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1ドル=120円、日本にとっての円安の限度か-麻生財務相の発言示唆

Bloomberg のロゴBloomberg 2017/02/17 Will Davies

(Bloomberg) -- 円安にも一定の限度が必要だとする点で、日本政府がトランプ米大統領と見解を共有していると受け止められる出来事があった。

  為替相場と輸出競争力との相関をめぐり日米両国がそれぞれの主張を展開する中、麻生太郎財務相は15日、慣例を破った形で特定のドル・円相場水準に言及した。麻生財務相は1ドル=114円前後の円相場について、2008年のリーマン・ブラザーズ経営破綻前よりもまだ強く、現行水準は円安ではないとの見方を示した。

  JPモルガン・チェースの佐々木融市場調査本部長は16日のリポートで、ドルが対円で1ドル=120円に上昇すれば、円は弱すぎると麻生氏はみていると受け止められると指摘し、日本としては恐らく、ドル・円が現行水準前後にずっととどまるよう望んでいるのだろうと記した。

  日本の当局者が、リーマン・ショック前の為替相場を1つの基準として示したのは、今回が初めてではない。日本銀行の黒田東彦総裁は2015年6月、円が125円86銭と10年ぶりの安値を付けた段階で、実質実効レートでさらに円安に振れる公算は小さいと話した。

  リーマン破綻後の安全資産需要で円高が進み、11年には戦後最高値の75円35銭を記録。市場シェアと利益を損なわれた日本の輸出業者は痛手を被り、製造業の雇用も打撃を受けた。その後、アベノミクスの一環として前例のない金融刺激策が講じられ、円が大きく下げると、過度の円安は個人消費を圧迫すると懸念する声が一部に上がった。

  JPモルガンの佐々木氏は同リポートで、15年6月の黒田日銀総裁の発言によってドル・円の上昇にようやく歯止めがかかったとした上で、麻生財務相は今回、当時に比べ5円程度基準をドル安方向に引き下げたことになるとの分析を示した。

  佐々木氏は、ドル・円が現行水準からあまりにも大幅に上昇することになれば、トランプ政権から圧力が生じる可能性があるため、日本の当局者がそのような事態を望んでいないのは理解できるとコメント。実際、トランプ大統領は先月、中国と日本が通貨安誘導を繰り広げているのを「われわれは間抜けな集団のように傍観している」と発言した。

  円安は通常、日本の株価を押し上げる。だが、メリルリンチ日本証券の山田修輔チーフFX株式ストラテジストによれば、120円を大きく越えて弱くなれば、株式投資家の間に動揺が広がる恐れがある。仮に130円よりも円安が進行すれば、輸入コストの上昇が響き、日本の経済と株式に良くないのは明らかだという。

原題:Japan’s 120 Yen Line-in-Sand Offers Currency Detente to Trump(抜粋)

: 東京 松田英明 hmatsuda18@bloomberg.net.

翻訳記事に関するエディターへの問い合わせ先 大久保義人 yokubo1@bloomberg.net.

記事に関する記者への問い合わせ先: 香港 Will Davies wdavies13@bloomberg.net.

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Christopher Anstey canstey@bloomberg.net, Garfield Reynolds

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