古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

新興国危機ドミノ、次に倒れるのはインドネシアか

The Wall Street Journal. のロゴ The Wall Street Journal. 2018/09/12 07:36 Nathaniel Taplin

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 ターキッシュディライト(トルコの伝統菓子)やアルゼンチン産ビーフを満喫してきた投資家は今年、突然厳しい現実を突きつけられた。両国は新興国通貨の急落を招いている危機の中心にある。

a group of people in a boat on a body of water © Provided by The Wall Street Journal.

 アジアでは、ある国が話題に上がっている。インドネシアだ。同国は貿易赤字が膨らんでおり、多額の対外債務も抱える。消費抑制に向けた利上げから輸入税引き上げまで、インドネシアは理論上、市場の不安払しょくに向け、今夏あらゆる措置を講じた。

 だが、投資家はまだ安心していない。インドネシアルピアは年初来、対ドルで10%下落し、1990年代終盤に起こったアジア通貨危機以来の水準に戻った。その一因は危機の伝染だろう。だが、指標となるインドネシア国債利回りが約8%と魅力的な水準にあるにもかかわらず、安値拾いの買いは控えるべき具体的な理由がある。

 インドネシアは表面上、アルゼンチンよりも健全に見える。昨年末時点の公的債務の対国内総生産(GDP)比は29%と、多くの先進国の水準を大幅に下回る。インドネシアはまた、海外債権者への返済に充てられるだけの十分な稼ぎを輸出から得ている。ノムラの分析によると、短期対外債務は7月までの1年の輸出額の27%相当にとどまる。これに対し、アルゼンチンは141%、トルコは76%の水準だ。

 だが、主要データは実態を正確に反映しきれていない。インドネシアは中国と同様、財務状況があまり芳しくない国有企業に投資を大きく依存する。ナティクシスのエコノミスト、トリン・グェン、ゲリー・ング両氏によると、国有インフラ最大手の2017年終盤までの利払い・税・償却前利益(EBITDA)合計は、利払いの4倍未満の水準にとどまる。同セクターの世界の中央値は8倍だ。

 インドネシアはまた、石炭の主要輸出国であり、石油は純輸入国であるため、さらに脆弱だと言えそうだ。石炭輸出は中国経済の減速の影響を受けやすい。インドネシア産低品位炭の価格は6月以降、急落している。半面、石油価格は高止まりしている。インドネシアの7月の貿易赤字は、コストの高い輸入エネルギーが響き、2013年以来の水準に拡大した。

 インドネシアはトルコやアルゼンチンとは違うが、投資家が懸念すべきなのは当然だ。債券利回りは魅力的な水準だが、新興国市場全体が水に覆われる中で、インドネシアの石炭鉱山を探検するのは危険な賭けと言えそうだ。

More from The Wall Street Journal

The Wall Street Journal.
The Wall Street Journal.
image beaconimage beaconimage beacon