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トヨタ春闘、異例の展開 回答日に決着、一時金は夏季分のみ

毎日新聞 のロゴ 毎日新聞 2019/03/13 22:10 毎日新聞
春闘回答後に記者会見するトヨタ自動車労働組合の西野勝義委員長=愛知県豊田市で2019年3月13日午後3時52分、小倉祥徳撮影 © 毎日新聞 春闘回答後に記者会見するトヨタ自動車労働組合の西野勝義委員長=愛知県豊田市で2019年3月13日午後3時52分、小倉祥徳撮影

 トヨタ自動車の2019年春闘は、決着が回答日当日にずれこみ、一時金の回答を夏季分のみとするなど、異例の展開となった。背景には、自動運転やライドシェア(相乗り)など自動車業界が大変革期に直面する中、危機感の共有や競争力強化に向けた課題解決の議論に重点を置いたことがある。トヨタは組合員一律の賃上げでなく、意欲や成果を重視した賃金制度作りを進める方針で、今後の動向が注目される。

 「トヨタを絶対死なせるわけにはいかない」「原点を見失った会社が大変革の時代を生き抜くことなどできない」――。13日の労使交渉で、豊田章男社長はトヨタグループ創業期から伝わる社訓「豊田綱領」を引用し、社内の奮起を促した。

 2月20日以降、週1回行われてきた労使交渉では、競争力強化に向けた労使の取り組みが議論の中心だった。経営側ではなく「行司役」を自任する豊田社長はこれまでの交渉で、「(自分と)危機感の認識に大きな溝がある」と労使双方に苦言を呈する場面もあった。

 焦点の賃上げについて、会社側は「全員一律に賃金を改善する必要はこれからもよく考えないといけない」と主張。全員一律の引き上げを求める労組側との交渉は難航し、決着は13日早朝にずれ込んだ。経営側は一時金にも適用したい意向で、議論がもつれた結果、夏季分のみ決定し、冬季分は今秋再び協議することになった。一時金の決着が年間通しではなくなるのは1968年以来のことだ。

 トヨタ労組の西野勝義委員長は、回答について「こだわった全員への配分も入った。受け止めは下向きではない」と評価。トヨタは今後、意欲や成果を重視する賃金制度への見直しに向けた労使の専門委員会を設置する方針。上田達郎執行役員は「課題はいろいろあるが、双方で考えたい」と強調したが、評価方法など具体的な仕組み作りは容易ではなく、今後の焦点となりそうだ。【小倉祥徳】

トヨタ自動車の2019年春闘の主な回答内容

▽賃金

全組合員平均の賃上げ総額は1万700円、賃上げ率3.01%(前年は1万1700円。労組要求は1万2000円、賃上げ率3.3%)。ベアは6年連続で実施も具体額は非公表

▽一時金

夏季分120万円(約3.2カ月分)で、冬季分は秋に改めて交渉(労組要求は年間6.7カ月分)

▽働き方改革

・65歳への定年延長を見据えて、60歳以上の再雇用者の待遇改善

・期間従業員らへの食費補助手当の導入

・期間従業員から正社員になった従業員の賃金格差是正

・生産現場の管理職手当の増加

▽その他

・労使の専門委員会を設立し、意欲や成果に応じた賃金制度や評価制度の見直しなどを議論

・契約満了した期間従業員のグループ各社への紹介

・賃金制度が不十分なグループ各社に人事担当社員を派遣し、支援

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