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日本郵政の買収戦略はどう変わるか?

プレジデントオンライン のロゴ プレジデントオンライン 2017/08/13 山下 守
日本郵政の買収戦略はどう変わるか?: 日本郵政社長 長門 正貢氏(時事通信フォト=写真) © PRESIDENT 日本郵政社長 長門 正貢氏(時事通信フォト=写真)

「買収価格が高かったかもしれない」。日本郵政の長門正貢社長は5月の会見で、子会社化から2年で約4000億円の特別損失計上に追い込まれた豪州物流会社トール・ホールディングス買収失敗について、反省の弁を述べた。経営環境は厳しい。収益の大半を稼ぐ傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命は低金利の長期化で資金運用難に直面。はがき需要が減り続けている日本郵便も低収益にあえぐ。トール買収は前社長の西室泰三氏(東芝元会長)が主導。2015年11月に日本郵政の上場を控え「成長性を大きく見せようという気持ちがあった」(長門氏)ことが裏目に出た。日本郵政は17年3月期連結決算で連結純損益が赤字転落。07年の民営化以来、初である。

長門氏は日本興業銀行出身で、富士重工業に転じ北米事業の拡大に副社長として貢献。その後、マネーロンダリング対策の不備など不祥事に揺れたシティバンク銀行の会長となり、コンプライアンス体制の立て直しに尽力した。長門氏は15年にゆうちょ銀行の社長に就いたが、体調を崩した西室前社長に代わって昨年4月に日本郵政のトップとなった。

今年5月に表面化した野村不動産ホールディングスの買収交渉は、価格などの条件が折り合わず白紙となる見通しとなった。野村買収についてはトールの失敗直後でもあり、「また高値づかみになりそう」(大手証券)といった厳しい見方が大勢で、社内にも懐疑的な意見が多かった。戦略の見直しを迫られる長門氏の次の一手に注目が集まりそうだ。

日本郵政社長 長門正貢(ながと・まさつぐ)

1948年生まれ。一橋大学卒。72年日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。シティバンク銀行会長、ゆうちょ銀行社長などを経て2016年4月より現職。(写真=時事通信フォト)

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