古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

日本人の非効率な働き方は「休み方」が原因だ 実は会社や仕事のために休んでいませんか?

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2018/06/14 09:00 東松 寛文
真の働き方改革を実現するための方法は……(写真:YakobchukOlena/PIXTA) © 東洋経済オンライン 真の働き方改革を実現するための方法は……(写真:YakobchukOlena/PIXTA)

働き方を変えるには、まず自らの休み方を見直すことが重要だった! 広告代理店に勤めながらも、3カ月で18カ国を制覇したリーマントラベラーこと、東松寛文氏。著書『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』には、いかに「社畜寸前」から自らの人生を変えたかを語っています。

昨今、世間で叫ばれている「働き方改革」。労働時間の見直しや副業解禁など、多くの会社が従業員のために制度を変えた結果、徐々に働きやすい「環境」は整いつつあります。

 一方、制度が変わったところで、仕事の量が大きく変わるわけではありません。実際の現場の声は「今の働き方はなかなか変えられない」というのが多いのではないでしょうか。労働時間内では仕事が終わらず、家に仕事を持ち帰るといった話もよく耳にします。環境が整ったかのように見えますが、対外的な政策ばかりで、逆に「働きにくくなった」という方もいることでしょう。

仕事に対する意識を変えないと…

 結局、サラリーマンである以上は、雇われの身。会社が働き方改革したところで、「会社のため」に働く必要があり、制度と意識に乖離が生まれるだけ。制度を変えることはもちろんですが、従業員の仕事に対するそもそもの意識を変えないと、真の働き方改革は成立しないのです。

 しかも、制度が変わっただけでは、意識を変えることは簡単にはできません。会社の制度が変わっても仕事の量が大きくは変わらないように、サラリーマンというのは、自分1人の意思で決められることが、あまりにも少なすぎます。これでは意識を変えるのは到底無理。では、どうしたらいいか。

 真の働き方改革を実現するために、サラリーマンなら誰でも簡単にできる方法が一つだけあります。それは、「休み方」を変えること。休日の過ごし方は自主的に変えることができます。休み方を変えると、驚くべきことに、おのずと働き方も変わってきます。そして、働き方が変われば、「生き方」だって変えることができます。そう、真の働き方改革とは、実は「休み方改革」だったのです!

 僕は、世の中に働き方改革の波が起こるずっと前の2012年から、自らの働き方を変えて、社畜寸前のサラリーマン生活から脱却し、自分らしい生き方を手に入れることができました。その時に最初に変えたのが、偶然にも休み方だったのです。

 2010年に大学を卒業し、広告代理店に入社。そこで最初に待ち受けていたのは、激務の社畜寸前のサラリーマン生活でした。毎日、終電まで働くか、“お付き合い”の飲み会でタクシー帰り。休日も土曜は夕方まで寝て、合コンへ繰り出し、朝まで飲んで、日曜も夕方まで寝る。ただただ、それが続く日々を送っていました。

 そんな中、社会人3年目で初めて、無理矢理休みをもらって、海外旅行に。そこで、見事に海外旅行にハマってしまいました。しかし、当時はなかなか休みが取れない生活。それでも海外旅行に行きたい! そこで僕は、土日や3連休だけでも海外旅行に行く生活を始めました。週末だけなら、仕事にも影響を与えません。まずは、休み方を変えてみたのです。

 すると、社畜寸前生活に、思わぬ変化が。不思議なことに、おのずと仕事に対する意識が変わり、働き方が変わり始めたのです。

週末を意識して働くようになったことで

 週末で海外へ行く場合、金曜日の夜のフライトで出発することが多いです。そのため、旅行に行く週の金曜日は早めに仕事を終わらせて、空港に向かわなくてはなりません。となると、それまでのようにエンドレスで残業しているとフライトに間に合わないため、週の初めから週末を意識して計画的に働くようになりました。週末を意識して働くことで、自ら考えて行動するようになったわけです。

 これを続けているうちに、習慣化され、気が付くと旅に行かない週も、自然と効率的に仕事ができるようになりました。「旅行に行きたい!」という一心で働いた結果、僕の働き方は一変したのです。

 自ら働き方を変えたことで、意図せぬ「副産物」も得ました。圧倒的に残業時間が減ったにもかかわらず、会社での評価が上がったのです。働き方を変えるといっても、サラリーマンである以上、残業時間を減らすだけではいけません。そこで、「今まで以上に成果を出す」と決めて働きました。そう意識するだけで、労働時間が短くなっても、それまでと同等、あるいはそれ上の成果を出すことができるようになったのです。

 このとき初めて、それまでいかに非効率的に仕事をしていたのか(全力で取り組んでいたつもりでしたが)思い知らされました。同時に休み方を変えて、休みの日も全力で過ごすようになったおかげで、圧倒的にインプットの量が増えました。結果、新しいアイデアがたくさん生まれ、それが仕事にも還元されるようになったのです。

