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日本銀行が投信の家計保有残高を30兆円以上も下方修正した理由

ダイヤモンド・オンライン のロゴ ダイヤモンド・オンライン 2018/11/09 06:00 週刊ダイヤモンド編集部,竹田幸平
日本銀行が投信の家計保有残高を30兆円以上も下方修正した理由: Photo by Kazutoshi Sumitomo © 画像提供元 Photo by Kazutoshi Sumitomo

「貯蓄から投資へ」の動きが今なお鈍い中、投資信託協会の岩崎俊博会長に、投信市場をめぐる現状や投資普及への考えを聞いた。

──日本銀行の資金循環統計で6月下旬、投資信託の家計保有残高が30兆円以上も下方修正されましたが、どう受け止めていますか。

 率直に言って驚きました。夏場に10社以上の運用会社トップと会ってこの件について話しましたが、それぞれ残念だとか、ショックだといった反応が聞かれました。

 一方、各社が運用残高の推移を再検証するとあまり増えていなかった面もあり、自分たちも今後きちんと取り組んでいかないといけないとの声も耳にしました。

 公募投信の純資産総額について、日銀が(資産購入策の一環で)大量に保有しているETF(上場投資信託)を除いて考えると、大半は家計が保有していると類推されます。そして資産残高の推移を見てみると、2014年以降は60兆円台半ばをほとんど横ばいで推移しています。

 それでも設定額と解約額の差で見れば流入超には違いありませんが、さらに毎月分配型投信などの分配金を除くと、資金の流出入はトントンの状況です。その意味では、あらためて分析すると日銀統計の修正データが実態に近かったのかなという印象があります。

──公募投信が伸び悩む一方で、私募投信の残高が急増している背景をどのように捉えていますか。

 確かに私募投信の資産規模はリーマンショック以降、急拡大しています。これは地域金融機関を含む機関投資家が増えた結果だと聞いています。その際、リスクがどこに偏在しているかは私募投信の場合、分かりづらいのも事実です。

 今後、私募投信についてもっと中身を分析した方が有効だろうという会員の声があれば、方法を変えていきたいと考えています。この点は議論を始めたところです。

──いまだ鈍い「貯蓄から投資へ」の動きはどのように促していくべきだと考えているでしょうか。

 マクロ的な説明になりますが、公助か自助かという視点で考えると、例えば今まで国が充実させてきた公的年金は今後、人口減少下で所得代替率(実質的な支給水準)が落ちていくのは間違いないでしょう。従来のように公助だけでは対応し切れなくなります。

 すると自助が大事になるわけで、つみたてNISAや確定拠出年金などが重要になってきます。

 米国では確定拠出年金の導入で投信の活用が大きく伸びました。よく米国がすごいといわれますが、実はオーストラリアもこの30年で個人金融資産が10倍に増えました。これは義務的に加入する確定拠出年金制度を取り入れ、自助の仕組みをうまく整えたことが寄与した結果なのです。日本でも自助部分の運用拡充こそが必要だと考えています。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田幸平)

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