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結婚祝金を支給してくれる市町村があるって本当?

マイナビニュース のロゴ マイナビニュース 2018/07/11 10:46 佐藤章子
●結婚祝金は「移住+定住」が支給の前提

「結婚祝金」という言葉を聞いたことがある人もいるかと思います。企業から結婚祝金が出ることは珍しくありませんが、実は自治体からも給付されるケースがあるのはご存じでしょうか。晩婚化が進んで未婚率も増加しているとは言え、結婚は一般的にはごく当たり前のことです。「本当に祝い金がもらえの?」といぶかるかもしれませんが、一定の条件のもとで実際に結婚祝金が支給される地域もあるのです。

その条件とは、その地域への「移住+定住」。つまり過疎化の問題を抱えている地域が、若い世代の人口増加を狙って設けている制度なのです。結婚祝金だけでなく、住まいの提供など、さまざまな支援が用意されている地域もあります。結婚と同時に子育て環境に良い田舎にIターンしたいと考えているカップルにとっては、思わぬ支援が用意されているケースもあります。今回はその中から結婚祝金について詳しくみていきましょう。

結婚をするとお祝い金がもらえる市町村もある © マイナビニュース 提供 結婚をするとお祝い金がもらえる市町村もある

結婚をするとお祝い金がもらえる市町村もある

一般に、若い世代の都会志向傾向は今も昔も変わらないでしょう。私は学生の頃に両親が仕事で転勤したために一時寄宿舎にいましたが、同宿となった地方から出てきた学生のほぼ全員が、地方には帰らずそのまま東京暮らしになりました。今も同じような現象が起きているのではないでしょうか。

しかし、中高年向けに行った地方への移住意識調査で、「移住したい」と「2地域で拠点を持ちたい」と考えている人がかなりの割合であるというデータを見たことがあります。

我が家でも、チャンスがあったので若いときに移住を前提に動き始めていましたが、バブル期になってしまい、「バブルはすぐにはじける」と冷静に判断していましたので、リスクを負えずに断念しました。ネックになったのは住まいの取得と仕事の確保でした。バブルで高騰した住宅を取得したのちにバブルがはじけて、仕事も不安定になったら、地縁のない者にとっては人生設計が破綻しかねません。

いかに若者のニーズをくみ取れるか

日本の社会や経済の安定のためには、一極集中の改善は不可欠だと思っていますが、足がかりがなければ簡単には移住できません。首都圏よりも地方都市の方が、女性の就業率も出産率も高い傾向にあります。

結婚祝金を支給している自治体や地域の最新情報を確認すると、「婚活支援」なども含めて、なかなか実のある支援を行っているところもあります。地方都市での婚活支援+移住支援+就業支援などがセットになっていて、都会の若者のニーズに見合うように組み立てられていれば、それなりの成果がありそうです。ただ、大きな話題になった話は聞きませんので、ニーズのくみ取りは予想外に難しい問題なのかもしれません。

●どんな地域が結婚祝金を支給しているの?

結婚祝金を支給している自治体を調べてみると群馬県が多く、桐生市、上野村、神流町の3地域で制度を設けています。

群馬県は災害が少なく、安心して子育てができる環境です。私が住む都内のエリアはマンションが立ち並び、大きな災害が起きれば、果たして子供の命を守れるか不安な地域です。

一方、先日群馬で起きた地震の際に、たまたま震源地近くに滞在していて、下から突き上げる揺れは初めての経験で驚きました。防災対策もライフワークの一つですので、そのときに地震のリスクはどのくらいかと思い、周囲を見渡して観察したところ、都内と違って地震による二次災害は何ら心配のない環境であることに不思議な感慨を覚えました。

群馬県の3地域の支援概要

首都圏からもさほどの距離でもない、災害も少ない群馬県の3地域の支援はどのようなものなのか少し詳しくみてみましょう。

桐生市

桐生市では、黒保根町内で定住を誓約した方へ結婚祝金、出産祝金、新築祝金を交付しています。申請には、黒保根町に10年以上定住することを誓約するなどの条件があります。結婚祝金は1組5万円が支給されます。

上野村

上野村に定住を希望する後継者の定住を促進し、生産年齢人口の高い村づくりを進めることを目的として、結婚祝金を支給しています。ここでいう「後継者」とは、上野村に定住する意志のある結婚中の45歳以下の方を指します。

また、「定住」とは、永年または相当長期(10年以上)にわたって村の住民基本台帳に登録し、かつその生活の本拠が上野村にあることをいいます。婚姻届が受理された日から1カ月以内の申請により、1組あたり10万円が支給されます。

神流町

町内に住所を定めて結婚した方(ただし、60歳未満であるとともに、どちらかが初婚で5年以上定住することが条件)に1組あたり10万円が支給されます。

群馬県の3地域のほかに、北海道芦別市や北海道秩父別町、北海道北竜町、山形県遊佐町、福島県川内村、山梨県身延町、岐阜県揖斐川町などが結婚祝金制度を設けています。制度は期限があることが一般的ですので、実際に移住などを検討される際には、直接それぞれの地域の管轄部署に確認ください。

地方移住活性化のために必要なのは……

我が家では、今年から2地域居住を始めました。数年前から空気の良いところの拠点を探して、短期滞在などを行ってきたのですが、やはり1週間程度の滞在ではなく、数カ月、数年単位の滞在が必要で、そうなると民宿でも相当な費用を覚悟しなければなりません。アパートなどは家財一式を整える必要があります。相当年数滞在するのでなければ、もったいない投資となってしまいます。空き家はいろいろあるはずなのに、なかなかマッチするものを探し出せずにいました。

「移住」「長期滞在」「数カ月の短期滞在」……etc.過疎地域でもさまざまな滞在のニーズはあるはずなのです。過疎の現実はたびたび報道されますし、田舎暮らしに夢を抱く都会人も少なくないのですが、どうも上手にマッチングされないようです。

ニーズを的確に地方が把握できていない点で思い出すのが、有川浩さんの『県庁おもてなし課』です。結婚祝金だけで移住を決意する人はいないでしょう。婚活サービスや農業研修生、お試し短期滞在、そしてなによりも移住者のニーズや移住に際しての不安点などに対応したサービスがあれば、もっと活性化しそうに思えます。

※写真と本文は関係ありません

■ 筆者プロフィール: 佐藤章子

© マイナビニュース 提供

一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。

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