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モルガン・スタンレーが暗示する銀行株の先行き

The Wall Street Journal. のロゴ The Wall Street Journal. 5日前 Aaron Back

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 米銀行株にとって最近は資本収益が最も重要であることを、米金融大手モルガン・スタンレーはタイミング良く思い出させてくれた。恐らく、投資家はさらなる資本収益を期待できるだろう。

 モルガン・スタンレーは同業の多くと足並みをそろえ、堅調な四半期決算を発表した。債券トレーディング収入は前年同期からほぼ倍増し、引き受け収入は2倍以上となり、株主資本利益率(ROE)は2年ぶりに10%を上回った。

 同社の好調なトレーディング収入は米ゴールドマン・サックスと好対照を成しており、1-3月期(第1四半期)のゴールドマンのトレーディング業務に何か異変が起きた可能性をさらに高めた。トレーディング業務の規模が大きい他の銀行は全て、同業務の業績が良かった。ただし、ゴールドマンの業績は予想を下回ったとはいえ、破滅的とまでは行かなかった。

 全体的に見ると、米国の大手銀行は現在、最近の記憶の中で最も安全な事業展開を行っており、これが山のように積み上がっている過剰な自己資本をばっさりと刈り込むことを可能にしている。このキャッシュを少しでも株主に還元すれば、遊んでいる株主資本が縮小してROEを高めるのに役立てられる。

 モルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け説明会で、米連邦準備制度理事会(FRB)が行うストレステスト(健全性審査)の工程にいくらか微調整を加えるだけで、いかに大きな違いが生じうるかを強調した。例えば、FRBは金融危機のさなかでも銀行が自社株買いを継続するだろうと仮定している。この非現実的な仮定が緩められれば、銀行は平常時に自社株買いを増やせるだろう。また、ストレステストは毎年でなく、2年に1回でも問題ないだろうと、ゴーマン氏は指摘した。

ジェームズ・ゴーマン氏(写真)が率いるモルガン・スタンレーは堅調な四半期決算を発表した © Provided by The Wall Street Journal.

 FRBはすでに、来年のストレステストから配当性向の「ソフトキャップ(状況によって超過が認められる上限)」を引き上げるかもしれないと述べてきた。これにより、多くの投資家が自社株買いよりも好む「配当」という形で、銀行はさらなる資本を還元することができる。こうした微調整により、資本要件の絶対水準を引き下げることなく、銀行株の魅力ははるかに高まるだろう。

 過去数四半期の利益が累積され、モルガン・スタンレーはウォール街で最も過剰な資本を持つ銀行の一つと見られている。同社のティア1(普通株などの基本的項目)比率は16.6%と、ゴールドマンの12.9%を上回る。モルガン・スタンレーにとってはゴールドマンと並ぶ6.4%の補完的レバレッジ比率の方が厳しいかもしれないが、この比率も規制上の下限である5%を優に上回っている。同比率の算出方法が現在議論されているような方向で変更されれば、両行とも楽になるだろう。

 投資家は四半期ごとに変化するトレーディング収入よりも、規制の見通しに注目すべきだ。ドナルド・トランプ米政権の金融規制に対する姿勢はまだ明確ではないが、資本規制がわずかに緩和されるだけでも銀行株を大きく押し上げる原動力になりそうだ。

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