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出張にビジネスクラス、企業が容認すべき理由

The Wall Street Journal. のロゴ The Wall Street Journal. 2018/10/12 08:22 Scott McCartney

 年に2、3回しか飛行機に乗らない経営幹部はエコノミークラスを利用し、出張の多い営業担当者やエンジニアはファーストクラスやビジネスクラスを使う――こんな社内規定を想像してほしい。

 一部の企業はこうした方向に動き始めている。出張による消耗が従業員の生産性を押し下げ、ひいては士気の低下や離職につながることを防ぐ狙いだ。

 これは昔からある問題だが、状況は悪化している。エコノミー席はますます窮屈になっているうえ、出張の多い会社員は増える一方の作業をこなすため、睡眠や家庭生活や仕事の満足度を犠牲にせざるを得ない。

 優秀な人材の需要が高い多くの業界では、出張による消耗を減らすことは長い目で見れば節約になり得る。従業員に辞められて後任を採用したり育てたりする費用のほうがずっと高くつく可能性もあるからだ。出張規定は人材獲得に影響する要素になった。今では求職者が報酬や医療保険や退職金制度と並んで出張規定を知りたがるケースも多い。

 従来の規定は報酬が最も多い層を最も厚遇している。幹部はプライベートジェットやファーストないしビジネスクラス、ハイヤーや高級ホテルを利用している。一方で残りの従業員はたいてい厳しい規則に縛られている。会社が指定する航空会社1社か2社のエコノミークラスしか利用できず、接続が悪くてもそれは変わらない。ホテル代には上限があり、ビジネスクラスに乗れるのは8時間以上のフライトに限られる。

 トリップアクションズやエクスペディア傘下のエジェンシアといった旅行予約サービス会社は、従業員によって異なる規則を盛り込んだ出張規定を策定するサービスを手掛けるようになった。

 企業の航空運賃支出を監査するトパーズ・インターナショナルは、顧客企業に代わって出張の多い従業員を特定し、企業にとっての価値を算定し、彼らの出張を楽にする出張規定を策定している。

a drawing of a cartoon character © Provided by The Wall Street Journal.

 トパーズのブラッドリー・サイツ会長によると、同社が監査を担当するある大手企業は、頻繁に出張する従業員が指定以外の航空会社のハブ都市に住んでいる場合に、指定を免除することを決めた。毎回乗り換え便を使う代わりに直行便を利用できるようにするためだ。例えば、ダラスに住む営業部門のある幹部は、以前はユナイテッドを使わなければならなかった。だが現在では、たとえ運賃がユナイテッドより高くてもアメリカンの直行便を利用できる。

 好況もあって企業は財布のひもを緩めている。この傾向は、景気が減速すれば急反転しかねない。だがエジェンシアによれば、最近はより多くの従業員にビジネスクラスの利用を認め始める顧客企業が増えている。同社の幹部によれば、一部の企業は長距離便での出張が年に10回を超える従業員にビジネスクラスの利用を認めている。

 会社員が出張で払う犠牲は大きい。11日発表の研究では、出張の多い会社員(過去12カ月の外泊が35泊以上)742人のうち、25%は時差ボケによる影響が多大ないし極度だと答えた。向こう2年間の出張が減ってほしいとの回答は半分近くに上った。

 この研究では、出張者が時間の80%をエコノミークラスで過ごしていることが分かった。航空会社の上級会員も多いようだ。しかし、彼らはもうあまり無料アップグレードを受けられない。以前よりもファーストクラスの席が売れている上、業界再編で上級会員の人数が増え、その中のごく一部だけしかアップグレードを受けられなくなったからだ。

 出張の多い会社員たちによると、消耗を減らす上で最も重要なのは、6時間以上のフライトではビジネスクラスを予約することと、出張に割く個人の時間を減らすことの2つだ。

 「睡眠はそうした人々にとって本当に重要な問題だ」とARCの分析部門を率いるスコット・ガレスピー氏は述べた。

 同氏によれば、英製薬大手アストラゼネカなどは対策として、出張者が出席する会議を午後に行っている。前夜ではなく、通常の勤務時間である午前の飛行機に乗れるかもしれないためだ。

 ドロップボックス、リフト、サーベイモンキーなど中小企業を中心に顧客企業1000社を擁するというトリップアクションズは、顧客企業に代わってさまざまな従業員に合った出張規定をカスタマイズする。頻繁に出張する従業員を特定し、好きなフライトや航空会社やホテルを割り出している。

 「飛行機に乗るのが月に1度ならエコノミー、毎週ならビジネスクラスにするべきだ」。同社のアリエル・コーエンCEOはこう話している。

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