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サムスン電子、利益半減でも影響が軽微なわけ 日本の経済制裁の影響は今のところ限定的

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2019/10/09 19:00 ソウル新聞
ニューヨークでGalaxy最新モデルを発表したサムスン(写真:YONHAP NEWS/アフロ) © 東洋経済オンライン ニューヨークでGalaxy最新モデルを発表したサムスン(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 日本政府による輸出規制など経済措置が続く中、サムスン電子の2019年第3四半期(7~9月)決算は、売上高が62兆ウォン(約5兆5800億円)、営業利益は7兆7000億ウォン(約6900億円)となった。

 営業利益で最高益となった2018年第3四半期と比べると、今第3四半期は56%の減益となったが、前第2四半期より11.8%の増益となった。売上高も前第2四半期(4~6月)の56兆1300億ウォンより10.5%の増収となり、4四半期ぶりに60兆ウォン台に回復した。

 サムスン電子は今年に入り、半導体の需給悪化が足を引っ張り、四半期決算では前年同期比で減益を続けていた。

ディスプレイ事業が改善、市場予想を上回る

 今回の決算は、市場の予想を上回った。証券業界などの予測では、売上高は61兆0529億ウォン(約5兆4900億円)、営業利益7兆1085億ウォン(約6400億円)だった。事業別の業績は発表されていないが、モバイルとディスプレイ事業が改善したようだ。

 前第2四半期に期待を下回ったIM(IT・モバイル)事業は、「ギャラクシーノート10」シリーズと折りたたみができるスマートフォン「ギャラクシーフォールド」を投入。好調な売れ行きを見せているため、2兆ウォン前後(約1800億円)の黒字となったようだ。

 ディスプレイ事業も、スマートフォンの新製品が相次いで出されたことによるパネル販売が順調で、増収増益となったとみられている。

 サムスン電子の今回の決算を受け、2018年末から本格化してきた世界的なメモリー半導体の需給が改善しているのではないか、との見方が出始めた。

 NANDフラッシュメモリーは下半期になって価格が上昇しており、在庫調整も速いペースで進んでいる。ただ、DRAMは依然として振るわず、年末まで楽観視できない。ドル高ウォン安による為替の影響は、サムスンの業績にプラスの影響を与えている。

日本の経済管理措置の影響は限定的

 日本政府の経済管理措置の強化による影響も、現段階では限定的だとの見方が大勢を占める。日本政府は今年7月4日、韓国の主力輸出品である半導体の主要素材に対する輸出規制を強化した。また、8月28日に輸出手続きを簡素化できるホワイトリスト(カテゴリーA)対象国から外した。

 7月の発表直後にサムスン電子の李在鎔副会長が訪日し、日本の財界関係者などと積極的に面会。事業への協力と日本政府への対応策などをヒアリングしていた。

 また、李副会長は9月20日に日本財界からの招きで東京でのラグビーワールドカップ開会式と開幕戦を観戦した。このような李副会長の積極性が、「非政治的な分野では日韓はやはりパートナーだ」という事実を日韓ともに印象づけたという評価が広がっている。さらに、輸出管理措置の先行きが不透明な中、サムスン電子の広範囲なグローバルネットワークが功を奏しているという評価も出始めた。

 財界関係者は「市場の目標値を今回上回ったことで、業績の悪化は底を打ったと思われる。季節的な要因などで今第4四半期の業績は頭打ちになりそうだが、2020年には本格的に回復局面へ入るだろう」と見通す。ただ、「米中貿易戦争の行方や、李副会長が抱える贈収賄裁判の結果といった不安要素は依然として残る」と付け加えた。

 李副会長は、長年にわたり友人だった崔順実氏に朴槿恵・前大統領が便宜を図ったという、いわゆる「崔順実ゲート」で贈賄や横領などの容疑で2017年に逮捕された。その後、控訴審で執行猶予付きの有罪判決を受けて釈放されたものの、大法院(最高裁判所)が二審判決を破棄し、ソウル高等裁判所へ差し戻し、現在同高裁で審理中だ。

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