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部下に信頼されない「話の聞き方」3つのポイントにご用心!

ダイヤモンド・オンライン のロゴ ダイヤモンド・オンライン 2018/10/12 06:00 宮本実果
部下に信頼されない「話の聞き方」3つのポイントにご用心!: 写真はイメージです Photo:PIXTA © 画像提供元 写真はイメージです Photo:PIXTA

管理職にとって、部下を一人前に育てることは重要な業務です。そのためには、部下との信頼関係がうまく構築されていなければ始まりません。しかし、それができていない管理職の方は、話を聞く態度や姿勢を見直す必要があります。『管理職養成講座』第20回では、話の聞き方に失敗し、部下と信頼関係が構築できなかった管理職の事例を紹介します。(MICA COCORO代表 産業カウンセラー 宮本実果)

部下との信頼関係を構築するのに気苦労が絶えない日々

 IT企業に勤めるNさん(男性・44歳)は、SEとしての高い技術が認められ、今の部署で課長職を任されて1年が経ちました。企業向けのシステムを開発する現在の部署は、Nさんに加えて8人の部下がいます。

 Nさんは、日々業務に追われる中で、管理職としての立場に誇りをもって働いています。部下に対しても、管理職を目指してほしいと考えており、その見本となるように努力を惜しまず頑張っています。

 しかし、思い描く理想の指導方法と現実が一致せず、部下との信頼関係を構築するのに気苦労が絶えない日々です。先日も、部下Aさん(女性・29歳)との接し方にどんな問題があったのか把握できないまま、なんとなく距離を置かれていると感じています。そのきっかけとなった会話をご覧ください。

N課長 「Aさん、T社のプロジェクトの進捗報告がまだみたいですが、どうなっていますか?」Aさん 「申し訳ございません!明日、ご報告いたします」N課長 「進捗報告はすぐに出してもらわないと困りますね」Aさん 「申し訳ございません…」N課長 「そもそも、Aさんは以前から報告が遅れがちですが、スケジュールの管理方法を見直したほうがいいと思いますよ」Aさん 「他の案件と重なってしまっておりまして…」N課長 「忙しいなら、それを言ってもらわないと困ります。几帳面な性格だと思っているから期待して任せているんだから、頑張ってくださいね!」Aさん 「あ、はい…。申し訳ございませんでした」

ビジネスに適さない会話が部下をモヤっとさせてしまう

 プロジェクトの進捗報告が予定通りに行えていないAさんは、N課長から指摘されたことはもっともだと思う一方で、なんとなくモヤっとすることもありました。それ以来、気が晴れないまま、N課長とは事務的な会話になってしまいました。

 N課長には、Aさんを管理職に育てたいという思いもありました。しかし、そうした思いはAさんに全く届いていないどころか、逆にモヤっとさせてしまっています。客観的に見て、この会話はいったい何が問題だったのでしょうか。

「話を聞く態度や心構え」の3つのポイントで解決する

 筆者が、産業カウンセラーとしてカウンセリングを行う場合、一般的な知人同士の会話とは違う結果を導くために意識していることがいくつかあります。

 それは、「相手の話を聞く態度や心構え」です。

 カウンセリングの現場において、上司とのコミュニケーションに悩みを持った相談は絶えずありますが、そこにはいくつも共通する問題点があります。それは、上司の「話を聞く態度や心構え」の問題です。

 問題を解決するためには、以下の3つのポイントを意識してみましょう。

(1)感情的に話さないこと(2)相手に対する先入観で会話を展開しないこと(3)論理誤差に気をつけること

(1)と(2)はそのままですが、(3)の「論理誤差」とは、話し相手の性格や特性を、客観性なく本人の感覚や価値観に当てはめてしまうことです。

 今回の事例では、「Aさんは几帳面な性格だから、きっと報告もまめに行うだろう」と考えたことです。実は、几帳面な性格と、まめに報告するということは別の次元の話なのです。

 では、どうすればよかったのでしょうか。会話から学んでいきましょう。

N課長 「Aさん、T社のプロジェクトの進捗報告がまだみたいですが、どうなっていますか?」Aさん 「申し訳ございません!明日、ご報告いたします」N課長 「進捗報告は明日になるということでよろしいですね?」

Aさん 「はい、他の案件が重なってしまいまして、明日になってしまいます」N課長 「そうですか、わかりました。Aさん、進捗状況の報告は、チーム全体のスケジュールに大きくかかわってくる大切な業務です。今後は、スケジュールの変更が起きそうな場合は迅速に共有していただけますか?」Aさん 「かしこまりました。進捗報告業務の重要性について、少し甘かったかもしれません。再度認識します。明日は書面で報告いたしますので、よろしくお願いいたします」N課長 「Aさんは、個人のパフォーマンスも素晴らしいと思っています。これからは全体を見て、チームをまとめられるような能力を養うよう私もサポートしますので、お願いしますね」Aさん 「ありがとうございます。明日は必ず提出いたします」

 このように、3つのポイントを意識することによって、Aさんは問題の重要性に気づいて仕事に前向きになり、チームのリーダー格を目指す気持ちも芽生えました。

部下から嫌われると考えずに信頼関係を構築する

 部下や若者を指導する際、「嫌われるのではないか」「パワハラなどの問題に発展するのではないか」などと不安になる管理職の方も少なくないでしょう。とはいえ、恐れるだけでは、部下は育ちません。

 そもそも、管理職になりたくないと考える若者が増えています。そうした中で、管理職となる人材を育てるのは至難の業。部下とどう向き合えばいいのか真剣に考え、「部下の成長は自分の成長でもある」と意識してみることも大切です。その際には、ぜひ、「話を聞く態度と心構え」を意識してみましょう。

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