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新「冷戦」、米中間で勃発の瀬戸際-米市場の日本企業にも影響必至

Bloomberg のロゴBloomberg 2018/11/12 13:02 Shawn Donnan、Kevin Hamlin

(ブルームバーグ): 新しい「冷戦」が米国と中国の間で勃発する瀬戸際にある。ポールソン元米財務長官は世界の2大経済大国が戦略的な相違を解決できなければ、「経済的な鉄のカーテン」が下ろされるとして警鐘を鳴らしている。

Trading Places © Bloomberg Trading Places

  シンガポールで先週開催された「ブルームバーグ・ニューエコノミー・フォーラム」で講演したポールソン氏は、貿易や投資での米中対立が結果としてもたらすのは「世界経済が変化する瞬間」であり、「国を越えたサプライチェーンに対する前例のない政治的圧力」だと指摘した。

  ブッシュ(子)政権時代に財務長官を務めたポールソン氏は「投資と貿易の自由な流れから世界経済の大きな部分が最終的に締め出されることを恐れている。それが今、双方に新たな壁を築きグローバル経済を損ねる経済的な鉄のカーテン出現の可能性を私がみる理由だ」と述べた。

Charging Ahead © Bloomberg Charging Ahead

  問題の複雑さは生産や材料供給で中国が支配的な立場にあるリチウムイオン電池などの分野で浮き彫りとなる。三菱ケミカルは米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表への9月の書簡で、ヘキサフルオロリン酸リチウム輸入に提案通りの関税を課せば、テネシー州シェルビー郡にある電解液工場が機能しなくなると警告。同社幹部は「中国以外には、実行可能な仕入れ先が現在ない」と語った。

  トランプ政権の高関税が及ぼす影響は二次電池の関連企業にとどまらない。鎮痛剤「オピオイド」乱用が深刻な社会問題化している米国で、経皮的電気神経刺激(TENS)で鎮痛効果をもたらす機器を販売するオムロンもそうだ。同機器は中国で生産され、9月時点で米国から関税10%賦課の対象となったが、来年1月には関税率が25%に引き上げられる予定だ。

  

  オムロンの米ヘルスケア部門で最高経営責任者(CEO)を務めるランディ・ケロッグ氏によると、中国からの生産移転は経済的に割に合わない。米国で昨年売ったTENS機器は1000万-1200万ドル(約11億4000万-13億6800万円)相当で、世界全体での販売の1割にすぎなかったためだ。

Coming to America © Bloomberg Coming to America

  生産を四半世紀続けている中国から米国に工場を移すには数年を要する上に、当局による厳しい認可プロセスを経なければならず、現実的な選択肢ではない。また、TENS機器の小売りを手掛けるウォルグリーンやウォルマートも値上げにつながる構想には否定的だ。

  けがや日々の仕事で痛みに苦しむブルーカラー労働者の間で、オピオイドの代替療法として認知されつつあるTENS機器の事業拡大を見込んでいたオムロンにとって、米国の関税措置は皮肉だ。ケロッグ氏は「これは人々を助ける製品だ」とし、「金持ちのためではない。毎日出勤し、重い物を持ち上げ背中を痛めてしまう人々のための製品だ」と述べた。

原題:Trump’s China Cold War Yields Hard Look at Global Supply Chains(抜粋)

--取材協力:Alexandre Tanzi、Jordan Yadoo.

記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Shawn Donnan sdonnan@bloomberg.net;北京 Kevin Hamlin khamlin@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Malcolm Scott mscott23@bloomberg.net, Simon Kennedy

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