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就業規則の「読み方」 - 解雇される行為を紹介

マイナビニュース のロゴ マイナビニュース 2019/03/18 11:01 大東恵子

「よっぽど悪いことをしないと解雇なんてされないんでしょ?」

一般的にはそのように考えられていますが、「よっぽど」というのがどの程度なのか、ご自身の会社の就業規則を認識していますか?

会社の就業規則をきちんと認識していますか?(写真:マイナビニュース) © マイナビニュース 会社の就業規則をきちんと認識していますか?(写真:マイナビニュース)

会社の就業規則をきちんと認識していますか?

重大な過失とは

あなたの会社に、「故意または重大な過失により、会社の施設、設備に損害を与える等、会社に重大な損害を与えたとき」は懲戒解雇にする、といった条項はありませんか。

故意は、「わざと」という意味で捉えられることが多いですが、より正確には、「自分の行為が一定の結果を生じさせることについて、予見していたにもかかわらず、行為を実行した」というものです。

そして、過失は「うっかり」という意味で捉えられることが多いですが、より正確には「自分の行為が一定の結果を生じさせることについて、予見が可能であったにもかかわらず、注意を怠って予見しなかった」、「自分の行為から一定の結果が生じることを回避可能であったにもかかわらず、回避するための行動を怠った」というもの。

重大な過失とは「少し注意を払えば予見したり回避策を図ったりできるにもかかわらず、それを行わなかったこと」を指します。

具体的な事例

具体的な事案例としては、工場の基幹設備に不具合が見られ、ちょっと確認して早急にメンテナンスをすれば、安価な修理代で解決することが想定できるはずなのに、そのまま設備を継続使用したため回復できない程度に故障し、買い替えを余儀なくされた場合、などが考えられます。

「買い替え」になると、設備の費用だけでなく、設置が完了するまで設備を使用できないことに伴う機会損失も損害となり得るため、程度によっては、「重過失に伴い会社に重大な損害を与えた」と判断される可能性があります。

酔って業務の話題で盛り上がる

「会社または関係取引先の重大な秘密その他情報を漏らし、又は漏らそうとしたときは懲戒解雇にする」という就業規則の条項があるとします。そんなの当たり前じゃないですか、と思いませんか?

通常、社内では自社が保有する営業秘密に基づいて業務に取り組み、収益をあげていくことが予定されています。そして、これらの情報が漏えいしてしまうと、自社の収益を失ったり、顧客離散したり、という事態を引き起こすことは、最近では想定するに難くないと思います。

それなのに、会社帰りの宴席で盛り上がる話題の一つは、社内での出来事にまつわるものが多いものですよね。特にお酒の勢いでつい声が大きくなったり調子がよくなったりして、話の流れで営業秘密関係の話を喋っていませんか。

業務内容をつまみに盛り上がっていませんか? © マイナビニュース 業務内容をつまみに盛り上がっていませんか?

業務内容をつまみに盛り上がっていませんか?

または、個人のお客様に対して不満や悪口の話が増えていませんか。そして、その会話が、偶然隣のテーブルに座っていた関係者に漏れ伝わってしまったとしたら……。または、その会話を録音し、会社を脅迫する材料に使われてしまったら……。

先ほどの就業規則の条項では、「故意または重大な過失により」といった条件は入れていません。この書きぶりだと、故意でも過失でも、過失の程度が軽くても、誰かにそそのかされて喋ってしまったとしても、情報を漏らしたと判断される可能性があります。

SNSに業務内容を書き込む

また、情報を漏らすという観点では、SNSは要注意です。ちょっとしたつぶやきの中に、仲間うちだけだからと気楽に考えて、営業秘密や顧客情報を書き込む、なんてことをしていませんか。

気軽な気持ちで、または、あなたに恨みを持っている方がいて、誰かがコピーペーストして、制約がないウェブの世界へ拡散する可能性を想定していますか?

SNSに業務内容を書き込んでいませんか? © マイナビニュース SNSに業務内容を書き込んでいませんか?

SNSに業務内容を書き込んでいませんか?

一度インターネットに情報が拡散されると、その情報を完全に消すことは困難です。「書き込まなければよかった」と後悔しても、その時点で営業秘密や顧客情報が一人歩きしています。仲間うちであっても、情報を漏らしたことに変わりはないので、会社が損害賠償を受ける可能性も含めて、懲戒解雇に至る可能性があります。

就業規則には、その会社で働く上でのルールが定められています。今までちゃんと見ていなかった、なんとなくこんな意味だと思っていた、という状態で何か問題が起こってしまうと、こんなはずではなかった、と後悔することになりかねません。

就業規則に書かれている条項の意味がよくわからない場合、人事担当者に確認するなどして、適切に理解するよう努めてみてください。

執筆者プロフィール :大東 恵子(おおひがし・けいこ)

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あすか社会保険労務士法人代表社員、特定社会保険労務士。大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、日商岩井株式会社(現在の双日株式会社)を経て1997年社会保険労務士事務所を開業する。現在、東京、大阪、名古屋に事務所展開。お客様のニーズにあったリーガルサービスの提供を心がけ、起業支援から一部上場企業の労務問題まで幅広く対応している。今春、早稲田大学大学院(MBA)を卒業。趣味は筋トレ、書道、芸術鑑賞。

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