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揺らぐ下期業績回復、でも株価は売られ過ぎ-悲観の中で買い模索

Bloomberg のロゴ Bloomberg 2019/08/14 13:13 長谷川敏郎、Min Jeong Lee

(ブルームバーグ): 日本企業の第1四半期(4-6月)決算をきっかけに株式相場は大きく下げなかった半面、悪材料出尽くしとも受け取られずに発表シーズンを終えた。日本株市場では米国と中国との貿易摩擦や為替相場をにらみながら、業績回復の時期と株価水準とが天秤にかけられている。

  大和証券の調べによると、東証1部企業の第2四半期(7-9月)業績は一段と減益幅が拡大する見通しだ。連続性があり上期・通期計画を発表している企業のうち、一時要因が大きく作用したと判断されるソフトバンクグループと東京電力ホールディングスを除いた1203社(8日時点)の第1四半期経常利益は前年同期比10.9%減。計算上は第2四半期が13.7%減となる。下期は12.5%増の計画。

  富国生命投資顧問の奥本郷司社長は「決算は予想通り良くなかった。問題は今後だ」とした上で、「米中通商問題は想定していなかったフェーズに入り、下期回復の軌道に戻ると思っていた企業業績の不確実性が高まっている。厳しい見方をせざるを得ない」と語る。

  TOPIXは13日に昨年末終値を割り込み、年初来パフォーマンスが0.5%の下落に転じた。先進24カ国・地域の中で最下位を香港ハンセン指数と競っている。米中通商摩擦や中国経済の減速から業績悪化懸念が根強い中、8月に入ってトランプ米大統領が制裁関税の対象となっていない中国製品3000億ドル相当に9月1日から10%の関税を課すと発表して以降、株価の調整圧力が強まっている。米国は13日、一部品目の追加関税発動を12月に延期すると発表したが、上値は重い。

  バンクオブアメリカ・メリルリンチの投資家調査によると、グローバルファンドマネジャーの日本株への配分(「オーバーウエート」の回答比率から「アンダーウエート」を引いた差数)は8月にマイナス9%と、7月(マイナス4%)から低下して2012年12月以来の低水準となった。

  企業業績を読む上で厳しくなっているのが為替の円高だ。米金利が低下してドル・円相場は1ドル=105円台前半まで円が上昇した。東京海上アセットマネジメントの橋爪幸治シニアファンドマネジャーは「年度当初の1ドル=110円程度に対して105-106円で推移するようになれば、8月中旬から下旬にかけてアナリスト予想の下方修正が出てくるだろう。株価はさらに下落しかねない」とみる。

  これに対して3カ月程度のスタンスでは「株価は想定しているレンジの下限に近い」とみるのはBNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの王子田賢史日本株式運用部長。「昨年第3四半期から業績が悪化していることを考えると、ことしは第3四半期から前年比較のハードルが楽になってくる。業績は大底を通過中」と指摘する。

    

  株価低迷が長期化した結果、グローバル比較でのバリュエーションは割安感が強まっている。企業業績に左右されやすい株価収益率(PER)だけでなく、赤字が想定されていない現状でのTOPIXの株価純資産倍率(PBR)は1.1倍と、米S&P500種株価指数の3.3倍、独DAXの1.5倍と比べて低水準だ。

  ジェフリーズ証券は12日、日本株はボラティリティーの最悪の状況を乗り越えたとし、8月の急落後に回復するはずだとして投資判断を「適度に強気」に引き上げた。

1倍に接近 © Bloomberg 1倍に接近

  中国の経済指標がやや底堅くなってきたことも株価を後押しする。7月の製造業購買担当者指数(PMI)が市場予想を上回り、輸出はドルベースで予想外に増加した。LGTキャピタル・パートナーズの熊田幹夫グローバルストラテジスト(香港在勤)は「日本経済がリンクしている中国経済は底を打った。貿易戦争の影響は一般的に誇張されており、マクロデータにはそれほど影響しない」と指摘。「日本株は少なくても他の市場にキャッチアップする程度のパフォーマンスは期待できる。下がったら買うべき価値はある」とみる。

(4段落に対中関税情報、5段落に投資家調査を追記しました.)

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net;東京 Min Jeong Lee mlee754@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:今田素直 simada4@bloomberg.net, 浅井真樹子

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