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日経平均株価を詳しく知る ダウ・ジョーンズ社との関係、「225」の意味

ZUU Online のロゴ ZUU Online 2018/08/11 13:30

「日経平均株価」は非常にポピュラーな指数だが、そう呼ばれるようになった経緯や算出の歴史を知れば、特徴をより把握することができるだろう。また米国ダウ・ジョーンズ社との関係や、かつて「日経ダウ」と呼ばれた背景などにも触れ、“225”という銘柄数の意味についても考察する。

■「日経平均株価」とは

「日経平均株価」は、日本経済新聞社が東京証券取引所の第1部上場銘柄の中から225銘柄を選定し、この225銘柄の株価を使って算出する平均株価型の指数である。一般には、単純に「日経平均」や「平均株価」との通称で表記されることも多い。英語圏では「Nikkei 225」と呼ばれ、海外でも広く用いられている指数だ。

「日経平均株価」の算出は、1950年9月7日に開始された。だが、起点は過去に遡って1949円5月16日の176円21銭から計算されている。なお、最高値はバブル経済時の1989年12月末の3万8,915円である。昨今は、2万2,000円前後で推移している。(本稿執筆2018年8月時点)60年以上にわたって利用されている日本を代表する株価指数であり、日本の経済成長や景気動向を知るバロメーターとなっている。

■当初は「日経平均株価」と呼ばれていなかった

1950年に算出が開始された「日経平均株価」だが、当初から「日経平均株価」と呼ばれていたわけではない。また、日本経済新聞社が算出していたわけでもなかった。当時は、東京証券取引所が算出しており、名称も「東証修正平均株価」として公表されていた。その後、1970年に日本経済新聞社グループが算出を引き継いで現在に至る。

「東証修正平均株価」の算出を手放した東京証券取引所は、当時、別の指数の算出を開始している。「日経平均株価」と同じく日本を代表する株式指数である「東証株価指数(TOPIX)」で、1969年7月1日から算出が始まった。このような背景で、「東証修正平均株価」の算出は日本経済新聞社グループが行うこととなった。

■ダウ・ジョーンズ社との関係

現在多くの株価指数は、「東証株価指数(TOPIX)」のように市場の時価総額を基準に算出する「時価総額型」と、米国のダウ・ジョーンズ社が考案した「ダウ式平均」によって算出されるものに二分される。「日経平均株価」は、後者の「ダウ式平均」により算出される株価指数である。

採用銘柄の株価を合計し、それを銘柄数で割れば単純平均が算出できるが、「ダウ式平均」では分母に単純な銘柄数を用いない。なぜなら、構成銘柄の入れ替えや株式分割・併合などが発生した場合は、単純に銘柄数で割ってしまうと指数としての連続性が維持できないからだ。そのため、分母である除数を修正して指数としての連続性が保たれるようにしている。これが「ダウ式平均」の特徴である。つまり現在の「日経平均株価」の構成銘柄は225銘柄だが、分母は225ではないということだ。

「日経平均株価」とダウ・ジョーンズ社との関係は、指数計算に「ダウ式平均」を用いていることだけではない。過去、日本経済新聞社はダウ・ジョーンズ社の許可を得て、「日経ダウ平均株価」の名称で平均株価を算出し公表していた。そのため、1975年5月以降、公式に「日経平均株価」は「日経ダウ平均株価」と呼ばれていた時代があった。また、当時の一部の報道では、「東証ダウ平均株価」の名称も利用されていた。「日経ダウ」や「東証ダウ」とも呼ばれており、どちらも名称に“ダウ”が含まれていた。

「日経平均株価」は60年を超える歴史がある日本の株価指数であるが、その算出の主体も呼称も変遷してきた。若い投資家にとっては30数年前まで“ダウ”が含まれる呼称であったことは意外かもしれない。なお、1985年5月に日本経済新聞社はダウ・ジョーンズ社から指数算出の権利を買い取った。それと同時に“ダウ”が含まれる呼称は終了し、現在と同様「日経平均株価」と呼ばれることとなった。

■「ダウ平均株価」との違い

(画像=PIXTA) © 日経平均,日経225,TOPIX,ダウ,東証株価指数 (画像=PIXTA)

