芸術家をそのまま具現化したような気質を持った人物です。ピカードは大食漢で、彼にとって正しく調理された料理とは基本的に官能であり、身体を介して魂を直接刺激するものなのです。

1966年11月20日にケベック州ルパンティニーで生まれたマーティン・ピカードは、1980年代の終わりから料理の世界で働いています。ケベック観光ホテル学院で初期の教育を修了した後、彼はフランスへと旅立ってピエール・ガニェールやマーク・メノー(それぞれミシュランガイドの3つ星シェフとして認定されています)といったシェフの下で働きながら料理の視野を広げます。その後、イタリアと米国でも修行を積んでいます。しかし、彼が料理に関する独自のスタイルを開拓したのは、モントリオールでノルマン・ラプリーズ(現在ではトック=Toqué!の有名シェフで、当時はシトラス=Citrusを任されていました)やエレナ・フェイタと共に働いていたときのことでした。このような経験は美食家としての経歴を与えただけでなく、外に飛び出して自分の流儀で事に取り組むきっかけにもなりました。こうして彼は2001年にモントリオールのダルース・ストリートにオ・ピエ・ドゥ・コション(Au Pied de Cochon)という自分の店を開きました。

その店で彼が供する食事は、ケベックという土地柄の影響や産物が活かされ、量が多く、陽気かつ豪勢なものとなっています。果敢に既成概念の枠を超え、定説に手を加えることを恐れないマーティンは、グルメ界の他のシェフ同様、地元の田舎で採れた食材を使うことを好みます。彼は、奇抜さと過剰さに溢れた独自の手法で料理に並外れた新鮮味を添え、ケベックの郷土料理を再構築することに情熱を注いでいます。

このレストランは、あの「悪名高い」フォアグラ・プーティンによってすぐに街の評判となり、美食家たちの賞賛を浴びます。マーティン・ピカードは国際的なテレビ料理番組にもいくつか出演しています。有名なシェフで作家のアンソニー・ボーデインがホスト役を務めるシリーズはその 1 つです。オ・ピエ・ドゥ・コションで食事をしてユニークなグルメ体験を味わおうと、世界中から人々が集まりました。

レストランの開店5周年を記念して、マーティンは2006年に最初の著作『Au Pied de Cochon – The Album』を自費出版します。この本はマーティン自身が編集し、英語版とフランス語版が同時に発売されています。写真、コミックブック、レストランのスタッフを紹介した DVD がミックスされた本となっています。この本はいくつかの賞を獲得することとなり、今では米国を始め世界中の偉大なシェフたちのキッチンに名誉を添えています。

マーティンは2007年のテレビシリーズ「Martin sur la route(マーティンと街角で)」で主役を務め、この番組は2シーズンに渡って放送されることになります。この地域限定型の料理番組では、ガスオーブンを担いでケベックの裏道を行きつ戻りつするマーティンとアシスタントの姿を追いながら、風変わりなケベック料理への情熱を広く伝えています。このシリーズの行く先々では、マーティンがガチョウやシカを狩り、罠を仕掛け、ロブスターを釣る(このロブスターはボートの上ですぐに調理されます)などといった様子が見られます。

「Wild Chef (野生のシェフ)」というタイトルが付いたこのシリーズの英語版はFood Networkで放送され、マーティンのユーモアや大胆さ、誠実さによって英語を話す視聴者をも魅了し、大人気となっています。シリーズは海外でも成功を収め、翻訳され5ヶ国で放送されています。

すべての体験を自分のものとし、常に新しいプロジェクトに食らいつくマーティンは、すぐさま新しいことに挑む準備ができています。そういうわけで、2009年の春、モントリオールから北へ50分の距離にあるサン・ブワノ・デ・ミラベルにオ・ピエ・ドゥ・コション・シュガー・シャック(Au Pied de Cochon Sugar Shack)がオープンします。ここは伝統的製糖所を特徴的な方法で再構築した場所で、ケベックの産品であるメープルシロップを中心に美食に革新を起こしたいという情熱を持ったマーティンが深く耽溺するには完璧な場所となっています。オ・ピエ・ドゥ・コション・シュガー・シャックはたちまち成功を収めます。一般の人々も料理評論家も口を揃えてこう評価します。「ケベックの食通ならば、この製糖所は絶対に見ておくべき場所です」と。ここは開設以来、砂糖のシーズンが訪れる何か月も前から予約でいっぱいになっています。

2012年2月、マーティンはこの新たな成功を受け、『Au Pied de Cochon Sugar Shack』というタイトルで 2 冊目の本を出版します。料理本でもあり美術書でもある同著は、メープルシロップとケベックシュガーブッシュの伝統へのオマージュとなっています。この本では、マーク・スガンの短編小説、写真、イラスト、子ども向けの物語、メープルシロップの製法に関する技術的な章、ステップごとに写真付きで解説された100を超えるレシピなどが取り上げられています。

これは「メープルシロップのバイブル」であり、ケベックの特産品であるメープルシロップに特化した最初のグルメ本です。英語とフランス語の両方で出版されたこの本は、伝統的な料理本の限界を再び押し上げることになります。2013年2月、この本はパリのグルマン世界料理本大賞(Gourmand World Cookbook Awards)でBest Publisher’s Cookbook of the Yearに選ばれています。

マーティン・ピカードは2012年に新しいテレビシリーズ「Un chef à la cabane」のホストを務めました。これはTélé-Québecで2013年の春に放映されます。オ・ピエ・ドゥ・コション・シュガー・シャックでの砂糖シーズン全体を記録することで、一般視聴者にユニークなテレビ体験を提供したこのシリーズによって、製糖所の評判が高まることは確実です。マーティンとそのすばらしいスタッフたちのおかげで、彼らの世界とオ・ピエ・ドゥ・コション・シュガー・シャックの舞台裏を垣間見ることができます。

マーティン・ピカードは地元に根ざした比類のないケベック州民シェフでありながら、全世界に対するオープンな姿勢によって国際的に認知されているシェフでもあります。彼は自分のルーツに誇りを持ち、その料理や本、テレビシリーズにおいて絶えずそのルーツへと回帰し続けています。マーティンは無限のユーモアセンスと周りの人を惹きつける活力に溢れ、新たなアイデアに向けてあくまでも大胆不敵に挑戦を続ける並外れた人物です。真に偉大なケベック人シェフと呼べるでしょう。

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