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リプトン「果物入りアイスティー」が話題の理由 表参道の限定ショップに人はなぜ並ぶのか

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2019/08/11 08:00 圓岡 志麻
毎年、夏の表参道を鮮やかにいろどる期間限定ショップ「Fruits in Tea」。4回目となる今年は6月28日より9月6日までの開催だ(編集部撮影) © 東洋経済オンライン 毎年、夏の表参道を鮮やかにいろどる期間限定ショップ「Fruits in Tea」。4回目となる今年は6月28日より9月6日までの開催だ(編集部撮影)

 コーヒーと紅茶とどちらがメジャーな飲み物かと言えば、コーヒーに軍配が上がるだろう。有名カフェチェーンも、「○○コーヒー」という名称のほうが多い。夏の飲み物も、アイスティーよりはアイスコーヒーだ。しかしそんな状況を盛り返そうとする取り組みが、数年前から始まっている。

 リプトンでは、フルーツ入りアイスティーを楽しめる期間限定ショップを2016年より展開。4回目となる2019年は、6月28日〜9月6日の期間、「Fruits in Tea TEA MORE OMOTESANDO」として、港区のイベントスペースZero Base表参道にて開催している。

3年間で累計21万人が来店

 この期間限定ショップは、「今の時代にフィットした楽しくワクワクする飲み物」として、新しい紅茶のスタイルを訴求しようと、紅茶ブランドのリプトンが展開しているもの。ショップの名称通り、フルーツやハーブを入れたカラフルなアイスティーを提供している。展開の背景について、同ブランドを展開しているユニリーバ・ジャパンでは次のように説明している。

 「紅茶というと、『お紅茶』というような限定したイメージで知られています。また、冬場にホットで飲むというスタイルが一般的です。そうしたイメージを塗り替えつつ、夏場の需要を活性化させる意味で取り組みを始めました」(ユニリーバ・ジャパン・サービス、マーケティング担当の中西瞳氏)

 中西氏は2016年の限定ショップの開始から関わってきたという。ビタミンカラーのフルーツを組み合わせることで、若い女性に直感的に「カワイイ」と思ってもらえるようなサービスを狙ったそうだ。

 狙い通り当初は女性が中心だったものの、年を追うごとに客層は広がっていき、家族連れ、大学生、サラリーマンなども利用しているという。また、2年目、3年目に開催した大阪での展開と合わせ、3年間で累計21万人の人がショップを訪れた。最大待ち時間4時間半という行列ができたこともあるそうだ。

 その人気の理由はどこにあるのだろうか。

 まず大きいのは見た目だ。リプトンカラーの黄色とフルーツの組み合わせは、目に飛び込んでくるような鮮烈なインパクトがある。どんなに下手な人でも、色合いだけでフォトジェニックに撮影でき、SNSで自慢できる写真となるだろう。

 そして、大きな魅力が、アイスティーやフルーツの種類に加えてバラエティーに富んだトッピングがそろえられており、さまざまにカスタマイズできることだ。

 「TEA MORE」をコンセプトとした今回は、定番のアールグレイ、グリーンティーに今年初めて展開のノンカフェインのルイボスティーが加わり、ベースのアイスティーを3種類から選ぶことができる。さらにフルーツ、トッピング、シロップなどを組み合わせることによって、約6万通りのカスタマイズが可能になっているという。

カップ内に氷が残っている間はおかわり自由!

 さらに今回の目玉が、フルーツインティーをアイスキャンデーにした「アイスティーポップ」だ。こちらもカスタマイズが可能で、3種類から選べるアイスに、ドライフルーツやナッツ、ジュレなど好みのトッピングをかわいらしく飾り付けられる。

 「紅茶とアイスとの組み合わせは当社でも初めての試みです。TEA MOREのコンセプトの下、紅茶の可能性をさらに広げていきたいという思いからなのですが、フルーツとの相性もよく、アイスティーをより爽やかに楽しんでいただけるのではと感じています」(中西氏)

 提供方法も一工夫、二工夫凝らされている。

 太っ腹なことに、購入したフルーツインティーを飲み終えても、カップ内に氷が残っている状態であれば、ショップに据え付けられたティーサーバーから自由におかわりをすることができるのだ。1杯目と違う種類を選んでもよい。

 「1杯目は定番を選んで、次からは違う種類のアイスティーに、スパイストッピングを選んで冒険するという方も多いです」(中西氏)

