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パチンコは人材発掘の場である

ダイヤモンド・オンライン のロゴ ダイヤモンド・オンライン 2019/02/11 06:00 小山 昇
パチンコは人材発掘の場である © 画像提供元 パチンコは人材発掘の場である

いまから29年前のこと――武蔵野社長・小山昇は毎晩悩んでいた。まわりは暴走族上がりの落ちこぼれ社員ばかり。「勉強しろ」「すぐやれ」と言えば真逆のことをする。にっちもさっちもいかない日々が続き、勤務形態も超ブラック。社長の心も社員の心もすさんでいた。1989年社長就任時の売上は7億円。「このままいくと武蔵野は危ない」と誰もが思っていた。しかし、2000年度、2010年度に日本で初めて「日本経営品質賞」を2度受賞したとき、運命は一変した。経営サポート事業が軌道に乗り、指導企業は700社を超え、倒産企業はゼロ、5社に1社は過去最高益に。昨年、JR新宿ミライナタワーにセミナールームをオープン。直近売上は70億円、経常利益は6億3000万円、売上高経常利益率は9.0%(販促費として8億4900万円を計上しているので、実質売上高経常利益率は21.0%)。この規模でこの数字は異常かもしれない。売上7億円を70歳で70億円にした小山昇が、創業以来大切にするのが「数字は人格、お金は愛」という経営哲学だ。これは一体どういうことか?話題の書籍『お金は愛――人を育てるお金、ダメにするお金』に際し、担当編集が小山昇を直撃した。すると……「みんな【お金は愛】という意味を勘違いしている。決して金の亡者になることではない。その真逆のことを書いた。名経営者と謳われたカルロス・ゴーンもカネの魔力に溺れた。いまこそ、“生き金”と“死に金”のほんとうの意味を知っておかないと、社長も社員も大変なことになる。この緊急事態を受け、この本は経営や仕事だけでなく、プライベートのお金の話にも深く踏み込んだ。「死に金」を「生き金」に変えた30社超の事例も載せた。これまで一切触れてこなかった“お金と子育て”“お金と夫婦”“お金と遊び”など、正直、ここまで書いていいのか迷ったが、すべて出し尽くした。私も70歳を迎え、家族が食べる分は十分稼がせていただいた。ぜひ若い人たちに“生き金”と“死に金”の分水嶺を知ってもらい、人を育てるお金、ダメにするお金の本質を知ってほしい」という。もしかしたら小山昇は真の意味で「愛の人」なのかもしれない。なぜいま、「お金は愛」なのか。その真意を小山社長に語っていただこう。(構成:寺田庸二)。

パチンコは深い

パチンコも「勝つこと」を目的にやっています。真剣に勝とうとしているから、打った機種や台についてデータを取ります。

パチンコのプログラムは乱数表で動いているからデータを取っても意味がないと言う人もいますが、それは違う。

たしかに、プログラムは乱数表で動きますが、プログラムを組んでいる人には一定のクセがあります。そのクセがデータからつかめれば、こっちの勝ちです。

私が一番見ているのは、店長の玉を出す台と出さない台のクセです。

打ち方も工夫します。玉の出が悪いときは、パチンコ台の上皿に2500円分の玉を入れます。

通常は500円分ですが、5倍の重さが上皿に乗ると、パチンコ台の傾斜が微妙に変わって玉の流れも変わります。昔の台は、これで簡単に勝てた。 パチンコは、知識やテクニックだけでなく、集中力も必要です。昔、社員に請われて社内向けに「パチンコ実践塾」を開いたことがありました。

月2回、社員を荻窪のパチンコ屋に連れていって指導するが、出る台を教えてあげても、集中力が続かずに4回目あたりからフラつく社員がいる。

一方、集中力が続く社員は同じ台で何回も行ける。ちょうどそのとき、誰を部長にするのか悩んでいたので、後者の社員を部長にしました。

パチンコで集中力を発揮できる社員は、仕事でも集中力を発揮する。

パチンコは人材発掘の場でもありました。

勝つことを目的にして勝つための工夫を

パチンコで簡単に勝てると豪語しているが、どうせ口だけだろうと怪しむ人もいるでしょう。

株式会社島屋(建築商材・広島県)の吉貴隆人(よしきたかと)社長も、そのひとりでした。

私のかばん持ち研修は月曜~土曜。日曜はお休みで、パチンコの研究に勤(いそ)しんでいます。

吉貴社長は金曜・土曜と月曜にかばん持ちを申し込み、日曜に私の自宅近くのパチンコ屋で待ち伏せをしていた。私のパチンコの腕前を確かめるためです。

吉貴社長が「パチンコを教えてください」と近づいてきたので、私は2台を指し示して、

「早く出る台と、たくさん出る台、どちらがいい?」

と選ばせました。

吉貴社長は早く出る台を選んだので、私はたくさん出る台に座りました。1時間後、言ったとおりに吉貴社長の台が先に出て、最終的には私の台が多く出た。吉貴社長はようやく私を信じる気になったらしく、

それから6回もかばん持ちを申し込んでいます。

ギャンブルについて「勝つも負けるも運次第」と考えているうちは、いつまで経っても勝てるようにはなりません。

もちろん運の要素も強いですが、勝つことを目的にして勝つための工夫をすれば、勝率は必ず上がり、トータルで勝てるようになる。私はそういう努力をする社員を評価します。

小山 昇(こやま・のぼる)株式会社武蔵野代表取締役社長「大卒は2人だけ、それなりの人材しか集まらなかった落ちこぼれ集団」を16年連続増収の優良企業に育てる。2001年から同社の経営の仕組みを紹介する「経営サポート事業」を展開。2017年にはJR新宿ミライナタワーにもセミナールームをオープンさせた。現在、「数字は人格、お金は愛」をモットーに、700社以上の会員企業を指導。5社に1社が過去最高益、倒産企業ゼロとなっているほか、「実践経営塾」「実践幹部塾」「経営計画書セミナー」など、全国各地で年間240回以上の講演・セミナーを開催。1999年「電子メッセージング協議会会長賞」、2001年度「経済産業大臣賞」、2004年度、経済産業省が推進する「IT経営百選最優秀賞」をそれぞれ受賞。日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。2004年からスタートした、3日で108万円の現場研修プログラム(=1日36万円の「かばん持ち」)が話題となり、現在2年待ちの人気となっている。『数字は人格』『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』『強い会社の教科書』『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』『残業ゼロがすべてを解決する』(以上、ダイヤモンド社)『99%の社長が知らない銀行とお金の話』(あさ出版)『改訂3版 仕事ができる人の心得』(CCCメディアハウス)などベスト&ロングセラー多数。

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