古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

社内に居座っている総務は企業にとってリスクでしかない

ダイヤモンド・オンライン のロゴ ダイヤモンド・オンライン 2017/05/18 豊田健一

「VUCA時代」に問われる総務の奥行

 前回、今は何が起こるか分からない「VUCA時代」と記した。総務は、何が飛んでくるか分からない、その球を受け止め対処しなければならない。未知との遭遇が日常茶飯事の時代となっている。その準備をどうしたら良いのだろうか? 何がくるか分からない球を打ち返す準備とは?

 何が来るか分からない中で、総務自身で準備できることは限られてくる。人数も限界があり、目の前の仕事もある。何より、これからくる未知との遭遇に対処しようにも、その方向感すら分からない。出たとこ勝負の感がぬぐえない。「VUCA時代」に問われる、総務の対応力の奥深さをどう担保するのか。

 そこで問われるのが、外部ブレーンの拡充度合いである。サプライヤー、ベンダー、専門家、士業、等々。その道のプロフェッショナルと、どれだけネットワークがあるかが問われてくる。ここではそれらを総称してビジネス・パートナー(以下、BPと記す)として、その関係性について記していく。

「Know How」から「Know Who」の時代へ

 先に記した未知との遭遇。この対処の仕方はBPの活用で対応するのだ。総務自身でなにもかも知識を得ようとするのではなく(Know How)、知っている人を知っておくのである(Know Who)。この分野であれは、A社、この分野であればBさん。困った時にすぐに助けを呼ぶ相手をネットワークしておく。

 BPはプロである。時代の変化に合わせて自らを進化させているはず。そのBPの進化を活用するのだ。逆に言えば、プロであるBPを見つけておかなければならない。そして、良好な関係性を保持しておかないといけない。「Know Who」の時代、このWhoの見つけ方、見分け方、関係性の構築の仕方が重要となる。

 まずは見つけ方。これは積極的に外部に出る、営業を受ける、紹介を受けることである。外部に出るとは、展示会やフェアに参加することである。新しいサービスや商材、仕組は、Webで自ら探すことは難しい。関係するキーワードがそもそも頭にないからである。外部での出会いで発見するのである。

 営業も時間があるのであれば、積極的に受けた方がいい。私も総務時代、飛び込みの営業には時間があれば会い、その会社で販売できる全商材について聞きだしていた。どこで活用できるか分からないので、自分の引き出しを増やすために積極的に情報収集したものだ。

 あるいは、知り合いの他社の総務の人に紹介を受けるとか、逆に紹介してあげるとか。「Know Who」の相手には、BPのみならず、他社の総務担当者も含まれる。自分にとっては未知との遭遇であっても、その人にとっては、経験済みというケースもあるだろう。

情報だけでなく、ナレッジを持っているか

 次は、自らの引き出しに入れておくBPであるかの見分け方である。BPであり、それで飯を食べているくらいなら、情報や知識は豊富に持っているのは当たり前である。総務として欲しいのは、それもさることながら、事例や、その事例から導き出されたナレッジである。

 結局総務としては、「どうすればいいか」という点が重要になる。考え方は理解しても実行できないと、砂上の楼閣である。実際に課題が生じて、それに対処しなければならないのが総務であり、実行するのに必要なナレッジが欲しい。

 事例だけでは、同じ環境でないと通用しない場合もあるし、企業文化が異なれば方策が異なる場合もある。個々の企業事例から導きだされた、汎用性のあるナレッジが欲しい。考え方であり、運用のポイント、KPIの張り方。実事例に基づいたナレッジを持っているがどうか、語れるかどうかが見極めのポイントである。

 BPと対話する際に、自社に置き換えた場合、どうなるのか、どうしたら良いのか、BPが自社を理解して話をしてくれるかがポイントである。一方的な情報の提供、事例の紹介だけでは、引き出しに入れる必要はない。当社にとってどうなのか、どうしたら良いかを語ることのできるBPを見つけることだ。

BPをリスペクトし、関係性を深める

 優秀なBPを見つけても、そっぽを向かれては意味が無い。良好な関係を構築し、困った時にすぐに助けてもらわなければならない。BPも人間である。金を払っているのだから言うコトを聞け、業者扱いされては、言われたことだけ対応して、それ以上のことは提供してくれない。

 BPをプロとしてリスペクトし、まさしくパートナーとして遇する。また、自社への提案をして欲しいなら、自社の情報も提供し、自社の状況に適したナレッジを提供してもらう。情報のギブ&テイクがベースとして必要となる。一方的な情報収集では、一般論の情報しか入手できない。

 自社の情報、状況を提供しておけば、それに合致した情報を提供してもらえるし、何か変かがあったときに、BPから先にアラームを鳴らしてくれるかもしれない。転ばぬ先の杖としてBPが活躍してくれるかもしれない。

総務は外へ出よ

 何が起こるか分からないから、総務には自席に居て欲しい、そんな経営者がいる。経営者にとっては安心かもしれないが。そんな内向きの総務では「VUCA時代」は生き残れない。当然、対応すべき問題があれば、社内で仕事はする必要があるが、何もなければ積極的に外に行くことを推奨すべきだ。

 外に出て、外部のベストプラクティスを収集してくる、変化を察知してくる、そのような行動を推奨すべきだ。変化がきてから対応するのではなく、変化の前に対応しておく。変化を変化としないために事前に動く。そのためにも、外に出てBPと会い、情報収集をしてくる。

 これからの時代、総務が社内に居座ることが、逆に企業のリスクとなるのではないだろうか。

【戦略総務になるために必要な10ヵ条】(1)現場に精通(2016.9.15公開)(2)小さな工夫を即アクション(2016.10.6公開)(3)良好な人間関係、信頼関係の構築(2016.11.14公開)(4)コミュニケーションのハブ機能(2016.12.7公開)(5)ゼロベース思考、引き算思考(2017.1.19公開)(6)社会の動向に敏感になる(2017.2.15公開)(7)モノよりコトで発想する(2017.3.10公開)(8)専門性を高める(2017.4.19公開)(9)外部ネットワークの充実(10)当事者意識を持つ

ダイヤモンド・オンラインの関連リンク

ダイヤモンド・オンライン
ダイヤモンド・オンライン
image beaconimage beaconimage beacon