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米国の新卒者にとって最高の企業 首位はアドビ、2位に任天堂

Forbes JAPAN のロゴ Forbes JAPAN 2018/09/19 07:00 Vicky Valet

© atomixmedia,inc 提供 米国の新卒者たちは近年、柔軟な勤務体系やキャリア開発の機会などを、給与額やブランド知名度と同様に重視するようになっており、各企業の間では優秀な学生の獲得競争がかつてないほど激化している。そうした競争の中で、大学新卒者の就職先として特に際立っている企業がいくつかある。

フォーブス誌はそうした企業を特定すべく、市場調査会社スタティスタと共に、初の「新卒者にとって最高の就職先」ランキングを作成した。スタティスタは、従業員数1000人以上の企業で働く社会人年数10年未満の米国人1万人にアンケート調査を実施。対象者が自由に意見を述べられるよう、調査は匿名で行われた。

回答者は、勤務条件、給与、他人に勧められる職場か否か、などの基準を基に、自分の勤務先を採点した上で、自分とは異なる業界の組織も推薦。ランキングには最も推薦の多かった250社が選出された。上位10社は以下の通り。

1位 アドビ・システムズ

2位 任天堂

3位 エーオン

4位 海軍連邦信用組合

5位 USAA

6位 グーグル

7位 ミシュラン・グループ

8位 アスペン・スキーイング・カンパニー

9位 プロビデンス・ヘルス・アンド・サービシズ

10位 ジェットブルー航空

その社風でよく知られるグーグルや、フォーブスの「米国で最高の雇用主」ランキングで一位となったミシュランなど、新卒者の間での人気が予想される企業の順位は確かに高かったが、トップに輝いたのはソフトウエア企業のアドビ・システムズだった。

カリフォルニア州サンノゼに本社を置く同社は、自社の成功の理由を、現代の新卒者の欲求や要求を理解しているからだとみている。アドビのドナ・モリス上級副社長(顧客体験・人事担当)は次のように語る。

「大事なのは、学習や、新しいものに身をさらすこと、そして、自分より大きなものの一部になる機会。キャリアが駆け出しの人にとって、成長とキャリア向上の道があると分かるのは、とても重要なことだ」

アドビは、フルタイム社員になる前のインターンシップの時点から人材のキャリア構築を開始する。インターンシップは1万5706人が働く同社にとって重要な人材供給経路で、昨年夏だけでも約800人が参加した。

アドビは幅広いインターン採用活動を行っており、全米各地の大学や、IT系の女性人材育成を支援するガールズ・フー・コード(Girls Who Code)やテクノベーション(Technovation)といった組織を訪問して参加を呼び掛けている。

「多様性はあらゆるところからもたらされる。重要なのは、どの大学に行ったかではなく、大学で何をやったか」とモリス。「弊社に加わる学生には、私たちの顧客や、私たちが事業を展開するコミュニティーを反映した面々であってほしい」

アドビに入社した社員たちは、時間を無駄にすることはせず、すぐさま在学中と同じ再び勉強の日々を開始する。「多くの人は、卒業したらそれで終わりだと考えがち。学位はスタートでしかない」とモリスは語る。

新入社員は、「Accelerate Adobe Life(アドビ生活を加速させる)」と呼ばれるプログラムによって、同社の一員となっていく。このプログラムには、アドビが年次成績評価の代わりに行っている継続的な評価制度などについての一連の説明会や、無意識の偏見に気付き対処する方法を学ぶ「Breaking Bias(偏見を打ち破る)」といった研修が含まれる。

新入社員はその後、オンデマンドの学習コースやリーダーシップ開発コースを利用することで、自主的に成長を続けられる。また、年間1万ドル(約100万円)の教育費負担制度も用意されている。「私たちは、個人が機会を追求できる環境を推進している」とモリス。「学びは生涯続くものだ」

アドビの新入社員にとって、キャリア開発面での福利厚生と同じぐらい大切なのが、社会貢献の機会だ。「自分自身を超えた何かをして、社会的なインパクトをもたらすこと。これこそが今日の新入社員が望むことだ」モリスは言う。

アドビでは、社会奉仕は企業文化の中核をなしている。2017年には従業員の63%が社会奉仕活動に参加。さらに、会社が寄付金などを同額支出するマッチング拠出制度は45%の従業員が利用し、世界中の慈善事業に計600万ドル(約7億円)以上を寄付した。

従業員が他人の幸福に貢献する一方、アドビは従業員の面倒をしっかりと見ている。同社では、全社規模での夏季・冬季休暇、勤続年数に応じて申請できる長期休暇、寛大な育児・家族休暇が用意されているほか、不妊治療や代理出産、養子縁組にかかる費用の還付や、児童手当として年間1200ドル(約13万円)の給付も行っている。

また、よりインクルーシブ(包摂的)な環境作りのため、障害者、性的少数者(LGBTQ)、女性、退役軍人、そしてさまざまな人種の従業員を支援する7つの社内ネットワークを設立した。

「人々を引き付け、会社にとどまらせるには、タダ飯を与えるだけで十分、という考え方に、私は賛成しない」とモリス。「人々が心地よくいられるような職場体験が必要だ」

現代の新卒生は以前と比べ、教育、インパクト、バランスに価値を見出しているのかもしれないが、結局のところ会社に求めることはそれほど変わらないのではないかとモリスは言う。「誰もが勝ち組で働きたいと思っている。一番の学校に行きたがるのと何ら変わらない。当社は成長を続ける企業であり、成功の歴史的な背景や実績がある」

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