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アジア最悪の日本株、好業績消すリスク渦巻く-2万5000円は秋か (1)

Bloomberg のロゴBloomberg 2018/03/14 12:13 赤間信行、Min Jeong Lee
BC-アジア最悪の日本株、好業績消すリスク渦巻く-2万5000円は秋か © 赤間信行、Min Jeong Lee BC-アジア最悪の日本株、好業績消すリスク渦巻く-2万5000円は秋か BC-アジア最悪の日本株、好業績消すリスク渦巻く-2万5000円は秋か © 赤間信行、Min Jeong Lee BC-アジア最悪の日本株、好業績消すリスク渦巻く-2万5000円は秋か

(Bloomberg) -- 企業業績は3期連続の増益予想、株価収益率(PER)は過去1年の下限と日本株は絶好の投資タイミングにありながら、ことしのパフォーマンスはアジアで最悪だ。日本株が抱えるジレンマの裏側には為替や朝鮮半島リスク、世界経済を混乱に陥れかねない米国の保護貿易策など数々のかく乱要因が付きまとう。

  世界96の主要株価指数の年初来推移を見ると、13日時点でTOPIXはマイナス3.7%、日経平均株価はマイナス3.5%。5.6%上昇した香港をはじめ、4.3%高の台湾、1.1%高の韓国、0.1%高の中国上海などアジア主要市場を軒並み下回る。主要7カ国(G7)の中でも同じ状況だ。

  2018年の世界株式は低金利と好景気が共存する「適温相場」への期待から1月途中まで上昇が続いたが、米国長期金利の上げピッチが速まると相場の逆回転が警戒され急落。その後は徐々に落ち着き、アジアや米国は2月安値を底に下値を切り上げている。対照的に日経平均は2月安値を下抜け、1月高値を9%下回ったままだ。

  日本株の最大の重しは為替で、リスク回避の動きからドル・円は年初の1ドル=112円台から3月2日に105円20銭台と1年4カ月ぶりの水準まで円高が進行。海外では朝鮮半島情勢が融和に向かう半面、米トランプ政権が鉄鋼・アルミニウム関税の賦課を表明、国内では学校法人「森友学園」をめぐる政治スキャンダルが渦巻く。

  SMBC日興キャピタル・マーケッツのストラテジスト、ジョナサン・ アラム氏は日本株市場ならではのジレンマを嘆き、もっとファンダメンタルズに順応した市場になってほしいと期待している。ピクテ投信投資顧問の松元浩常務執行役員は、かく乱要因にさらされる日本株市場との折り合いの付け方は、数値で測れるものは分析するが、予測不可能な要因はそのまま受け入れる、あるいは無視するというもの。経済と企業収益見通しは予想が十分可能とし、円相場の影響で売られ過ぎた場合は投資チャンスとみている。

  株価形成のベースとなる国内主要企業の業績は良好なままだ。大和証券によると、1ドル=110円を前提に17年度経常利益は18.8%増、18年度は8.6%増の見通し。収益構造の改善が寄与しており、為替前提を105円に変更しても18.1%増、6.2%増と方向性に変化は生じないという。一方、日経平均の予想PERは12.8倍と過去1年の下限域に位置し、平均の14.6倍を大きく下回る。

  ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、円高で利益が目減りしても世界経済の回復でそれを補う数量効果が見込めると予測。日経平均は、105円前提の予想1株利益1680円に「アベノミクス相場の平均的な予想PER15倍を乗じた2万5200円が実力」と話す。ただし、企業は業績計画を保守的に見積もる傾向があり、5ー6月にかけての株高加速は期待しづらい上、11月の中間選挙まで米通商政策も保護主義化しやすく、2万5000円への挑戦は「米中間選挙が終わり、中間決算で業績の上方修正が期待できる秋口以降」との見方を示した。

  豪AMPキャピタル・インベスターズのダイナミック市場責任者、ネーダー・ナエイミ氏は芽が出始めたインフレにより国内ビジネスが支えられ、今後円相場の日本株に対する影響は弱まると予想。BNPパリバインベストメントのトニー・グラバー運用本部長は、「株式市場は長期的に企業の業績やファンダメンタルズを反映すると、われわれは今でも確信している」と言う。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里チーフストラテジストも、昨秋からドル・円とTOPIXの相関が低下、多くの日本企業が地産地消を基本に海外事業を拡大しており、ドル・円と業績に対する影響は以前に比べ小さくなっていると分析。今後110円前後に戻らず、現状水準で推移しても「業績の改善や外国人投資家の日本株買いを受け、海外株に対する出遅れ修正が進む可能性は高い」とみる。

(文末にストラテジストのクオートを追記.)

--取材協力: Livia Yap

記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 赤間信行 akam@bloomberg.net, 東京 Min Jeong Lee mlee754@bloomberg.net.

記事についてのエディターへの問い合わせ先: 堤紀子 ntsutsumi@bloomberg.net, 院去信太郎、 蒲原桂子

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