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米国株のブル相場、人間なら127歳

The Wall Street Journal. のロゴ The Wall Street Journal. 2017/03/10 CHRIS DIETERICH

 8年前の3月9日、米株式相場は底を打ち、その後はほぼ一本調子で上昇を続けている。2009年3月9日のS&P500種株価指数の終値は677だった。今週9日の終値は2364.87となり、底値を拾った投資家は資金を3倍余りに増やしたことになる。

 投資家は10年に「フラッシュクラッシュ(瞬時の株価暴落)」を経験し、その1年後には米国債の格付けが引き下げられた。その後も、政府債務上限問題、「テーパリングかんしゃく(量的緩和縮小が示唆されたことによる市場の混乱)」、強制的な歳出削減と実質的な増税が重なる「財政の崖」と難題が続いた。ギリシャのユーロ圏離脱「グレグジット」や昨年決まった英国の欧州連合(EU)離脱「ブレグジット」でEUが分裂するのではないかとの懸念を、投資家はねじ伏せている。

米国株のブル(雄牛)相場は人間で言えば127歳 © Provided by The Wall Street Journal.

 それに何より、米連邦準備制度理事会(FRB)のおかげもあった。自らの投資方針を貫いた株式投資家は、比較的安全な資産である米国債または預金を通じて手にする利益をほぼ相殺してしまうようなFRBの金融緩和策の恩恵を受けた。さらに、超低金利は投資家のリスク選好と株式投資によるリターン追求を促した。

 そうした投資家はかなりの利益を上げた。ウィルシャーによると、米株式市場の時価総額は最低だった時に比べ21兆ドル(約2420兆円)上昇した。

 このブルマーケット(強気相場)はどのくらい続いているのだろうか。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのシニア・インデックス・アナリスト、ハワード・シルバーブラット氏が過去100年に見られた上げ相場の平均期間と比較したところ、このブル(雄牛)は、人間で言えば127歳に相当することが分かった。ただ上には上がいる。1990年から2000年までは上げが10年近く続いていた。

 09年以降でS&P500種指数が直近の高値から10%以上下げる調整に入ったのは4回にとどまり、最近では昨年2月だった。

 株式相場の上昇局面をみると、今回の上げ相場は過去に比べてそれほど勢いがあるわけではない。金融危機時の安値以降、S&P500種指数のリターンは年17%。これは、1929年の大恐慌後の13回の上げ相場での平均リターン年22%を下回っている。

 次に何が起きるのかを予想するのは不可能だ。株価についてはもうかなり割高だとする見解もある。また、政府を巡る不確実性によって市場は脆弱(ぜいじゃく)な状態が続いている。だが、楽観主義者は、企業が利益を増やす可能性があるとみており、減税など成長を後押しする政策が利益を押し上げるカンフル剤になり得ると指摘する。

 古い格言は今でも十分当てはまるようだ。

「自分が恐れていることは誰でもすぐに分かるが、自分の欲望に気づくのはずっと難しい」

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