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小林製薬の意外なヒット商品「鼻呼吸テープ」が後発でも売れた理由

ダイヤモンド・オンライン のロゴ ダイヤモンド・オンライン 5日前 週刊ダイヤモンド編集部
小林製薬の意外なヒット商品「鼻呼吸テープ」が後発でも売れた理由: Photo by Masataka Tsuchimoto © diamond Photo by Masataka Tsuchimoto

「あったらいいなをカタチにする」がブランドスローガンの小林製薬。タンク式水洗トイレ用芳香洗浄剤「ブルーレット」、洗眼薬「アイボン」、額用冷却シート「熱さまシート」など、これまでなかった発想を形にして市場を創造し、ヒットを重ねてきた。業績は純利益で19期連続過去最高益とまさにうなぎ上りだ。

 ブルーオーシャンばかりに挑むことをイメージさせる、そんなブランドスローガンからすれば「?」ではあるが、今年もある製品がヒットした。4月発売の衛生雑貨品「ナイトミン」(15枚入り、オープン価格798円)だ。製品名から容易にそれが何かを連想できるのが小林製薬の“十八番”。ナイトミンは「ナイト(夜)」+「ミン(眠)」。いわゆる安眠グッズ(鼻呼吸テープ)である。

 小林製薬の年間売り上げ目標であった2億円(出荷ベース)を、早くも半年で達成した。店頭売り上げベースで約27万個をさばき、「久々にヒットリリースを出せた」と小林製薬広報もホクホク顔だ。

 安眠の仕組みはすごくシンプル。医療用素材で作られたナイトミンを就寝前に口に貼ることで物理的に口呼吸から鼻呼吸へ誘導。舌の落ち込みを抑えることでいびき音を軽減し、口、のどの渇きも低下させ、その結果睡眠の質が上がるという。

 単純明快ゆえに、この鼻呼吸テープは既に他社から複数の先行品が出ていた。三晴社の「ネルネル」などがそうだ。今年1月の新商品発表会でも小林製薬幹部は正直に、「先行品があり参考にさせていただいている」と説明したが、「じゃあ『あったらいいなをカタチにする』とは違うじゃん」と心の中でツッコミを入れたのは記者だけではないだろう。

 だが小林製薬にはヒットへの確たる自信があった。睡眠に何らかの課題を感じている人は約7割もいる(2015年厚生労働省「国民健康・栄養調査」)にもかかわらず、先行品群の認知率があまりにも低かったのだ。

 小林製薬が調べたところ、先行品群の世間認知度はわずか約3%。さらに市場規模を測ろうとしても、あまりにもニッチ過ぎるためか、鼻呼吸テープの市場調査をしている調査会社が無かったという。

 そこで新しい市場を創造するわけではないが、「未成熟の市場に挑む」と小林製薬は動いたわけだ。挑むとなれば、インバウンドで波に乗る会社。宣伝広告費を重点的に充て、「雑貨品では珍しい」(マーケティング部)という新聞広告も打つ、力の入れよう。知名度は一気に先行品群を抜き去ったに違いない。

 あったらいいなも、売れたらいいなもカタチにする。ニッチ市場にどんな形であれ挑む貪欲さが小林製薬の強さの秘密のようだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)

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