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香取慎吾&草彅剛、意外すぎるCMでみせた姿 最新のCM好感度ランキングTOP30を発表

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2018/09/14 09:00 関根 心太郎
香取慎吾&草彅剛、意外すぎるCMでみせた姿 © 東洋経済オンライン 香取慎吾&草彅剛、意外すぎるCMでみせた姿

あなたのお気に入りのCMは、何位にランクインしているだろうか?

CM総合研究所が毎月2回実施しているCM好感度調査は、東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象として、関東在住の男女モニターが、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに思い出して回答するものだ。

最新の2018年8月後期(2018年8月5日~ 2018年8月19日)調査結果から、作品別CM好感度ランキングTOP30を発表。その中から、CM総研が注目するCMをピックアップして、ヒットの理由に迫る。

総合1位になったのはauの新CMだった

 2015年1月から始まり国民的人気CMとなったKDDI『au』の「三太郎」シリーズ。今年6月には実際にスタッフ宛てに届いた少女からの一通の手紙をきっかけにスタートした「みんなつくろう 浦ちゃんのいえ 大ぼしゅう」プロジェクトとして、“浦ちゃん”こと浦島太郎(桐谷健太)の家のデザインの一般募集を告知するCMが放送され、大きな反響を呼んだ。

 今回、CM好感度の総合1位に輝いたのは、ついに完成した家の上で浦ちゃんが新曲『おうちの歌』を熱唱するという新CMだ。

 新居に招かれた三太郎メンバーが室内を案内されて笑い合い、にぎやかに過ごす様子がインサートされる映像に「♪いつも誰かが待ってる そんな場所になるといいな いつも誰でも立ち寄る そんな場所になるといいな」という歌声が重なる。さらに浦ちゃんが「家族をつくる!」と書かれた掛け軸を披露し、家族で対象機種に機種変更した場合に一定のポイントがキャッシュバックされる「家族ナツ得キャンペーン」の訴求につなげて締めくくった。

 心温まる楽曲に「ゆったりとしていて耳に心地よいです」「曲がとても良い」「浦ちゃんの新曲だと思い、聞こえた瞬間からCMをしっかり見ました」「浦ちゃんの声が好きでふと手を止め聞きいってしまう」と調査モニターからも評判は上々だ。

 作詞はクリエーティブ・ディレクターの篠原誠氏、作曲は人気シンガーソングライターの秦基博氏が担当しており、『海の声』に続く浦ちゃんの代表曲となりそうだ。

 いつもはコミカルな展開で視聴者を楽しませつつ、定期的に友だちや親子・家族の大切さを描いては、見る人々の感情を揺さぶる三太郎シリーズのCM展開。なかには直接商品やサービスに言及しないCMもあり、CM好感度調査でも「何のCMだかわからない」というようなネガティブな感想があがることもある。

 だが通信事業という中身の見えにくい業界にあって、「人と人との絆を紡ぐ手伝いをする会社である」という姿勢をアピールする広告は、企業から世の中一人ひとりに向けた誠実なメッセージといえよう。

 4位と5位には草彅剛、香取慎吾が出演するCMがランクインした。

 4位はアンファーの発毛剤「スカルプD メディカルミノキ5」。同商品は、一般用医薬品として国内で唯一発毛効果が認められている成分「ミノキシジル」を5%配合した商品で、草彅と香取は薄毛・抜け毛の悩みを持つ人に寄り添い応援する「ミノキ兄弟」を演じている。

 CMは横に並んだ草彅(兄)と香取(弟)が心の声で会話する内容で、香取が「兄さん、すごい発毛剤が出たんだ」と語りかけると「……生えるのか?」と草彅が問い、それを受けて「ミノキなら、生える」と自信を持って答えるというストーリーだ。視聴者を驚かせたのはふたりの髪型で、生え際が後退した広い額が目を引く。

 加えてサラリーマン然とした白いシャツを羽織り、国民的大スターとは結びつかない出で立ちを披露した。

起用の狙いは的中

 アンファー株式会社マーケティング本部ブランド戦略部の三山孝仁部長は起用の理由について次のように話す。

 「テレビのみならずウェブ上でも話題を広げていくパワーを持っていること、かつ新たな挑戦を繰り返してどんな状況でも活躍できるということを証明し、多くの人々に勇気を与えているということ。このおふたりなら商品を広く伝えていただけると確信しました」

 モニターの感想には「すごいキャスティング。よく受けたと思う」「アイドルがすごい格好で出ているのでインパクトはかなりのものと思う」「体を張ったCMに出ていることに驚いて、目が釘付けになった。とても面白かった」と驚きのコメントが並ぶ。

 知名度・人気に加え意表を突いた演出で、ターゲットである30代以上の男性のみならず女性からも多くの注目を集め、狙いは的中だ。

 5位のファミリーマート「炭火焼きとり」はリニューアルに伴う10円引きセールの期間に合わせて放送されたもので、こちらは香取慎吾がメインキャラクターを務める。

 CMは公園で商品を食べる香取と通りすがりのサラリーマンのやりとりを描いたもので、セリフがすべてファミリーマートの入店音のメロディーに乗せられて展開するという中毒性のある作品だ。

 多くの人が無意識的に浴びて記憶に刻まれているメロディーを取り出して主役に据えるというアイデアが光った。

 モニターには「みんなが聞いたことのあるチャイムを使ってこんなCMを作ってしまうところがすごい」「あの曲は誰でも知っていると思うので広告効果もバツグンと思う」「ファミマのおなじみの音楽にのってのやりとりがすっごく面白い!!」と好評で、CM好感要因の「音楽・サウンド」の項目では期間中にオンエアのあった全3230作品中の2位につけた。

 人気アーティストの楽曲ではないものの、生活者(一般消費者)の日々の動線上にある音を資産として活用した技ありCMだろう。

 いずれのCMも、「認知度と注目度の高いタレントを起用した」ということが好評価の大きな理由であろう。しかしその条件を満たすCMならば他にも多くある。今回この2作品が上位にランクインしたのは、「商品情報を楽しく届ける」というテレビCMの基本マナーをしっかりとおさえているからにほかならない。

生活者の心情に寄り添う視点を持っているか

 「スカルプD メディカルミノキ5」についていえば、「すごい発毛剤」と表現するほどの効能がある商品なのだから、医薬品として伝えたい機能や開発秘話はいくらでもあるだろう。それを成分名である「ミノキシジル」でさえ「ミノキ兄弟」としてエンターテインメントに変換している。

 発毛剤というややネガティブにとらえられやすいカテゴリであることを踏まえ、成分や使用方法の認知向上よりも、発毛剤を使用することへの抵抗感を払拭し、身近な存在として「自分が持っていてもいい商品だ」と感じさせることを優先した今回のコミュニケーションは、真に生活者の心情に寄り添う視点がないと生まれなかったはずだ。

 「炭火焼きとり」にしてもリニューアルの内容やいかにおいしくなったかを説明するのではなく、「すげえうまそうじゃん」「バカうまい」と食べた人に言ってもらいたいセリフを、広く知られているメロディーに乗せてコミカルに表現している。

 企業からすると、苦労して作り上げた商品は子どものようにかわいいだろう。一方、世の中の一般消費者は、24時間その企業の商品のことを考えてくれているわけではない。

 “かわいい我が子”が世に出たときにひとりで歩いていけるよう、客観的かつ生活者と同じ視点で判断できるか否か。それがCMを通じてコミュニケーションを成功させるためのカギといえそうだ。

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