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他者への評価は「伝染」する 新たな調査で明らかに

Forbes JAPAN のロゴ Forbes JAPAN 2019/09/11 21:00 Alice G. Walton

© atomixmedia,inc 提供 人から人へと伝染するものは病気だけではない。ノースウェスタン大学の研究者らによる新たな調査によると、気分や感情などに加え、他者へのポジティブ、あるいはネガティブな評価が人から人へと伝染する可能性が示された。

しかしさらに興味深いことに、人はある特定の人物に対する考え方を、その人物から何ら情報を得ることがないまま吸収できるようだ。さらに悪いことに、私たちは、その人に対する意見が自分自身のものだと確信している。

同調査では、問題提起として冒頭で次のように述べている。

「混んだ地下鉄に乗り込んだところ、乗客たちがある人物から距離を置いているように見えることに気づいた場面を想像してほしい。非言語的な振る舞いから、その人物に何か問題があることが示唆されている。しかしよく観察してみるとその人物は十分普通の人に見え、なぜ他の人がこの人を避けているのかについて説明が思い浮かばない。それにもかかわらず、他の乗客の非言語的な振る舞いにより、あなたは他の乗客と比べてこの人の周囲にいることに居心地の悪さを感じるようになるかもしれない」

この研究は、こうした情報伝達がどのようにして起きるか、また情報の受け手が、その状況に対する自分自身の意見をどのように形成するかを理解しようとしたものだ。これまでの調査では、こうした反応が人種など、主に事前に存在する先入観に基づいていることが分かっていた。しかし今回の調査では、こうした先入観が存在しない場合、人から人へと考え方が”伝染”するかどうかに焦点が当てられた。

実験の詳細

研究チームは、テレビ番組の『アリー・myラブ』から、主人公が他の登場人物に対しポジティブ、あるいはネガティブな反応をしている映像を選び、被験者に見せた。研究者らは人種の要素を一定に保っていた。また被験者らは主に大学生で構成され、ドラマ放映時非常に幼かったため同番組を見たことがなく、登場人物や俳優に対する先入観がない。

選ばれた映像の中で言葉は使用されず、俳優が他の人物(被験者が評価するよう指示された対象者)に関して伝えた情報は全て非言語的なものだった。研究者らはその後の追加実験で、俳優らの顔の表情をデジタルに編集し、2人以上の登場人物を使ったより明確な動画を作成した。また、評価対象となる人物の顔の表情も完全に中立的なものになるよう編集したため、対象者自身から情報を得ることはできない。

実験の結果、映像を見た被験者は評価の対象者に対し、俳優の反応と同じ意見を持つことが何度も示された。つまり、俳優らが評価対象人物に対してポジティブな反応を見せているとき、被験者らはその人物をより好ましい人物として評価した一方、俳優がネガティブな反応を見せたときには好ましくない人物として認識していた。

しかし、この研究の興味深い点は他にある。回答の基盤となったものが何かを尋ねられた被験者は、評価対象者の反応が自分の意見を決める要素になったと主に信じていたからだ。しかし、評価対象者の顔の表情は研究者らにより編集され。完全に中立的なものに変えられていたため、これはあり得ないことだ。被験者らは、俳優が表現した感情に基づいて自らの意見を形成していたはずだ。

研究の著者であるアリソン・スキナーは発表の中で「私たちは動画を編集し、ポジティブかネガティブかにかかわらず非言語的な合図を受ける対象者が全員同じ反応をするようにした。そのため異なるのは、対象者が受ける非言語的合図だけだ」と説明し、「それにもかかわらず、被験者の非常に多くが対象者に対する自分の意見を対象者の振る舞いと結びつけていた」と述べた。

スキナーはさらにこう述べている。

「これは、人々が日常生活でさらされている非言語的メッセージをどのように理解しているかに関して重要な意味を持つ。この研究結果からは、誰かがある特定の人物に対し他の人に対するよりも非友好的に振る舞う場面を見ることで、私たちはその原因が振る舞いを受けた本人にあると考えてしまうことが多いことを示唆している。つまり、相手があまり友好的に見えないため相手のことを好きになれないと私たちが信じているとき、実はその原因は、その人物にあまり親しく接していない他の人たちである場合がある」(スキナー)

同研究の主要な発見事項はそれほど意外なことでもない。私たちは自分の周囲の人から、周囲の世界に関する手掛かりを得るものだからだ。周囲の人が正しいというわずかな見込みに賭け、私たちはその意見を信用している。

しかしこの調査では、私たちがその情報は観察者ではなく対象物から来るものだと信じていて、情報源を大きく誤解していることが示されている。現在の米国や世界の状況を考えると、この間違いは特に危険かもしれない。この研究は、私たちが意見を形成するときに一度立ち止まらなければならないことを思い出させてくれる。他者の意見に頼る場合は特にそうだ。

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