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あなたはJAL派? それともANA派? 様変わりする日本の航空業界

ZUU Online のロゴ ZUU Online 2017/08/13

「さてさて、次は山手線ゲーム!」

かつて、キャビンアテンダントとの合コンを企画する際には「JAL派」と「ANA派」で意見が分かれたものだ。筆者の周りではJAL派が多かったような気がするが……考えてみれば彼女たちが制服を着用して合コンに出席するわけではないのに不思議なものである。

ところで、ほんのひと昔前まで「日本を代表する航空会社」といえば日本航空(JAL)<9201>であったが、現在は状況が様変わりしている。JALを追い上げ、近年存在感を増しているのがANAホールディングス<9202>だ。

JALは2010年に破産して上場廃止、その後再建し2012年に再上場した経緯がある。一方、ANAは売上、旅客数でJALを上回り、2018年3月期第1四半期の営業利益でもJALを超え、時価総額でも航空会社トップに立った。もはや、ナショナル・フラッグ・キャリアの「実質的な交代」を告げているといえるだろう。

■ANAの「営業利益」が初めてJALを追い抜く

あなたはJAL派? それともANA派? 様変わりする日本の航空業界(写真=Thinkstock/GettyImages) ((ZUU online)) © (ZUU online) あなたはJAL派? それともANA派? 様変わりする日本の航空業界(写真=Thinkstock/GettyImages)

先日、JALとANAが相次いで2018年3月期第1四半期の決算を発表した。結果は両社とも好業績と呼べる内容であったが、その背景にはインバウンド旅行客が引き続き増加傾向にあることと、原油市況が想定以下で推移していることが指摘される。

しかし、注目されるのは先に述べた通り、第1四半期の連結実績ベースで、ANAの「営業利益」が初めてJALを上回ったことだろう。

JALは7月31日に第1四半期の決算を発表。売上は5.9%増の3148億円、営業利益は12.0%増の「247億円」だった。また、同社は通期予想の売上を1兆3390億円から1兆3480億円(前年比4.6%増)に、営業利益を1420億円から1530億円(同10.2%減)に修正している。

一方のANAは8月2日に決算を発表した。それによると第1四半期の売上は11.7%増の4517億円、営業利益は80.0%増の「254億円」だった。同社は今期からLCCのピーチ・アビエーションを連結対象に加えたことも大幅増収益の要因となった。なお、ANAは通期予想については売上1兆9100億円(8.2%増)、営業利益1500億円(3.1%増)といずれも据え置いている。

■旅客数でもANAがJALを上回る

気になるのは、第1四半期の営業利益でJALを上回ったANAが、通期でも上回ることができるかである。JALは通期の売り上げ予想を上方修正したが、営業利益ベースでは10%減益の1530億円を見込んでいる。一方、ANAは据え置きとはいえ営業利益予想は史上最高の1500億円だ。通期予想では目下のところJALが上回っているが「きわどい争い」になると筆者はみている。

ちなみに、第1四半期の旅客数の実績をみると、ANAは国内旅客数が5.8%増の1035万人、国際旅客数は5.4%増の225万人である。一方のJALは国内旅客数が8.1%増の807万人、国際旅客数は0.7%減の204万人で、国内外ともにANAが優勢だ。

ANAは「JALの再建中」に国際路線の拡大に取り組み、2016年3月期には国際線旅客数で初めてJALを追い抜いた。ANAは売上高、旅客数ではすでに「ナショナル・フラッグ・キャリア」ともいえる実績を残している。営業利益率ではJALが優位であるが、営業利益の「実額」でJALをとらえた意味は大きい。

■ナショナル・フラッグ・キャリアの実質的な交代へ

ところで、ANAの株価は決算発表後も堅調に推移し、8月8日には412円と年初来高値を更新した。これは2008年来の高値で、年初からの上昇率は31%となる。

一方、JALの株価も決算発表後に買われ、8月8日に3815円と年初来高値を更新したが、年初からの上昇率は11%にとどまっている。

8月8日時点の時価総額をみるとANAは約1兆4300億円、一方のJALは約1兆3300億円で、ANAが1000億円上回っている。少なくとも株式市場ではANAの評価のほうが高まっていると言って差し支えないだろう。「ナショナル・フラッグ・キャリア」の実質的な交代は既に始まっているのだ。

平田和生(ひらたかずお)

慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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