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ビデオストリーミングで急増するコンテンツ制作費:ネットフリックスと競合の死闘

The Motley Fool Japan のロゴ The Motley Fool Japan 2019/09/11 14:00 モトリーフール編集部
© The Motley Fool, Inc 提供

モトリーフール米国本社、2019年9月8日投稿記事より

ビデオストリーミング業界の競争激化に伴い、オリジナル・コンテンツ制作費が増大する一方です。

ビデオストリーミング大手のネットフリックス(NASDAQ:NFLX)は昨年、コンテンツ制作に120億ドル(約1兆3000億円)以上を費やし、その約85%はオリジナル映画やドラマ制作に充てられました。

今後、コンテンツやメディア業界の巨人がビデオストリーミング業界に参入してくるので、ネットフリックスはオリジナル・コンテンツ制作を拡大させる必要があります。

そして競合他社もコンテンツ制作の加速させる必要があり、ビデオストリーミング業界全体としては巨額のコンテンツ費用がかかることになるでしょう。

以下で、ネットフリックス、アマゾン(NASDAQ:AMZN)、アップル(NASDAQ:AAPL)、AT&T(NYSE:T)、ウォルト・ディズニー(NYSE:DIS)の取り組みを紹介します。

ネットフリックス:2018年に120億ドル投資、2019年は投資減速?

前述したように、ネットフリックスはオリジナル・コンテンツ制作に多大な費用をかけています。

過去3年で見ると、2016年は68億8000万ドル(前年比49%増)、2017年は89億1000万ドル(同30%増)、そして2018年が120億4000万ドル(同35%増)です。

一部のアナリストは、ネットフリックスの2019年のコンテンツ予算を150億ドル以上と予想していますが、そうならないかもしれません。

最近の報道によれば、同社のコンテンツ責任者のテッド・サランドスは、映画会社、テレビコンテンツ制作会社の幹部に対して、コンテンツ制作費用の圧縮を示唆しています。

ネットフリックスは、巨大で資金力もある競合との対決で消耗戦を回避する意向かもしれません。

アマゾン:オリジナル・コンテンツ制作に推計60億ドル

アマゾンは2019年度第1四半期に、音楽およびビデオコンテンツ制作に前年同期比13%増の17億ドルを投じており、2019年の年間制作費は70億ドルのペースです。

ビデオコンテンツのみの制作費は開示されていません。

ある調査によれば、アマゾンの2019年のオリジナル・コンテンツ制作費はおよそ60億ドルです。

この額は、アップルとほぼ同様です。

アップル:潤沢な現金を活用し60億ドル投資、さらに拡大へ

アップルの新ストリーミングサービス「アップルTV+(プラス)」は、ネットフリックスと直接対決し、ユーザーをアップルのTVアプリに誘導し、新たなプラットフォーム化を目指しています。

しかし、アップルにはディズニーのような膨大なコンテンツ・ラインナップも、ネットフリックスのようなノウハウもありません。

しかし、アップルには潤沢な現金があり、これを武器に競合に追いつこうとしています。

アップルのオリジナル・コンテンツ制作費は高騰の一途をたどっており、現在では60億ドルに達しています。

(訳注:アップルは10日、アップルTV+の詳細を発表しました。月額料金は4.99ドルで、ネットフリックスの基本月額料金(8.99ドル)やディズニー+の6.99ドルを下回ります。アップルは競合との対抗を強く意識しています。)

AT&T:2018年に総額143億ドル、2019年はさらに増額

RBCキャピタルマーケッツによれば、AT&T傘下ワーナーメディアの衛星・ケーブルテレビ部門のHBOは、2018年にコンテンツ費用として143億ドルを費やしています。

独自のビデオストリーミングサービス(HBO Max)の準備を進めているため、AT&Tはコンテンツ制作費をさらに増額するとみられます。

(訳注:先日、アクティビストのエリオット・マネジメントが新規にAT&T株を32億ドル分購入し、AT&T取締役会に対して経営戦略の見直しを迫りました。今後の進展によっては、AT&Tのコンテンツ戦略も軌道修正される可能性があります。)

ディズニー:コンテンツ制作費は総額238億ドル、なおディズニー+のオリジナル費用は10億ドル

ディズニーは既にストリーミング業界に攻勢をかけており、多くのコンテンツを提供しています。

同社のコンテンツ制作予算は238億ドルにのぼりますが、ストリーミング以外のコンテンツ制作費用も多く含まれています。

3つのストリーミングサービス(ディズニー+、ESPN+、Hulu)向けコンテンツだけでなく、映画、ディズニー関連テレビチャンネル向けが含まれています。

また、スポーツ番組制作費だけでも74億ドルに上ります。

なお、ディズニーはディズニー+のオリジナル・コンテンツ制作に10億ドルを投じており、2024年までに24億ドルに増加すると同社は予想しています。

これは多くの競合の制作費よりかなり低いですが、しかしディズニーはオリジナル・ストリーミング・コンテンツを支える膨大なコンテンツを有しています。同社はライセンス費用15億ドルを使って、ディズニー+に追加コンテンツを供給します。

さらに、Hulu向けの2018年コンテンツ予算として25億ドルを計上しています。

ディズニーは、Hulu向けコンテンツ予算も今後拡大する方針です。

ディズニーのオリジナル・コンテンツとしては、巨大な映画のライブラリーやオリジナルTVコンテンツに加えて、現在ヒット中の映画・番組や今後制作予定のコンテンツも含まれます。

こういったコンテンツが、今後ディズニー+を充実させていきます。

巨額制作費の応酬

ビデオストリーミング業界界隈では巨額マネーが既に行き交っており、今後それは更に拡大していくでしょう。

契約解約や競争の嵐が吹き荒れる中、ストリーミング企業は将来のために否応なくコンテンツ制作費用を積み上げていく必要があります。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

「米国株投資を始めるのに適した、国内のネット証券5社を比較」

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アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Stephen Lovelyは、アマゾン株、アップル株、AT&T株、ネットフリックス株を保有しています。モトリーフール社は、アマゾン株、アップル株、ネットフリックス株ウォルト・ディズニー株を保有し、そして推奨しています。モトリーフール社は、次のオプションを保有しています(ウォルト・ディズニー株の2021年1月の60ドルのロング・コールと2019年10月の125ドルのショート・コール、アップル株の2020年1月の150ドルのロング・コールと2020年1月の155ドルのショート・コール)。モトリーフール社は、コムキャスト株を保有しています。

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