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中国経済、当局者も嘆く「負債圧縮」の難しさ

The Wall Street Journal. のロゴ The Wall Street Journal. 2017/02/16 Lingling Wei

 中国内外のエコノミストはかなり前から、危険なほど高水準にある債務の圧縮がほとんど進んでいないと警鐘を鳴らしてきた。一部の当局者も今や同様の発言をしている。

 かつての中国工商銀行(ICBC)行長(頭取)で現在は中国銀行業監督管理委員会(CBRC)のアドバイザーを務めている楊凱生氏は、北京で開かれた中国エコノミスト50フォーラム(CE50)の年次会合で、「企業の借り入れ、特に国有企業の負債比率は引き続き高水準だ」と指摘した。CE50は、習近平国家主席の経済アドバイザーの劉鶴氏が発足させたもので、中国の政策立案者に代わって経済の調査・研究をしている。

 楊氏は、中央政府が債務削減を過去1年の経済政策の最優先課題としたにもかかわらず、中国全体の負債比率は低下するどころか上昇していると指摘した。特に、昨年7-9月期時点の国有事業会社の資産負債比率は前年同期の61.2%からやや上昇して61.5%になったことに言及し、「これは負債を圧縮する難しさを示している」と述べた。

 中国全体の借り入れは、2008年から09年にかけての世界金融危機以降の中国経済の成長率を上回るペースで伸びており、政策立案者や世界の投資家が懸念するほどの水準に達している。14日に発表された統計によると、1月の社会融資総量は過去最高の3兆7400億元(約62兆円)に達した。これは銀行融資とノンバンクによる融資を含み、中国経済における融資規模を幅広く測る指標。

 UBSグループの最近の調査によると、昨年末時点で非金融会社の負債総額は中国の国内総生産(GDP)の277%に相当する205兆元だった。277%の内訳は、企業による負債が約164%、政府債務が68%、家計による負債が45%。

 借り入れ増加が続いているのは、成長加速を借り入れに依存していることが背景にある。このことはモノや住宅の供給過剰を引き起こし、借り入れの急増につながっている。

 15日のCE50では、一部の政府顧問やエコノミストが、いわゆる「サプライサイド改革」の実施が実際は難しいと認めた。中国政府は、供給過剰、債務、住宅在庫を削減する計画をサプライサイド改革と呼んでいる。

 国務院(内閣に相当)の国家発展改革委員会(NDRC)関連シンクタンクのシニアエコノミストは、政策立案者が直面する問題の一つは「改革を実行するために安定したマクロ経済環境をどのように整えるか」ということだと述べた。

 ここ数年、NDRCなどの一部の研究者は中国人民銀行(中央銀行)に、中国企業による資金調達コストを軽減するために積極的な金融緩和策をとるよう促してきた。だが中銀は緩和策をとらず、資産バブルを抑え人民元を安定させるために、最近はやや引き締め気味のスタンスをみせている。

 楊氏はCE50で、規制当局に国有企業向けの具体的な負債比率を設定するよう提言し、企業の負債がこの比率以上に達した場合、政府が資本注入を検討すべきだと述べた。

 ただこの手法は、赤字続きのいわゆる「ゾンビ企業」ではなく、存続可能な企業だけに適用すべきだと指摘し、「こうすることで国有企業に改革を迫ることができる」との考えを示した。

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