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元国税芸人さんきゅう倉田の「役に立ちそうで立たない少し役に立つ金知識」 第65回 初心者は手を出すな、不動産投資

マイナビニュース のロゴ マイナビニュース 2018/09/12 08:49 さんきゅう倉田

元国税局職員さんきゅう倉田です。好きな不動産は「船舶」です。

不動産業界には「千三つ」という言葉があります。1000の話をする中で、本当のことは3つしかないという格言です。ぼくの経験則でも、開き直った清々しい人間が多いな、と思います。

税金に詳しいということで不動産業界の方と仕事をすることがありますし、賃貸マンションに住んでいるので仲介業者やオーナーと触れ合う機会もあります。その中の70%は悪い人で、20%は良い人で、10%はどちらとも判断がつかない人です。その20%の良い人たちに、不動産業界の話を聞きました。

2018年現在、不動産投資は身近な投資となりました。マンションや家をローンで購入し、それを誰かに貸すことで家賃収入を得て、経費を差し引いた額がローンの返済を上回っていれば毎月利益が出る、というのが不動産投資です。

「赤字でも、あなたがサラリーマンであれば、損益通算で所得税が還付になるので得しますよ」などとうたっていることもあります。システムとしては事実ですが、所得税が還付になるということは、不動産投資が赤字ということなので、投資としては成立していません。メリットのみを強調するのは、不動産業界のあるあるです。

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初心者は手を出すな、不動産投資

みなさんは「かぼちゃの馬車」という名前を聞いたことがあるでしょうか。女性用のシェアハウスで、一般の方に、ローンを組んでマンションを買わせ(建てさせ)、それを貸して、オーナーに家賃ではなく、家賃保証を渡していました。

運営会社は経営破綻してしまいましたが、その理由が、家賃が4万円なのに、家賃保証は6万円で客が増えれば増えるほど赤字になる仕組みだったからです。客からすれば、ラッキーです。なぜか、家賃より高いお金がもらえてしまう。なぜ、そのようにしたのかは定かではありませんが、表面的に「絶対得する」お金の流れを作ることで、顧客を増やし、事業を拡大するつもりだったのかもしれません。有名なハーフタレントの方をCMに起用していて、広告にも力を入れていました。

破綻して明らかになったのは、ローンを組んでいた、つまり融資をしていた銀行が、ローンを組みたい人の年収や預金残高を改ざんしていたことです。例えば、年収が300万円なのに、1000万円あるように見せかけて、無理な融資ができるようにしていたのです。

不動産会社が銀行を騙すこともありますが、銀行が積極的にそういうことを行う珍しいケースのようで、ぼくが取材したところによると、不動産会社の方が行員に購入したい物件の金額をLINEしたときの返信が「それは実際の金額ですか? 融資のための金額ですか?」だったそうです。融資を引き出すために、実際の物件の金額より高い金額を提示することがあるようで、借金が数百万円ある会社員向けのこんな不動産投資の話を耳にしました。

「あなたに借金が200万円あっても、家が購入でき、借金もすべて返せます」

不動産会社は、このようなふれこみで、住宅をローンで購入させます。このときに、銀行からの融資を受けて、いままでの借金をすべて返し、ローンの方に一本化するというものなのですが(念のため書いておくと、ローンも借金です)、当然、通常よりローンの支払いが厳しくなります。

不動産投資用の物件ですから家賃収入はありますが、ローンの支払いより少ないこともあるようで、毎月の収支はマイナス。多少、生活を切り詰めればやっていけなくもないですが、おおむね、破綻してしまい、物件を手放すことになります。

そういう物件は、安い金額で不動産投資に詳しい人達に売られて、ローンだけが残り、初心者は搾取されてします。これは、どんな投資でも言えることですが「簡単に儲かる」と思って、全然勉強せずに始めるなんて、愚の骨頂です。騙す側の悪い人間ですら、騙すために法律や制度をたくさん勉強しているのに、不良ですら勉強しているのに、騙される側が努力を放棄し、勉強しなかったら、勝てるわけがありません。予定より簡単に騙せてしまいます。

大人になったら、どんなときも勉強、勉強。収入を得るためには、勉強が必要なのです。

さんきゅう倉田 © マイナビニュース さんきゅう倉田

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さんきゅう倉田の初の著書が発売されました。ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員やパート・アルバイトの方のための最低限の税の情報を、たのしく得られます。購入は コチラ

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さんきゅう倉田

芸人、ファイナンシャルプランナー。2007年、国税専門官試験に合格し東京国税局に入庁。100社以上の法人の税務調査を行ったのち、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに。ツイッターは こちら

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