 そして、さらなる副産物を得ることになります。オンもオフも全力で生きることができるようになった結果、それを通じて、本気でやりたいことを見つけ、自分らしい生き方を見つけることができたのです。

 今僕は、平日は広告代理店で働くかたわら、週末だけで世界中を旅するサラリーマン、『リーマントラベラー』として、活動しています。本業であるサラリーマンとはまったく別の時間で、帰宅後や週末でサラリーマン向けの旅行情報などを発信しています。

 2016年には「日本にいるときはトランジット」と考え、3カ月間毎週末海外旅行へ行き、5大陸18カ国を制覇。週末だけで「世界一周」を達成しました。今では、テレビや新聞、雑誌といったメディアにも出させていただけるようになりました。

当初は週末活動だけ楽しむことに不安も

 当初は「会社の外に本気でやりたいことを見つけていいのだろうか」と不安でしたが、多くの人に相談しても答えは出なかったので、ワクワクしている自分の気持ちにしたがって挑戦しました。結果、プライベートの活動が、仕事に還元される場面も出てきて、本業にも相乗効果が生まれつつあります。

 まず最初に実感したのは社内外の人との関係が広がって、改善したこと。プライベートの活動にも本気で取り組んだ結果、社内だけではなく、取引先の方まで活動に興味を持ってくれ、プライベートの話題を足掛かりにさまざまな人間関係を築くことができました。また、本気で取り組んだからこそ得られる知見や経験値を持ったことで、「その道のプロ」として、僕の場合は、旅行関連の仕事の相談が社内外から舞い込むようになりました。

 そして、休み方改革を通じて学んだのは、「自ら考え、自ら決定する」ということです。これこそが、働き方改革にも生き方改革にも共通して通ずる、一番の学びであり、今の日本人に最も欠けている姿勢なのではないでしょうか。

 振り返ってみると、日本の教育において「自ら考え、決定する」ことを学ぶ機会は、少なくとも僕は一度もありませんでした。日本の教育は、「決められた答えを導き出すこと」に特化していて、あらかじめ決められた答えをいかに早く導き出すか、それがテストで計測され、それにより偏差値が決められます。

 一方で、自ら考えて決定し、そして行動するという能力が培われることはほぼありません。こうして同じ目標に向かって行動することがよしとされた結果、特に何の疑問を持たず高校へ行き、大学に進学し、就活を経て社会人になる。

 社会人になってからも、そう。もちろん自ら考えることはすると思いますが、「自ら決定する」こと、そして行動することは、サラリーマンではなかなかできないと思います。どちらかというと、会社から決められたルールや作法の中で、先輩と同じような仕事の仕方を半ば強要され、前年の実績を超えるためだけに成果を出すように言われ、いかに実績を超えるかだけを考え、寝る間を惜しんで働く。

 結果、人生のすべての時間を会社に捧げ、気がつくと、いわゆる社畜のような生活をしている。そんな働き方にあまり疑問を感じず、自然と受け入れている方も多いのではないでしょうか。僕もかつてはそうでした。

 しかし、自主的に休み方を変えたことで、自ら考え、自ら決定する習慣が自然と身に付きました。休み方を変えるには、「いかにして全力で休みを満喫するか」を自ら考えて決め、行動に移さなくてはなりません。そうしないと、週末をダラダラ過ごしてしまい、あっという間に月曜を迎えてしまいます。

休み方改革は楽しみながら取り組める

 休み方改革のいいところは、楽しみながらできるところです。好きなことにいかにして打ち込むか。それを考えるのは、誰でも楽しみながらできるはず。人生を楽しみながら、自ら考え、自ら決定することまで自然と習慣化できるわけです。

 せっかくの休みが、仕事や会社のためになっている人も少なくないでしょう。休んで体調を整えたり、趣味に打ち込んで英気を養ったり、平日にはできない家族サービスをしたり……すべての活動がそうとは言いませんが、気がつかないうちに、自分のためではなく、仕事や会社のための活動をして週末を過ごしている状態に陥っているかもしれません。そして、無意識のうちに、月曜日に疲れを残さないことを考え、人生がすべて会社中心に回っている。

 もし、そんな生活を少しでも見直したいということであれば、ぜひ次の休みには、休み方改革にトライしてみてはどうでしょうか。「自分が何をしたいのか」「家族が何をしたいのか」を軸に考えて決め、行動に移す。その一歩が、休み方、働き方、結果的に生き方を変えるかもしれません。会社が働き方改革によって制度を変えている今こそ、自らの意識も変えてみませんか。

東洋経済オンラインの関連記事

東洋経済オンライン
東洋経済オンライン
image beaconimage beaconimage beacon