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ゴミのようにCDを量産するアイドル産業よ、ユニクロを見習いたまえ!

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 福岡県太宰府市の山中に、AKB48のCD585枚を捨てたとして、会社員の男(32)が書類送検された。「総選挙」のために大量購入し、投票券を抜いたあとの「処分に困って捨てた」という。

 こういう大量廃棄は「氷山の一角」で、彼だけでなく似たようなことをやっている人は、結構いるのではないか。

◆CDがゴミのようだ! というか、まさにゴミ。

 それにしても、アイドル産業の異常であることよ。中学2年でジャニーズの応援をやめた私としては、30代にもなってCDを600枚も買うほど応援したいアイドルがいるなんてうらやましい(生きがいがあるのは良いことだからさ。私にはそれがないから、すぐ死にたくなってしまう)。でも、推しメンのために、四角いプラスチックの塊を何十キロと購入することが「応援」とはこれいかに。ムスカに言わせれば、CDがゴミのようだ! というか、まさにゴミ。

 自分は物書きだが、同じ本を600冊買ってくれる読者がいたら卒倒するだろう。作家のファンというのは、せいぜい「単行本と文庫をぜんぶ持ってます」くらいなもんで、アイドルを応援するのとは全く違う心の動きなんだろうと思う。

ハーバービジネスオンライン: ライター・北条かやが哀れなCDとドルオタに物申す © HARBOR BUSINESS Online 提供 ライター・北条かやが哀れなCDとドルオタに物申す

 アイドルにはそのくらいの力があるのだ。彼女を応援するための投票にかけるエネルギーは、プラスチックの塊を大量購入するという行為にも、一切の疑問を抱かせない。

 「一体、俺は何をやっているんだろう」と虚しくなるのは、すべてが終わったあとである。総選挙後、残った大量のCDを見て、彼女を応援していたエネルギーは「祭りのあと」の虚無感へと変わる。応援しているアイドルの「音源」が込められたCDをあっけなく廃棄しちゃうって、そういうことでしょう。

◆音源なんて、iTunesカードで十分

 この「握手券終わったあとのCDゴミ問題」、あまりに切ないので、対策を考えてみた。

(1)CDではなくカードにする。

 握手券を付けるのが、CDだからゴミになるのだ。あんな四角いプラスチックや円盤ではなく、パソコンやスマホの中に入っているICチップで十分ではないか。わずか4曲ほどの音源を収録するのに、円盤みたいなメディアはもういらない。

 そう、音源と握手券のセットは、コンビニで売っているGoogle Playギフトカードや、AppleのiTunesカードみたいなメディアにすればよい。テレカ(って今の若いコは知らないか)ほどの大きさのカードに、推しメンの顔がプリントされているイメージだ。

 想像してみたが、デザイン的にも工夫の余地があって良いではないか。推しメンのカードを買えば、自動的に投票ということにすれば、少なくとも山中で目立つほどの大量廃棄物は出ないし、ファンが処分に困ることもない。

(2)CDをリサイクルして、次のCDを作る

 ユニクロやジーユーを展開するファーストリテイリングは、アジアの安い人件費で大量生産した衣類を大量に売っている。「ゴミになりかねない」「ペラペラの服」みたいな批判をされることもあるが、実はその大量生産服をしっかりと「リサイクル」してるのであ~る!

 ファーストリテイリングによると、「『世界を良い方向に変えていく』というサステナビリティステートメント」のもと、「販売した全商品を対象に、リサイクル活動を続けて」いるという。ユニクロの古着を店頭に持っていくと、ほぼ無条件で回収してくれるのだ。

 当初は、工業用繊維などの「材料」としてのリサイクルを考えていたらしいが、現在は貧しい地域へ古着として届けられている。私も店頭へ持っていったことがあるが、なかなか良いボランティア気分を味わえるぞ。

 これを見習い、アイドルのCDも、事務所へ送付してどこかの工場でリサイクルする仕組みにしてはどうか。プラスチックを溶かして、また新しいCDを作るのだ。自分が買って投票券を抜いたCDが、総選挙の結果が反映された次の新曲に変わるのである。

 いや~、ロマンがあっていいじゃないか。え、コストがかかるからダメ? そんなこと言わずに、音楽業界はそろそろ本腰を入れて「リサイクル活動」に精を出すべきだと思うんだけどな~。

<文・北条かや>

【北条かや】石川県出身。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学部研究科修士課程修了。自らのキャバクラ勤務経験をもとにした初著書『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)で注目される。以後、執筆活動からTOKYO MX『モーニングCROSS』などのメディア出演まで、幅広く活躍。著書は『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、『こじらせ女子の日常』(宝島社)。公式ブログは「コスプレで女やってますけど」

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