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悩める先パイたちにおくる、OJTトレーナーの心得 第8回 辞めないで! 後輩に「辞めたい」と相談されたときの5つの対処法

マイナビニュース のロゴ マイナビニュース 2018/06/13 07:00 新美友那
© マイナビニュース 提供

OJTトレーナーとしてもっとも怖いのが、受け持った新入社員が辞めてしまうことでしょう。しかし、突然辞めてしまうのはまれで、事前に相談してくれることも多いもの。そんなときどう対処すればよいのか、事前に知っておきたいですよね。新入社員に「辞めたい」と相談されたときの対応について、マイナビで「OJTトレーナー研修」を開発・販売している同社・教育研修事業部の新山さんにお話を聞きました。

○1. 他の人に聞かれない個室を用意し、十分に時間を取る

「辞めたい」と相談されたとき、まずすべきことは、個室を用意することです。辞職はかなりデリケートな話ですので、他の人に聞こえる可能性のある場所だと、双方本音で話しづらくなります。できれば上部に仕切りのないブースなどは避け、会議室など完全な個室を用意しましょう。

また、話しづらい話題ですので、いつものようにスムーズには話せない可能性もあります。今後の人生を左右する大事な話ですので、仕事を前倒しするなどして、できれば2時間程度時間を確保しておきましょう。
○2. 緊張感を和らげ、しっかりと傾聴する

相談を受けるときは、緊張感を和らげしっかり聴くこと姿勢が重要です。新入社員は、「受け止めてもらえなかったらどうしよう」「マイナスな内容を話すことで、会社に居づらくなるかも」など、さまざまな不安や緊張感を抱えながら相談しています。まずはしっかりと「聴いているよ」という姿勢を、視線やあいづちで表現しましょう。

新山さんによると、できれば斜め45度の角度に座って話すとよいそうです。「対面で話すと威圧感があるので、適度に視線が外れる斜め45度の位置に座ると、相手を過度に緊張させずに済みます。また、ずっと目を見て話を聴くのも威圧感を与える場合があるので、たまに目を合わせるくらいがちょうどよいと思います。」とのこと。他にも、遮らずに最後まで話を聴くなど、丁寧に話を聴くよう心がけましょう。
○3. 理由を出来るだけ深く掘り下げる

話をひと通り聞いた後は、「辞めたい理由」を一緒に深く掘り下げてみましょう。その過程で解決策が見つかることも多く、辞めずに済む方法を模索することもできます。「なぜ辞めたいのか?」「なぜそう思ったのか?」など、「なぜ」を3回ほど繰り返すと、具体的な原因にたどり着きやすくなります。

新山さんは、個人的には、3年は続けてみることを勧めているそうです。「1年目で辞めたくなる理由は『楽しくない』『やりがいがない』など、理由が浅いものも多いからです。その会社の仕事のすべてを理解した上でそう思うのであれば仕方ないとは思いますが、1年目で仕事のすべてが理解できるケースはそうありません。そういう場合は、『部活動なども、いきなり試合ができるわけではなく、楽しくない素振りから始まる。上達に地道な努力はつきもので、試合前に辞めるのはもったいないよ』などとわかりやすく伝えます。仕事が面白いかどうかを判断するのは、1~2年目の時点では早いと思うので、仕事の楽しさややりがいを伝え、続けることを勧めるとよいでしょう」とのこと。

もちろん、「心身の健康バランスを崩した」「医者に止められた」など、健康にかかわる理由の場合は、辞職する方が適切なこともあります。しかしそうでない場合には、「苦しい反面、価値観が広がる貴重な時期でもあるので、残ってほしい」「辛い時期なりに得られることは多いと思う」など、本人の成長にプラスになる点を伝えるなどして引き留めるのもよいでしょう。

OJTトレーナーは立場上、「責任があるから止めているだけ」「本当は辞めてもいいと思っているのだろう」と思われてしまうこともあります。そうならないためには、一旦立場を忘れて、あくまで「一個人」「ひとりの人生の先輩」として相談に乗ることです。新入社員は「仕事」に何か嫌なことがあって相談しているため、「仕事」の立場上仕方なく対応をしても心を開いてもらえません。本人の人生にとって本当によい選択は何かを考えながら、親身に相談に乗りましょう。
○4. 相談後もフォローし、様子を見る

相談が終わったら、「その後調子はどう?」などとさりげなく声がけや社内メールを送るなど、フォローしつつ様子を見ましょう。話を聞いたらそれで終わりではなく、それによってどう気持ちが変わったか、行動に表れているかをしっかり把握しておきます。

万が一相談が裏目に出てしまった場合は、以前より元気がなくなる・話さなくなるなど行動にサインが現れやすくなるので、注意深く様子を見てその後の対処を考えていきましょう。
○5. 上司に報告・相談する

まず、「辞めたい」という相談があった時点で上司に報告しておきましょう。もし本当に辞めることになった場合に上司が対応できるよう、新入社員から口止めがあった場合も、それを含めて報告しておきます。相談内容やその後の本人の様子なども定期的に報告し、ときには相談すると、よいアドバイスがもらえるかもしれません。OJTトレーナーと言えども、多くは若手社員。自分ひとりで抱え込まずに上司と協力しながら、新入社員にとって一番適切な道を模索しましょう。
○まとめ

新入社員に「辞めたい」と相談されたときの対処法として、

他の人に聞かれない個室を用意し、十分に時間を取る
緊張感を和らげ、しっかりと傾聴する
理由を出来るだけ深く掘り下げる
相談後もフォローし、様子を見る
上司に報告・相談する

という5つの方法を紹介しました。

しかし、できれば最初から「辞めたい」と思われない方が望ましいですよね。よく様子を見ておく・人として好きになってもらう・信頼関係を築いておくなど、普段から新入社員とのコミュニケーションを大切にしておきましょう。

「辞めたい」と相談されるのは怖いことかもしれませんが、相談されるということは「信頼されている」ということでもあります。同じ立場に立って真剣に解決策を考え、相手の気持ちを理解しようと努めれば、新入社員も心を開いて話してくれるでしょう。

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