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元国税芸人さんきゅう倉田の「役に立ちそうで立たない少し役に立つ金知識」 第57回 40年ぶり民法改正、相続がかわるよ

マイナビニュース のロゴ マイナビニュース 2018/07/11 09:43 さんきゅう倉田

元国税局職員さんきゅう倉田です。好きな六法は『民法』です。

40年ぶりに、民法の相続税に関する部分が改正されると報道されました。参議院で可決されたそうです。それを記念して、どんな改正なのか、そして相続で決まっている基本的なルールを紹介します。

民法の相続税に関する部分が改正、変更点は?

今回の改正では、大きく3つ変わりました。

まず、亡くなった人の配偶者に対して、つまり、奥さんか旦那さんですが、保護を手厚くすることになりました。それが「配偶者居住権」です。例えば、相続する人が妻と子1人しかいない場合、財産は、半分ずつ分けることになります。

遺言書がなければ、2人で相談してどのように財産を分けるか話し合いますが、妻が「今まで旦那と住んでた家に、このまま住みたいわ」と考えて家を相続すると、妻が相続する現金が減ってしまいます。すると、今後の生活が危ぶまれる。

今までは、妻が家の所有権を相続する方法がありましたが、今後は、妻は居住権を相続して、所有権は子供が相続するという方法が認められるようです。すると、居住権は財産としての評価額が低いので、相続できる他の財産が増える。つまり、その後の生活費として受け取れる現金が増えることになります。

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次に、亡くなった人を看護や介護していた場合に、財産を相続した人たちに、お金を請求できるようになります。相続というのは、基本的には、法定相続人が相続します。法定相続人は民法で決まっていますが、簡単に言うと、配偶者と血族です。遺言があるとか、特別な場合は、法定相続人以外も相続できますが、全体から見るとそれらはマイノリティです。

でも、亡くなった人をたくさんお世話したのに、遺言がないだけで財産を全く相続できないのは、酷ではないでしょうか。そんな不安を抱えたあなたに、優しい制度が新設されます。想定されるのは、旦那や奥さんの親を介護していた場合など。あなたは姻族なので、法定相続人になれません。でも、同居してずっと介護をしていたのに相続のときは蚊帳の外、なんてことがなくなります。どのくらいの金額かは定かではありませんが、民法がお金を請求できるようにしてくれます。

最後に、自筆証書遺言が法務局で保管できるようになります。遺言には、自筆証書遺言と公正証書遺言の2つがあって、1人で自由に書くのが自筆、周りに人がいてチェックしてくれるのが公証です。公証は、人が必要な分お金がかかりますが、ミスがありません。

自筆は、好きなときにこっそり書くことができる遺言ですが、遺族がその存在も分からない場合があり、ミスがあると無効になるので、信頼性に欠けていました。その自筆証書遺言を数千円で法務局に預けられるようになります。

相続の基礎

亡くなった人から財産をもらうのが「相続」です。相続財産がたくさんあると、相続税がかかります。現在のルールでは、【3,000万円+600万円×法定相続人の数=基礎控除】、になります。相続する人が1人いれば3,600万円、2人いれば4,200万円です。つまり、お父さんが亡くなって、妻と子1人が相続する場合、財産が4,200万円以下ならば相続税がかかりません。基礎控除を超えると、相続税の申告をして相続税を納めなければいけません。

相続財産には、現金、預金、家、土地、株、貴金属など、価値のあるものは基本的にすべて含まれます。相続財産に含まない代表的なものとして、宗教関係のものがあります。仏壇とか仏像とか神棚とか、そんなものです。だから、ある程度財産がある人は、現金を金の仏像に変えて相続税を免れようとすることがあります。現在の金の価格は、1g=5,000円以上しますので、仏像にするとなると、かなりの現金を消費することになります。

相続税の基礎控除が数年前に減額されたことで、相続税の申告が必要な方が増えました。「自分には関係ない」と考えずに、家族と話し合い、亡くなりそうな10年くらい前から準備をすると良いと思います。

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さんきゅう倉田

芸人、ファイナンシャルプランナー。2007年、国税専門官試験に合格し東京国税局に入庁。100社以上の法人の税務調査を行ったのち、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに。ツイッターは こちら

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