「日経平均株価」と同じく「ダウ式平均」を用いる指数として、「ダウ平均株価(ダウ工業株30種平均株価)」がある。100年以上の歴史がある米国の株価指数として有名だ。現在は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社がこの「ダウ平均株価」を算出している。「日経平均株価」を「ダウ平均株価」はどちらも「ダウ式平均」を用い以下の式で算出される指数であり、分母である除数を調整している点で共通している。しかし、細かな点を見ると「ダウ平均株価」と「日経平均株価」は異なるところも多く、日本市場の特徴に合わせて変化してきた部分もある。

平均株価 = 構成銘柄株価の単純合計 ÷ 除数

「ダウ平均株価」の算出では構成銘柄の株価を単純に合計していくが、「日経平均株価」の算出では「みなし額面」を用いて修正株価を計算した後に合計していく手法が用いられる。

これは、かつて日本の株式には額面制度があり、企業は株券を発行する際、額面金額で発行していたことが関係している。額面金額は、50円、500円、5万円など銘柄により異なり、この額面水準をベースに株価が形成されてきた。例えば、1株単位で取引される株価5万円の株式と1,000株単位で取引される株価50円の株式では、株価水準があまりにもかけ離れており、5万円の株価の銘柄の影響度が大き過ぎるため指数計算に適さない。そのため、すべての構成銘柄の株価を50円の額面水準に修正して揃え、その修正株価を合計して除数で割ることになっている。

2001年の商法改正により、額面制度は廃止されることとなった。だが、現在でも「日経平均株価」の構成銘柄には銘柄ごとに旧来の額面制度を引き継いだ「みなし額面」が設定されている。この「みなし額面」を用いて、株価を旧50円額面の株価水準に換算しているのだ。このように、「日経平均株価」は「ダウ式平均」を用いる指数ではあるが、分子の計算は構成銘柄の株価の単純合計ではなく、「みなし額面」で株価水準を揃えた修正株価の合計を用いる点が「ダウ平均株価」と異なる。

構成銘柄の株式分割・併合などがある場合、指数への連続性を確保するために分母である除数を調整するのは「ダウ式平均」の特徴であるが、現在の「日経平均株価」の算出方法では、除数の変更が行われないこともある。2005年6月以降、「日経平均株価」の算出上、大型の株式分割や併合に対しては除数の修正を行わず、みなし額面を修正することで連続性を維持させるようにしている。このように除数修正の手法も現在は「ダウ平均株価」と異なる。

加えて、銘柄数も大幅に異なる。「日経平均株価」は225銘柄で算出されるのに対し、「ダウ平均株価」は30銘柄の平均である。構成銘柄が少ないため、「日経平均株価」より「ダウ平均株価」は個別銘柄の影響を受けやすい。なお、正式には「ダウ工業株30種(Dow Jones Industrial Average)」と呼ばれ、“工業(Industrial)”の言葉が含まれるが、工業以外の会社も多く含まれている。金融のVISAやゴールドマン・サックス、外食産業のマクドナルドなどが含まれている。

■算出間隔の歴史

「日経平均株価」の歴史を振り返ったが、算出される間隔も歴史と共に変化してきた。初期は終値のみが算出されていた「日経平均株価」であるが、1985年3月25日以降からは1分単位で算出されるようになった。2010 年 1 月 4 日からはさらに算出間隔が短くなり15 秒間隔に、そして2017年7月18日以降は5秒ごとにリアルタイムに算出されている。一日の終わりだけではなく、東京証券取引所で株式が立会取引されている時間帯は5秒間隔で算出されるため、取引中も相場全体を把握する指標として利用できるようになった。

■“225”の意味は?

上述の通り、「日経平均株価」は選定された225銘柄の株価により算出されている。だが、この“225”という数字には特別な意味は無いようだ。60年以上も前に算出が開始されたため、当時の詳しい経緯は不明となっている。だが日本経済新聞社の見解では、225という銘柄数に特別意味はなく、指標性を保つために売買高の多い銘柄を全業種からバランス良く選んだところ、結果的にこの225という銘柄数になったという。とはいえ、「日経225」「Nikkei 225」のように“225”が含まれる通称で呼ばれることも多く、「225 銘柄からなる株価指数」というコンセプトは今後も継承されていくだろう。

「日経平均株価」は「225銘柄からなる株価指数」であるため、可能な限り225銘柄で算出される。しかし面白いことに、場合により225銘柄に満たない銘柄数で算出されることもある。例えば、採用銘柄が倒産等で監理銘柄入りして当該銘柄の除外を直ちに行ったが、新銘柄の補充に数日間を要する場合などである。実際に、このようなケースで一時的に224や223という銘柄数で「日経平均株価」が算出された例もある。(潮見孝幸、金融ライター)

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