 スパイスも数種類から自由に選ぶことができる。よくあるシナモンのほか、ターメリックなど、「紅茶に合うのだろうか」と首をかしげたくなるるようなスパイスも並ぶ。予想外に相性がよく、さっぱりした味わいも楽しめるそうだ。

 容器は使い捨てのプラスチックカップ以外に、エコロジーなオリジナルタンブラーでも楽しむことができる。

 今年はタンブラーデザイン用の特設ECサイトを開設。全111種類のスタンプやロゴ全35種類を組み合わせて、自分好みにオリジナルデザインのタンブラーを作成できるという。

 このように、まさにカスタマイズ尽くしのサービスが幅広い客層からの支持を獲得。青山通りに面したショップ前では、思い思いのデザイン、組み合わせのフルーツインティーを片手に自撮りする人が引きも切らないといった状態だ。

トッピングの過程を観察できるのも楽しみの1つ

 さまざまな味を楽しみたくなるため、リピート率の高さにもつながっている。

 種類が多すぎて迷う場合は、おすすめの組み合わせで構成されているスペシャルティーを選ぶとよい。筆者などもそうだが、多すぎるメニューの中から選ぶのを「ちょっと面倒」と思う向きもあるだろう。しかし実際のところ、スペシャルティーを選ぶのは客のうちおよそ4割という。

 カスタマイズで課題となるのが、オペレーションが煩雑になることだ。客が選んで注文するまで、そして商品をつくりあげて、提供するのにも時間がかかる。

 「すでに4回目ですので、熟練のスタッフを中心に、効率的なオペレーションが確立されています。また、1つひとつ組み合わせながら、センスよくトッピングする過程を目の前で観察できるのも、お客様にとって楽しみな時間のようです。その様子を写真に撮っている方も多いですね」(中西氏)

 製作過程をショー化して付加価値とする手法については、今や16店舗を展開するキャンディショップのパパブブレや、原宿で今も行列のできるロールアイスクリームファクトリーですでに効果が実証されているところだ。

 そして、このようにアイスティーを強力に訴求するうえで欠かすことができなかった、陰の主役といえるのが、新しい水出し専用の茶葉「コールドブリュー」である。

 アイスティーを作るには、まず熱湯を注いで茶葉を蒸らし、十分に香りを引き出してから冷やす、といった具合に、手間暇がかかるものだ。

 しかしリプトンでは、水出し専用の特別な茶葉「コールドブリュー」を開発。ティーバッグを水に3分浸すだけで本格的なおいしいアイスティーができるのだという。このコールドブリューは、ショップの物販コーナーはもちろん、スーパーやネット通販などでも入手が可能。ショップの味を自宅で再現できる。

 「実はこの商品はまさに期間限定ショップとしての1回目、直接お客様と接する中でいただいたご意見をヒントに開発されたものです。このように、お客様との接点を増やしていけることも、当社にとっての大きな意義となっています」(中西氏)

 売り上げへの影響も高いという。筆者が単純に計算してみると、3年間で累計21万人ということは、それぞれが600円のカップを注文したとしても1億2600万円。ショップの期間は1年のうち2カ月強だから、大阪店での展開を考慮に入れて、のべ10カ月から1年ほどの期間での売り上げと考えることができる。

ローソンとコラボした『瞬殺ティー』!?

 さらに、ショップ人気に連動して、フルーツインティーを提供する機会も広がっているそうだ。

 「昨年からローソンのMACHI cafeとコラボした商品を期間限定で販売しています。当初予定していた販売数が2日で売り切れて、『瞬殺ティー』などと呼ばれていました(笑)。今年の商品は定番のアールグレイに加えてグリーンティーです。やはりショップの味を手軽に楽しめるということが人気の理由となっているのではと分析しています。数字は公表していないのですが、ショップの展開が全体の売り上げに貢献していることは間違いありません」(中西氏)

 今年のショップ開催期間は9月6日までなので、残された時間は少なくなってきたが、もちろん、来年も展開される予定だ。

 「紅茶の可能性をもっと追求していきます。新しい楽しみ方は無限にあると考えています」(中西氏)

 また、リプトンでは日常の中でもっと気軽に紅茶を楽しんでほしいという意図から、常設のショップ「Lipton TEA STAND」も名古屋、博多の2カ所で展開している。8月1日より、もっと紅茶を楽しめるように、との意図でメニューを刷新。烏龍茶をベースにミルクと黒糖タピオカをアレンジした新メニューや、チーズ、トロピカルフルーツを使った商品も期間限定で発売している。当地に出かけた際に立ち寄ってみてはいかがだろうか。

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