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銀行業界にいらだち 曇天景気で長引く金融緩和 リスク投資で損失も

産経新聞 のロゴ 産経新聞 2019/03/14 20:28 株式会社 産経デジタル
銀行業界にいらだち 曇天景気で長引く金融緩和 リスク投資で損失も: 会見する全国銀行協会の藤原弘治会長=14日、東京都千代田区(西村利也撮影) © 産経新聞 提供 会見する全国銀行協会の藤原弘治会長=14日、東京都千代田区(西村利也撮影)

 世界経済の先行きに悲観的な見方が強まり、銀行業界が日本銀行の大規模金融緩和のさらなる長期化にいらだちを募らせている。市場では来年にかけての景気後退入りを見込んだ追加緩和観測もくすぶり、緩和を手じまいする「出口戦略」は一層遠のきそうだ。低金利の長期化で本業の貸し出し業務は利益を出せず、リスクの高い投資に傾注して損失を出し、経営の安定性が揺らぐ懸念が強まっている。

銀行業界にいらだち 曇天景気で長引く金融緩和 リスク投資で損失も: 会見する全国銀行協会の藤原弘治会長=14日、東京都千代田区(西村利也撮影) © 産経新聞 提供 会見する全国銀行協会の藤原弘治会長=14日、東京都千代田区(西村利也撮影)

 全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は14日、会長として臨む最後の記者会見で、大規模緩和について「経済全体で損失が利益を上回る状態に陥るリスクが高まっていないか十分精査してほしい」と見直しを要望した。また、日銀が掲げる2%の物価上昇目標にはこだわらず柔軟に対応してほしいと訴えた。

 足元の景気は後退局面入りの可能性が指摘されているが、政府は景気が穏やかな回復基調にあるとの認識を維持している。銀行業界の訴えには、今が将来の正常化に向けた政策修正の「ラストチャンス」(大手銀幹部)という切迫感がある。

 実際、エコノミストの間では日銀がいずれ追加緩和に踏み切るとの見方が徐々に強まっている。足元の株価回復を受け、今すぐ景気の下支えが必要になるとみる向きは少ないが、年末にかけて景気悪化が進み上場投資信託(ETF)の買い増しなどの対応が必要になるとの見立てが広がる。

 今年に入って利上げを中断した米連邦準備制度理事会(FRB)には既に利下げ観測も浮上。現実になれば日米の金利差縮小による円高進行を防ぐため日銀も追加緩和を検討せざるを得ず、出口戦略は数年単位で後ずれする可能性が高い。

 超低金利で利ざやが減った金融機関は収益を求めリスクを取る傾向を強め、昨年後半からの株安や米金利上昇を背景に株式や外債投資の運用失敗で損失を計上する事例が相次ぐ。みずほフィナンシャルグループが平成31年3月期の業績予想で計約6800億円の巨額損失を発表したのも外債運用などで約1800億円の損失を出したのが一因だ。

 比較的高い利回りにひかれ低格付け企業への融資を証券化したローン担保証券(CLO)を買い入れた邦銀も多く、金融庁は価格低下時の損失に懸念を強める。全国地方銀行協会の柴戸隆成会長(福岡銀行頭取)は「信用性が低い商品から問題が出る。世界経済が踊り場に差し掛かる中、十分注意している」と説明する。

       (田辺裕晶)

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