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「マイクロマネジメント上司」の実態と対策 パワポ資料は2ミリ単位で口を出す

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2018/03/14 13:00 ずんずん
とてつもなく細かい! マクロマネジメントおじさんはいたるところにいます(イラスト:ずんずん) © 東洋経済オンライン とてつもなく細かい! マクロマネジメントおじさんはいたるところにいます(イラスト:ずんずん)

 会社がつらい、辞めたい……。そう思う人は、仕事そのものというより、職場の人間関係で行き詰まっていることも多いかもしれません。自分自身に原因があるとは限りません。会社のあちこちに生息する「困ったおじさん、おばさん」に追い詰められていることも。
そんな恐るべき現場を数多く見てきたのが、元外資系OLでコラムニストのずんずんさん。この連載では、そんな彼らの生態を解き明かし、対策も考えていきます。

こんにちは! ずんずんです。そろそろ春も近づいて、花粉の季節がやってまいりました。イケてる東洋経済オンラインの読者の方にも花粉症の方は多いかと思います。

 ただでさえ、花粉症でうんざりしているところに、上司が、

 「このパワポのココの文字、あと2ミリぐらい上にできない?

 みたいなことを言ってくると、

 細かいんだよ! 細かすぎるんだよ! 花粉の粒子より細かいよ!

 なんて気分で、さらにうんざりしてしまいますよね。お前をスギ山に連れてってやろうかって気になりますよね。え? そんなことはない?

 でもその小言の内容が、常軌を逸するぐらい細かすぎるなら……。もしかしたらそのおじさんは、マイクロマネジメントおじさんなのかもしれません。

 本日の困ったおじさんはエントリーナンバー6「マイクロマネジメントおじさん」です。

マイクロマネジメントおじさんの特徴

 マイクロマネジメントおじさんは、その名のとおり、すさまじくマネジメントが細かいおじさんのことです。メールの書き方、電話の仕方、資料の作成の仕方まで、それこそ細部まで指示を出してきます。

 逆に言えば細部まで指示を出せるということは、細部まで見ているということでして、恐るべき処理能力をもったおじさんでもあります。

 おじさんは重箱のすみのすみまでつつきまくるため、その細かさについていけず部下がつぶれてしまうこともしばしばです。

 私も、何度もこのマイクロマネジメントおじさんにつぶされかけました。そもそも私は、会計系の専門職であったため、仕事の性質上、どうしても細かくなっていきます。

 しかし、私はどちらかというとガサツ……いや天才肌だったため、細かさに欠けていたのです。そこにマイクロマネジメントおじさん上司がついてしまったので、この世は地獄と化しました。

 しかも、私の上司であったマイクロマネジメントおじさんは、常軌を逸した細かさの持ち主だったのです。

 なんと、メールの文面、会議での発言の仕方、話し方といったことまで指示してくるのです。

 私は外資系企業に勤めていたのですが、このおじさんは、私の英語の発音まで指導してくる始末です。exemption(控除)という単語があるのですが、

 「なんだその発音は! それじゃexemptionじゃなくてexamptionに聞こえるぞ!!

 と言われた時には、そもそもeとaのおじさんの発音の違いがわからず、

 アレこれ? ギャグかな?とは思いました。

 しかしながら、私は、これはもう我が宿命だ……

 と、おじさんに抵抗することを諦め、運命を受け入れました。ストレス発散のためにソシャゲに課金することはせず、このマイクロマネジメントおじさんをどう攻略するかを考え始めたのでした……。

指示から外れると烈火のごとく怒りだす

 マイクロマネジメントおじさんは、細かく細かくいろんなことを指示してきて、その指示から少しでも外れてしまうと烈火のごとく怒りだして修正を求めてきます。

 こうなってくると、何をしても怒られてしまうので、何が正しいかわかりません。

 パワポの文字の位置はここでいいのか……。メールの文面はこれでいいのか……。そんな些細なことでも迷い始めてしまいます。

 しかし、逆に上司に「これでいいですか?」と確認すると、「そんなこと自分で判断しろ!」とこれまた烈火のごとく怒りだすのです。私は頭を抱えました。

 しかし、頭を抱えていても息をしていても家賃は発生するのです。地主が憎い。もうこんな会社辞めたいと思っても、ここで会社を辞めてしまったら、お賃金がもらえず、家賃も払えない……。

 そもそも、そんなポンポン会社辞めてたら自分の将来設計が滅茶苦茶になってしまう……。そんな不安が私の頭の中をよぎります。

 不安……? 

 ここで私は思いつきました。

 もしかして、この上司……ものすごく不安症なんじゃないのか……?

上司は不安症?

 マイクロマネジメントおじさんは、私だけでなくチームメンバー全員に対してマイクロマネジメントを行っていました。特に、彼より上役が出席する会議などではその傾向が顕著でした。

 上役が出席する会議があれば、その会議の前にチームだけで打ち合わせを行い、何を話すかまで事前に決定してから、実際の会議にのぞむという徹底ぶりでした。

 そうなのです。彼は上司の目をひじょーーーーーーに恐れているのでした。

 確かに外資系は業績主義で、パフォーマンスが少しでも落ちればマネジャークラスであってもクビになってしまうことが多々あります。

 そんなふうにならないためには、チームとしてのパフォーマンスを一定水準以上に保つ必要があります。その方法として彼はマイクロマネジメントを採用していたのです。

 つまりは、一応仕事はできる彼の言っているとおりに部下が行動すれば、チームは一定の水準を満たせます。そこに部下の自由裁量など存在しません。

 部下のやることなすこと口を出してくるということは、まったく部下の仕事を信用していないということです。

 上司様に信じていただけないというのは、滅私奉公している身としては哀しい限りです。上司がそんな不安症だとしたら、部下の私がやることはただひとつ、

 上司を安心させること

 だけです。つまりは、上司の不安ポイントを把握するようにしたのです。上司が何を嫌がり、何を好むか……。つねに上司の思考を先回りして、1000手先まで読む……気分は羽生名人です。

 そして、さらには上司の上司の情報を手に入れて、さりげなく伝えることで、上司の信頼感を増やしていく……。

 私だけではなく、それをチーム全体で行うようにしました。みんな上司のマイクロマネジメントのおかげで死にかけていたので、逃れたい一心だったのです。

不安を克服し、信頼を勝ち取った

 それを1年ぐらい続けた頃でしょうか。不思議なことに、ある日、ぴたりと上司のマイクロマネジメントが止まったのです。彼が「大丈夫だよな」「任せる」などと言うようになったのです。

 その瞬間、チームメンバーは心の中で嗚咽号泣しました。私たちは上司の不安を克服し、彼の信頼を勝ち取ったのだと……。

 そして、その後チームに新人が入ってきたのですが、その新人は私たちが受けたようなマイクロマネジメントを受ける羽目になりました。それを見ていた同僚がぽつりと、

 「きっとこれは、このチームのイニシエーションなのだ……」

 と言いました。そう、マイクロマネジメントおじさんが存在する部署では、おじさんのマイクロマネジメントを乗り越え、克服してこそ、チームの一員になれるのかもしれません。

 しかし、不思議なことにこの上司の下にいた時がいちばん自分に力が付いたような気がしています。マイクロマネジメントおじさんは、部下をつぶすか成長させるか、諸刃の剣的な機能をもったおじさんなのかもしれませんね……。

 といったところで今日は失礼します☆

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